下北沢つづき。

下北沢を象徴した愛着のある景色がまた一つ、姿を消す。

下北沢南口、一番商店街を下り、茶沢通りに下りていくと現れる名所。骨董・アンティーク『露崎商店』。2階は様々な人気喫茶が入り、通われた方も多いのでは? タクシーが山手通りで渋谷に抜けるあの路地の入口。大きな桜の木に下に立つ、大正デモクラシー後の昭和の香りを漂わせていたあの和洋折衷の館。

昭和12年=1937年。BRASILじゃぁ不世出の天才Samba作曲家、Noel Rosaが27歳の若さで他界した年。リオのCarnavalではVizinha Faladeiraが優勝。Portelaは2位、Cartola率いるMangueiraが4位にとどまり、Carmen Mirandaはいよいよハリウッドへ旅立つ前だ。
日本では山本有三が『路傍の石』の連載をはじめ、ヘレン・ケラーが来日。スペインでは内戦が激化、フランコ将軍が各地を制圧。フランコの支援を受けるナチス・ドイツ空軍がVASCO(バスク)地方のゲルニカを空襲。パリ万博でパブロ・ピカソが『ゲルニカ』を発表。 また、7月には盧溝橋事件が起き、いよいよ日中戦争がはじまった年。

その後、太平洋戦争~第二次世界大戦へ。 露崎商店は米軍機B29による東京大空襲は免れたのかな?

色々な時代を見つめ、そのハイカラな建物を守る露崎さん一家と共に、時代の景色として親しまれてきた
露崎商店。 年内で内部の喫茶店も全て閉店。 2月には取り壊されてしまうとのこと。

長い間、ありがとうございました。 これからは、その情感は我々、体験した人たちの心の記憶に・・・
↑ あの桜の木も切られてしまうのかな、、