怪しい面々が集う薄暗い居酒屋の片隅で、
その衝撃的な告白は始まった。
「俺この前、大分に行ったんだけどさ、実は大分って麺不毛の土地なんだ。
タウン誌なんかを見ても、よそからの流入ばかり。
ところが、帰りに空港の郷土料理屋に寄ったら大分のうどんがあるっていう。
俺はうれしかったね。なんだ、やるじゃないかって。
で、さっそく注文したら、これがマズいのなんの」
「穏やかじゃないですね、椎名さん」
「だってさ、きな粉にヒモカワをまぶしたような麺だよ。
2、3本食って向かいのラーメン屋に直行しちゃった」
「き、きな粉にヒモカワって、なんなんですか?」
「きな粉が入った普通のどんぶりに平たいうどんが入ってんの」
「麺は温かいんですか? 冷たいんですか?」
「温かい」
「つゆは?」
「つゆはなし。不思議だろう? だからおねえちゃんに聞いたの。
“これどうやって食うんですか”って。そしたら
“そのまま食べるんです”」
「味は?」
「やや甘い(笑)。
いやはや、この衝撃は伊勢うどん以来だよ。
このうどんの名前は“やせうま”っていうらしい。
正体を知りたかったら、またおねえちゃん聞いてみた。
“やせうまって何ですか?” すると、
“私も知りません。鹿児島だから”
大分の麺100選とか、そういう本を見ても“やせうま”はまったく出てこない。
いったいなんだ? この“やせうま”ってのは?」
というわけで、やせうまの正体をご存じの方、よろしくお願いいたします。
もちろん、やせうま支持派の反撃も大歓迎。
残念ながら今回は画像がありませんが、その分、
やせうまを知らない人は想像して楽しんでみてください。
また、こんな奇麺珍麺情報もどしどしお寄せください。
椎名さんいわく、「麺の甲子園」は
春雨、クズきり、糸こんにゃく、もやし(7cm以上)など
何でもあり、だそうですよ。
(レポート:海仁)