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3月13日(土)銀座十字屋ホール「マリオ・マリオーネ・ナポレターナ」
ナポリが誇るカンツォーネ・ナポレターナ歌手、マリオ・マリオーネが来日し、「ナポレターナの世界」というコンサートを行いました。彼は伝説のナポレターナ歌手、ロベルト・ムーロロの後継者と言われ、正統派ナポレターナ歌手として世界中で活躍しています。カンツォーネ・ナポレターナとは、ナポリっ子たちがナポリの方言を使い、愛をテーマとしたものを独特の旋律で歌い上げる曲ですが、彼の歌には本当のイタリアの香りがします。甘く切なく柔らかで美しい節回しは、幾ら日本のイタリア語が得意なオペラ歌手たちが真似しようと思っても決して出来るものではなく、これはもうDNAの問題なのかも知れません。

また当日ピアノの伴奏をしたのが同じナポリ生まれのエンツォ・ディアマリオ。祖父がナポリ音楽院の学長という音楽一家に育った彼もやはりマリオーネと同じ血が流れているのです。確かなクラシックのテクニックに裏づけされたタッチは、アップテンポなものでもスローな愛の歌でも、自由自在にナポレターナの世界を造り出します。当夜もマリオーネの歌と一体となり、ナポリの風を呼び起こしました。

カンツォーネ・ナポレターナと言えば、「オー・ソレ・ミオ」「帰れソレントへ」「サンタ・ルチア」「フニクラ・フニクラ」などが圧倒的に有名です。しかし、当日歌われたのは、「帰れソレントへ」以外はほとんど有名な曲はなく、いかにもナポレターナらしい曲ばかりで、私は非常に楽しませてもらいました。

日本を代表するナポレターナ歌手、松本淳子も賛助出演として歌ってくれましたが、彼女とマリオーネの2重唱も2人の息がピッタリで素晴らしかったと思います。

また、当日観客としてきていた人たちの大多数はカンツォーネを勉強している人たちらしく、アンコールの「オー・ソレ・ミオ」では、「皆さんもご一緒に!」の声を待っていたかのように、会場は大合唱となりました。日本にこんなにカンツォーネファンがいたかと思うと、思わず微笑まずにはいられませんでした。私はもちろん歌いませんでしたが(笑)。

それにしても当夜、1つどうしても分からなかったことがあります。
マリオーネはまるで口に触れているのではないかと思うくらいマイクを口に近づけて歌うのですが、かなりフォルテ(f)で歌うようなところでも決して音が割れたりせず、破裂音も拾わず、息が漏れる音も一切聞こえないのです。マイク自体が非常にスペシャルなものなのか?、アンプやスピーカーの問題なのか?、もしかしたら息の量やスピードはほとんど変えずにピアノ(p)やフォルテ(f)を使い分けられるのか?テクノロジーの進化は間違いないでしょうが、今度ぜひマイク無しで彼の歌を聞いてみたいものです。
by hikari-kozuki | 2010-03-26 12:58 | Concert | Comments(0)
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