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1月30日(土)ザルツブルク祝祭大劇場「ウィーンフィル演奏会」
先週の水曜日までザルツブルクに行っていました。ちょうどこの時期はモーツァルト生誕週間でした。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトがザルツブルクのゲトライデガッセで生まれたのは、今から254年前の1756年1月27日。毎年のこの27日を挟んだ1週間から10日間くらいの期間で開催されるのがこの生誕週間です。夏の音楽祭は、夏の音楽祭事務局が開催しますが、生誕週間の方は国際モーツァルテウム財団が主催となり、モーツァルト作品だけでなく、現代音楽も積極的に上演します。もちろんこの時期のザルツブルクはとても寒いですが、空気が透き通ってとても美しい雪景色の町となっています。特に今年は世界的な厳冬なので、ザルツブルクも当然寒いです。

さて当夜のプログラムは、前半がクルターグの「絶望と悲しみの歌 器楽付き混声合唱のための6つの合唱曲 作品18」。後半がモーツァルトの「レクイエム K.626」というものでした。

ジェルジュ・クルターグは、ルーマニア生まれのハンガリー人作曲家で、ウェーベルンの後継者とも呼ばれる巨匠です。1926年生まれですので、もう84歳になりますが、まだまだ矍鑠としており、カーテンコールではマエストロに呼ばれ、客席から元気に壇上に上がって挨拶をしていました。この曲のオーケストラの編成は非常に特殊で、6名の弦楽器の後ろに4名のアコーディオン奏者が並び、管楽器、チェレスタ、オルガン、ピアノに、珍しいパーカッションがたくさん、という編成でした。混声4部合唱は、すべてロシア語のテキストで、リズムも音程も非常に難しそうでしたが、途中音叉を使って音程を確認している団員が大勢いました。

モーツァルトの「レクイエム」の方は説明が要らないと思いますが、ラクリモーザ以降、ジュスマイヤーが補筆をした非常に一般的な版での演奏でした。

さて遅くなりましたが、指揮はヤニック・ネゼ=セガン。1975年モントリオール生まれの若きカナダ人指揮者ですが、非常に小柄で華奢な体を一杯に使った実にエネルギッシュなタクトさばきです。昨今の活躍は目覚しいものがあって、今年の夏のザルツブルク音楽祭では、「ドン・ジョヴァンニ」と「ロメオとジュリエット」というもっとも注目されている2演目のオケピットに入ることになっています。

「レクイエム」のソリストは、ドイツ系の実力派スター歌手がずらりと並び、ソプラノはドロテア・レシュマン、アルトはビルギット・レンメルト、テノールのミヒャエル・シャーデ、バスのフランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒというメンバーで、もちろん素晴らしい出来でした。また、合唱は2曲ともウィーン国立歌劇場ではなく、ベルリン放送合唱団。この夜の主役はまさに彼らで、万雷の拍手を浴びていた。

ところでこの日の演奏会は19時30分開演でしたが、私が日本を経ってウィーン経由のオーストリア航空でザルツブルク空港に到着したのが17時55分。いったんホテルへ入りスーツケースを置いて祝祭大劇場に飛び込みましたので、さすがに少々疲れ気味でしたが、素晴らしい演奏会でまったく眠くはなりませんでした。
by hikari-kozuki | 2010-02-08 17:39 | Concert | Comments(0)
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