LT11:30 UTC04:30 日本時間:2月14日 01:30
緯度:55-20,7S 経度:64-28,7W
天候:O 風:南西2、5kt 気圧:993hp 気温:12度 コース:71度 艇速:3,8kt
昨夜、無事ケープホーンを越えました。
本当にありがとうございました。
お礼申し上げます。
昨日の夕方から風が強くなったり弱くなったりで大変でした。
波は高く5~7m。
久しぶりの南氷洋といった感じです。
風も27~47ktと安定せず、セールチェンジに忙しかったです。
しかし、LT19時半、ケープホーンを越え、無事に大西洋に入りました。
これで3回目のケープホーンですが、夜に通過するのは初めてです。
おかげで、2つの灯台の灯り、空にはいっぱいの星、海面は大波と、
ダイナミックなホーン越えとなりました。
これもおつかなと思います。
ここまでは本当に大変でした。
我慢の南氷洋です。
いい修行になりました。
ちょっときつすぎたかな?
これからも難しい風になりそうです。
こんなこともあるのですねと、実感しています。
でも、氷山にぶつからなかったし、船がひっくり返ることもなかったし、
大きなダメージもなかった。
それは、感謝しないといけません。
今までとっておいた「八海山」をあけました。
まず、太平洋の神様にありがとう。
大西洋神様によろしくお願いします。
ユーコーにありがとう。
皆さんにありがとう。
下がって、私にいいことがありますように祈りました。
そういえば、八海山を開けたとき、「オケラ五世の匂いだ!」と、脳みその奥に響きました。
そうなのです。
僕が修行中、多田さんの船はいつもこの匂いがしていたのです。
久しぶりに一瞬、あの懐かしく楽しかった頃、
多田さんとオケラ五世に乗って居るような感覚になりました。
タイムスリップした感じです。
不思議でちょっと暖かい体験をしました。
一夜明けて、今度は、微風に苦しんでいます。
風がありません!
写真の通りです。
そんなことって、あり!?
昨日とは別世界です。
これほど違うものかと思います。
自然の厳しさをまた感じました。
どうやらこの船は、強いか、弱いか、どっちかに当たりますね。
ちょうどいい風を体験していません。
中道が一番なのです!
それでも心は、いつか良い事があるだろう、いつか良い風が吹くだろうと、希望を持っています。
そういえば最近の先生は「君たちに夢と希望を持ってもらうのが僕らの仕事だ」と、
言わなくなりましたね。
大人たちもそうです。
皆さん、恥ずかしがらずに、もっと声を大にして言いましょう。
生きるうえで一番大切な事です。
私も夢と希望でどんな局面も乗り越えてこられました。
この世界一周レースで、一人でも多くの子供や若者たちが「夢と希望」を持ってもらえば、
この命、懸ける価値はあります。
まだ半分!
さぁ、これからも「天、水の如く」を心中に、がんばります。
康次郎
写真:白石康次郎(撮影:CANON EOS KISS デジタルX)