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1月3日(日)兵庫県立芸術文化センター「小川響子コンサート」
昨年の秋、冬のオペラ、演奏会もまだレポートしていないものがたくさんありますが、時間的な順番を考えていたらいつまでも書けないままになってしまうので、とりあえず今年は今年ということで、年が明けてからのものを報告して行こうと思います。

世の中はまだ屠蘇気分が抜けていない1月3日(日)、今年最初の演奏会は関西でした。
兵庫県立芸術文化センターというのは一昨年の佐渡裕の「メリー・ウィドー」でも行ったところですが、当日は、神戸女学院という名前が付けられた小ホールで、ここもとても良いホールでした。

さて、小川響子という若いソプラノ歌手は、まったく知らなかったのですが、演奏会はとても良かったと思います。透明感の高い美声の持ち主で、テクニックもあり、表現力も充分に持っています。高音には伸びがあり、中低音も安定しています。プログラムの前半はシューベルトやフォーレ、ラフマニノフなどいろいろな言語によるリート。そして後半はミュージカルのナンバーで、「サウンド・オブ・ミュージック」「マイ・フェア・レディー」などの名曲を並べたものでした。
彼女は高校時代にリヴァプールに留学し、大阪音大に入学、現在はNYのマンハッタン音楽院で勉強する国際派ですが、一般的なクラシックの声楽の世界では珍しいルートと言えるでしょう。プログラムから考えると、本人はミュージカルやコンサートを活動の中心としていくつもりなのかも知れません。しかし、私はオペラ歌手としても充分に素質があると思いますので、まだまだ若いのですからいろいろな世界にトライして欲しいと思います。

実はこのコンサート、伴奏がパヴェル・ギントフだったのです。彼はこのブログでも何度も書きましたが2006年の第1回高松国際ピアノコンクールで優勝し、その後NYへ渡り、現在はマンハッタン音楽院の博士課程で勉強している超有望なピアニストです。パヴェルのNYでの演奏会を聞いた小川嬢から、ぜひ自分の日本でのリサイタルの伴奏をして欲しいと頼まれ、同行することになったそうです。そして私は彼からこの演奏会のために来日するという連絡を受け、正月にも関わらず、西宮まで日帰りで行ってきたのです。

彼のピアノは今まで何度も聞いてきていますが、実は声楽の伴奏をするのはこの日が初めてでした。しかし、私の予想を遥かに上回るほど素晴らしいものでした。一言で言うと完璧です。非常に速いパッセージも多く、かなり難しい編曲の曲もありましたが、私の聞いた範囲ではミスタッチや歌とずれた箇所は1つも無かったのではないでしょうか。時に激しく時に優しく、歌と一体化し、凄まじい存在感を示しながらも決して小川嬢の歌を邪魔しないというのは、なかなか出来ることではありません。昨年ザルツブルク音楽祭でアンナ・ネトレプコのリサイタルの伴奏をしたダニエル・バレンボイムの名人芸を思い出しました。私も何かの機会にぜひ1度伴奏をしてもらいたいと本気で思いました(笑)。

今年の3月に第2回高松国際ピアノコンクールが開かれますが、その時に再来日をしてもらい、3月20日(土)には高松のサンポートにてリサイタルをする予定です。その前後に東京でもぜひ1度弾いてもらいたいと思っていますので、現在検討中です。

この1月3日は早朝に家を出て、帰ってきたのは夜中になってしまいましたが、西宮では弊社オペラツアーの関西方面のVIPのお客様たちと楽しく食事をしたり、演奏会の後はロイヤルチェンバーオーケストラの永武氏とパヴェルのコンサートの打合せをしたりして、年始早々とても充実した日になりました。
by hikari-kozuki | 2010-01-14 14:33 | Concert | Comments(0)
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