エキサイトイズム

ドイツのトラッドなキッチン

思い出を大切にする
おばあさんのキッチンといえば、
聞こえはいい。
まるでか細いおばあさんが住んでいるかのよう。
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けれども訪ねた家では威風堂々、
いかにもドイツ人女性らしい豊かな体格の
彼女が凛とした様子で迎えてくれた。

そして彼女はドクター。
ドイツでドクターと言えばお医者さんではなく、
博士号を持つ社会的にも権威のある存在である。
彼女がドクターと知ったなら、ドクターと呼ぶべきが正しい。
そんな彼女の誇りの高さが、空間に満ち満ちている。
法廷でかなりの要職に付いていた彼女は70代で
退職後は一人暮らしをしている。

デュッセルドルフ市内の90平米ほどのマンション。
もちろん日本のようなツルピカではなく、
古い石造りの建物。
エレベーターはない。

ドイツのトラッドなキッチン_a0116902_22302121.jpg
彼女の家は先祖代々受け継がれていた
家具やアートがところ狭しと
並んでいる。

キッチンの話はほとんどせずに、
18世紀の名誉あるアートや文書、
オブジェの説明を始める。
そして家族の写真。

ドイツのトラッドなキッチン_a0116902_22353522.jpg
ドクター、お料理はしますか? 
―私は30年間、法廷で働いてきたのよ。
キッチンで料理するより、
今だって、デスクワークをするほうが
性にあってる。

ドイツの食事はパンとコールドミートなど
簡単なもので済むので、
あまり料理はしなくても不便はない。

ドイツのトラッドなキッチン_a0116902_22322476.jpg
ドクター、キッチンで一番大切にしたことは? 

―深い扉の色よ。
キッチンの壁に飾っているお皿や小物を見て。
ずっと長く使ってきたものよ。
キッチンやダイニング、リビングの家具もみんなそう。
その長い時間の醸し出すものに似合うものであること。
それがキッチンの条件ね。

料理の機能や食べる場所と言うよりも、
彼女の紡いできた歴史の中の
一部であることが大事。
そんなキッチンもある。
by kitchen-kokoro | 2011-01-31 22:35 | 海外出張 | Comments(0)

キッチンジャ―ナリスト、エディター&ライターとして編集や取材執筆にたずさわる、本間美紀のブログです。キッチン、暮らし、インテリア、住まい、食、デザインをつなぎます。
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