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ヴェネツィア・フェニーチェ劇場4月26日「マリア・ストゥアルダ」
G/Wは4月25日から11日間、イタリアに行っていました。もちろんオペラ等をいろいろと見てきましたので、その模様をレポートします。

まずは4月26日(日)のマチネで上演されたドニゼッティの「マリア・ストゥアルダ」。
このオペラは、1834年、創作活動に最も脂が乗っていたドニゼッティがナポリのサン・カルロ劇場から依頼されて書いたもので、彼はこのシラーの悲劇を選びました。
この作品は、実在のスコットランド女王メアリー・スチュアートに基づく実話で、彼女とイングランドのエリザベス1世との対立、そして最後に処刑されるまでが描かれています。この作品と「アンナ・ボレーナ」「ロベルト・デヴリュー」を合わせてドニゼッティの女王3部作とも呼ばれているのです。

さてこのプロダクションですが、トリエステのヴェルディ劇場、ナポリのサン・カルロ劇場、パレルモのマッシモ劇場との共同制作で、演出はドニ・クリエフ。舞台は1幕から3幕まで階段に3~40の円柱が立っているだけの至ってシンプルなもの。その円柱が出たり引っ込んだりして舞台転換を表している。2006年、2007年のヴェローナの「ナブッコ」も鉄筋だけを組み合わせたようなシンプルな舞台で、このように抽象的な枠組みだけを舞台上に用意するのは彼の得意とするところなのでしょう。

キャストはBキャストだったので、Aキャストのチェドリンス、ガナッシ、ブロスのようなビッグネームはいませんでした。エリザベッタはメッツォのマリア・ピア・ピシテッリ、マリア・ストゥアルダにソプラノのマリア・コンスタンツァ・ノチェンティーニ、ロベルトにテノールのダリオ・シュムンクというキャスト。ノチェンティーニは、持っている声は良いのでしょうが、1幕から張り切りすぎてしまったようで、だんだんと尻つぼみになってしまい、3幕のフィナーレはかなりギリギリな状況になってしまいました。シュムンクは、レッジェーロなテノールで、滑らかでなかなかの美声の持ち主ですが、残念ながらちょっと声が小さすぎ。フェニーチェ劇場くらいのサイズでも平土間の後ろまではなかなか声が届きにくく、小さな劇場向きのテノールだと思います。

というように、Bキャストであったこともあり、素晴らしいキャストとは言えないかも知れませんが、イタリアのオペラハウスの中でも屈指の劇場の1つであるフェニーチェですので、合唱やオケや脇役のレヴェルは高く、公演自体の質はなかなか高いものでした。
by hikari-kozuki | 2009-05-11 14:07 | Opera | Comments(0)
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