
「西川、本当に大丈夫か?」
「シーナさん、大丈夫ですよ。ソーメンぐらい作れますって」
残念ながら、林さんが不参加の雑魚釣り隊。
猛暑の三浦半島の荒崎で、
ソーメンを作ろうとしたドレイ頭こと西川さんに
椎名さんが疑いの目を向けた。
スルドい視線がマジに突き刺さってる。
「オレはな、ソーメンにはこだわりがあるんだよ。
でっかい鍋にたっぷりの湯を張って一気にゆでる。
そいつをすぐにキンキンに冷やして食うのが正しい食い方。
ソーメンはこういうふうに野外で食うのが一番うまいんだから、
ゼッタイに失敗すんなよ。わかったな」
さて、西川さんが作ったソーメンをひと口食べた椎名さん。
とりあえず合格点を出してから、何かひらめいた様子。
おもむろに前夜に釣って干しておいた
一夜干しの焼きイカを手に取ると、
ハサミでザクザク切ってつゆに入れ始めた。

「なな、ナニするんですか? シーナさん」

「こうやってイカをすすったあとにソーメンを食うと、
つゆにイカのダシが出てうまくなるぞ。お前も食ってみろ」
「!」
「どうだ、西川、イケるだろう」
「こいつはイケますね!」
香ばしい焼きイカダシのつゆで食べる
真夏の野外ソーメンは格別。
しょうゆマヨに並ぶシーナ麺の名作として
長く語り継がれることでしょう。
以上、シーナ流野外”イカ”ソーメン誕生物語でした。
(レポート:
海仁)