四季を感じながら丁寧に暮らすために知っておくべき日本の年間行事・イベントのおさらい【3月編】
2016年 02月 17日
春一番が吹いて、いよいよ春の到来を感じる今日この頃。3月に入ると春のイベントや行事も増え、街も人も春仕様に変化していくのが わかりますね。
3月は旧暦で弥生(やよい)と呼び、草木がいよいよ生い茂る月という意味を持っています。 他に、花月(かげつ)、嘉月(かげつ)、花見月 (はなみづき)、夢見月(ゆめみつき)、桜月(さくらづき)、暮春(ぼしゅん)等の別名もありますが どれも春を感じさせる字が当てはまりますね。
今更だけど「そうだったんだ!」「へー!」が連発!意外と知らない、3月の日本の年間行事、イベントの基本をまとめました。
「ひな祭り」の歴史。実は女の子のお祭りになったのは江戸時代からでした。
3月3日の「ひな祭り」。ひな人形を飾り女の子の健やかな成長と幸せを願う行事ですね。
ひな人形は女の子の「初節句」の時に、嫁方(ママ)の親が子供の身代わりとなって災いが降りかからない様に、という願いを込めて 贈られる人形です。 しかしこの行事が「女の子のお祭り」の形になったのは江戸時代に入ってからなのだそう。 ひなまつりのもともとの起源は、300年頃の古代中国の「上巳節」。 季節の変わり目は災いをもたらす邪気が入りやすいと考えられていたため、3月上旬の巳の日に水辺で穢れを祓う習慣がありました。 その習わしが日本に伝わり、室町時代の「流し雛」(紙で作った人形で体をなでて穢れを移し、川海に流すことで無病息災を祈ったという風習)や ひいな遊び(人形遊び)とが結びつき、貴族の間で人形を飾り、祀る行事に発展したと言われています。
そして江戸時代に入り「上巳の節句」が五節句のひとつに仲間入り。 5月5日の「端午の節句」が男の子の節句に対して3月3日は女の子の節句とやや無理やり(?)ではありますが定着しました。
ちなみにひな人形を飾る時期は立春を過ぎてからが一般的。今年も日本全国でひな祭りのイベントが開催されていますね。 happysweet1205さんが投稿した「可睡斎ひな祭り」もそのひとつ。中でも32段1200体のひな人形は圧巻ですよ!
ひな祭りに食べる定番メニュー「ちらし寿司」「はまぐりのお吸い物」のホントの意味
ひな祭りの日に食べるごちそう言えば「ちらし寿司」「はまぐりのお吸い物」ですね。
子供の頃は当たり前のように食卓に運ばれて喜んで食べていましたが、じつはこの華やかなごちそうにもちゃんと意味がありました。 それは今も昔も変わらない、娘を大事に育てたいという親の優しさでした。
「ちらし寿司」
ちらし寿司と言えばテレビでもCMが流れるくらいひな祭りの定番メニュー。しかしひな祭りとちらし寿司には実は深い関係はないのだとか。ではなぜ定番化したのか。それは「具」にひみつがありました。 「寿」と「司」という縁起のいい言葉が含まれているお寿司はもともとお祝いの席に並ぶ縁起物でした。その縁起物の具材に女の子のお祭りにちなんで「海老→長寿」「ハス→見通しがきく」「豆→まめに働ける」「菜の花→春らしさ」…という意味を含めて混ぜ合わせ、華やかに演出したのがちらし寿司を食べるようになったきっかけなのだそうです。
「はまぐりのお吸い物」
お吸い物と言えば、お寿司とセットで出される相性のいい一品ですね。しかし合うだけではなく、そのお吸い物にはまぐりを使う事で大きな意味を持つというのです。はまぐりのような二枚貝は、対の貝殻しか絶対に合わないことから昔から貞操を象徴していると言われています。お吸い物にはまぐりを使うことで女の子が何事にも相性の良い結婚相手と結ばれて、仲睦まじく過ごせますように!という願いが込められているのだそう。盛りつけるときは、開いた貝の両側にそれぞれ身をのせるとさらに良いらしいですよ!
意外と知らない人が多い?!春のお彼岸には「ぼたもち」をお供えするのが正解
「お彼岸」とはご先祖さまや自然に感謝をささげる仏道精進の期間で日本独自の仏教行事。 子供のころにお寺の法要やお墓参りに行き、感謝の気持ちで手を合わせた事がある方は多いと思います。 さて「お彼岸」の時に仏壇にお供えするお菓子と言えばおはぎを思い出しますが、春のお彼岸と秋のお彼岸で おはぎには違いがある事をご存知でしょうか?
じつはもともとは秋のお彼岸で食べる方を「おはぎ」と呼んでおり、春のお彼岸に食べる方を「ぼたもち」と呼ぶのが正解です。 これは餅を包んでいる小豆の違いに基づいており、収穫時期の秋に採れる小豆は皮が柔らかく味わい深いためそのまま粒あんで餅を包み、一方で 春になって皮が固くなり食感が悪くなった小豆は皮を取り除いてこしあんで餅を包むようになったことからきています。 また、それぞれの季節の花に例え春に咲く牡丹から「牡丹餅」、秋に咲く萩から「お萩」と呼ぶそうですね。(諸説あり)
ちなみに2016年の春の彼岸入りは3月17日、中日は3月20日、彼岸あけは3月23日となっています。 最近では春秋関係なく粒あん、こしあん両方ともお店で並ぶ事が多いのですが、今年の春のお彼岸はぜひ「牡丹餅」を選んでみてはいかがでしょう? スイーツブログで人気のナマダさんがご紹介する池袋の和菓子屋「すずめや」のぼたもちも美味しそうですね!
春分の日は「自然を称え、将来のために努力する日」として定められた祝日?
春分の日と聞くと字の如く、いよいよ春本番!という気持ちになりますね。
春分の日とは本来「自然を称え、将来のために努力する日」と法律で定められた祝日で 古来より人々はこの日を春の訪れを祝い、自然への感謝、そして祖先に感謝をするお祭りを行ったと言います。 また天文学的には昼夜の長さが等しくなる日でもあるため、その現象によって冬眠から動物が目覚めたり、生命がみなぎる様子に 自然界の不思議なパワーが宿っているとスピリチュアル的な見方もされていたのだとか。
ご紹介するこちらのブログは2015年の春分の日の新宿御苑の様子。早くも彼岸桜としだれ桜が咲いていたようです。 今年の桜はいつ頃咲くのでしょうか?今から待ち遠しいですね!