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Anniversary
昨年(2009年)は、メンデルゾーンの生誕200周年、ヘンデルの没後250周年、ハイドンの没後200周年くらいでしたが、今年は大物の作曲家が目白押しとなっています。主な音楽家たちを紹介していきますので、皆さんの演奏会計画にお役立て下さい。

まず、生誕300周年を迎えるペルゴレージ。ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージは、中部イタリアのイェージで生まれましたが、ナポリ楽派でもっとも重要な作曲家と言われています。幕間劇(インテルメッツォ)として書かれた「奥様女中」は、1時間足らずの短いオペラ・ブッファですが、この作品がバロックから古典派への橋渡しとなったと言われるほどの傑作として今も上演され続けています。「スタバト・マーテル」(悲しみの聖母)も非常に有名ですが、この作品の最後の小節を書くと同時に26歳の若さで夭逝してしまいました。

生誕200周年を迎える作曲家はたくさんいます。今から200年前の1810年といえば、ナポレオンが全盛期でしたが、ベートーヴェンが交響曲5番と6番を初演した2年後で、音楽の世界はちょうどロマン派に向かう直前でした。

まずはフレデリック・ショパン。ピアノの詩人と呼ばれる彼は、クラシックファン以外でも絶大なる人気を誇るワルシャワ生まれのポーランド人作曲家です。ワルツ、マズルカ、ノクターン、ポロネーズ、エチュード、プレリュード、即興曲、バラード、スケルツォ、ソナタなど数多くのピアノの独奏曲を書き、ピアノ協奏曲も2曲残しています。5年に1回開催されるショパン国際ピアノコンクールは、世界中のコンクールの中でも最も有名なものですが、ちょうと今年がその年に当たり、今年はクラシックシーンは、ショパン一色になることでしょう。

次にロベルト・シューマン。ドイツ東部のツィヴィッカウ生まれのロマン派を代表するドイツ人作曲家です。「子供の情景」を始めとするピアノ曲、「詩人の恋」などの声楽曲、4つの交響曲、ピアノ協奏曲など数多くの傑作を残しました。天才ピアニストとして有名なクララとの間には8人の子供が出来ましたが、死の3年前くらいから梅毒に侵され、精神に異常をきたし、不幸な晩年となってしまいました。作曲以外でも、若きブラームスを見出し、同い年のショパンを天才が現れたと評価し、メンデルスゾーンを助け、シューベルトの交響曲第8番(グレート)を発見し、バッハの全集発行を手伝うなど、音楽界への貢献は計り知れません。

それからオットー・ニコライ。このドイツ人作曲家は、最晩年に書いたオペラ「ウィンザーの陽気な女房たち」で知られていますが、この作品はドイツオペラ史上の金字塔と言われています。この作品はシェークスピアの同名の喜劇を元にかかれたものですが、ヴェルディの遺作「ファルスタッフ」も同じ原作を元にしています。そしてもう1つ彼で忘れてならないのは、ウィーンフィルの前身フィルハーモニー・アカデミーを立ち上げたことです。

作曲家ではありませんが、台本作家のフランチェスコ・マリア・ピアーヴェも生誕200周年です。ヴェルディとのコンビで「エルナーニ」「マクベス」「リゴレット」「トラヴィアータ」「シモン・ボッカネグラ」「運命の力」など傑作群を生み出しました。

生誕150周年を迎えるのはグスタフ・マーラーです。彼はオーストリア人の作曲家兼指揮者ですが、交響曲の作曲家として広く知られ、彼の残した11の交響曲は、世界中のオーケストラのレパートリーとなっています。しかし、彼が生きていた当時は、。ウィーン宮廷歌劇場の総監督を始め、世界一の売れっ子指揮者として多忙を極めていたため、彼の作曲活動は劇場の夏休みに限られていて、その限られた時間の中でこれだけの作品を残すとは本当に凄い人だったのでしょう。

もう1人フーゴ・ヴォルフも生誕150周年です。ドイツリート(歌曲)の作曲家として有名ですが、生前は評論家として、ワグナーを支持し、ブラームスを強烈に批判しました。

他にはスペインの作曲家イサーク・アルベニス、フランスの作曲家ギュスターヴ・シャルパンティエも生誕150年を迎え、スペイン人作曲家ロルフ・リーバーマンとアメリカ人作曲家サミュエル・バーバーが生誕100周年です。
by hikari-kozuki | 2010-01-21 18:13 | Others | Comments(0)
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