康次郎のボルボ日記No12 天城越えの巻
伊豆の林道を走りに行った。
伊豆は観光地のイメージがあるが、実は意外と山が深い。
かつて自衛隊がレンジャー訓練をしていたところである。
私もかつてアドベンチャーレースをしている時、ここで3日間寝ずに走り回っていた。
後に日本で最も過酷な「伊豆アドベンチャーレース」を開催した。
伊豆は海、山、川、滝、ブッシュ、林道、全てが揃っている。
よってこのVOLVO XC60の性能をフルに発揮できる場所だ。
嵐の中、日が傾いてきた。
暗い林道に入る。
このとき便利なのが、アクティブ・ベンディング機能付デュアル・キセノンヘッドライトである。
従来のハロゲンタイプの約2倍の光量を実現し、コーナリングに合わせて左右に15度自動的に照射角度をコントロールしてくれる。
特に曲がりくねったくらい林道にはその威力を発揮してくれる。
カーブの先を明るく照らしてくれるのだ。
その安心感は素晴らしいものだった。
最後にループ橋を超えて、天城峠を越えた。
天城越えといえば石川さゆりの歌や松本清張の短編小説を思い浮かべる人も多いだろう。
私は、この古いトンネルができる前に、思いを馳せた事がある。

伊豆アドベンチャーレースのコース設定をしている時に、トンネルではなく本当の天城峠(山道)を越えた事がある。
伊豆の山々はとても険しく、アップダウンが激しい。
150年前、日本に海の向こうから黒船がやってきた。
その時、日本を強くするために外国に行って学ぼうと、この山を越えたものがいる。
そう、吉田松陰である。
失敗すれば切腹!
私は、険しい峠に、立ちながら、吉田松陰は切腹覚悟でこの峠を越えて行ったのだと、考え深いものがあった。
吉田松陰はその思いを果たせなかったが、私は下田からペリーの故郷であるニューポートまで一人ヨットで海を渡り、夢を果たした。
年代は違えども、その志の熱き思いを感じえずにはいられなかった。

康次郎