小説新潮で「麺の甲子園」の取材をスタートしてほぼ1年。
この間、椎名さんは北海道から九州まで
ひたすら各ブロックの強豪を求め、全国を飛び回ってきました。
今回は麺甲企画ほぼ1周年を記念して、
激しい地区予選のなかで会得した、椎名流
地方でのおいしいお店の見分け方を2回に分けてご紹介いたします。
(以下、椎名誠談)
………………………………………………………………
麺の甲子園の取材では
事前に評判のいい店を調べてから行くんですが、
なかにはそれほどおいしくない店もあります。
そんなふうに地方の店をたくさん回るうちに
ぼくなりにいくつかの原則を見つけました。
知らない土地でお店を探すときは、
期待と不安を胸に抱きつつ
遠くからじわじわと接近していきますよね。
同じようなやり方で、外堀から攻めていくと、
まずは
駐車場です。
駐車場は広ければ広いほどいい。
といっても、あくまで単独店の場合で、
ファミレス風のチェーン店にはあてはまりません。
老舗の単独店で、第二、第三の駐車場があればなおよし。
そんなお店はタイヘンに期待が持てます。
駐車場に車を停めたら、お店に入るわけですが、
その前にもうひとつ見るべきところがある。
それは
のれん。そこそこ汚れている店がおすすめ。
お客さんがいっぱいくぐった証拠ですから。
のれんの場合は「そこそこ」というところがポイント。
とても汚いのは単に不精で不潔なだけの可能性がある(笑)。
そんなお店はたいがい大ハズレです。
このへんがムズかしいといえばムズかしいかな。
のれんをくぐったら、もう後には引けないんだけれど(笑)、
その先もちゃんと言っておきましょう。
(つづく)
(レポート:
海仁)