エキサイトイズム

トーヨーキッチン&リビングについて考えた

トーヨーキッチン&リビングの渡辺孝雄社長が
ブログnabe forumの中の記事で先日の新刊に触れてくださった。

nabe forum 本間美紀さんのキッチンの本


その中にある質問があり(渡辺氏のブログ参照のこと)、
私も改めて考えてしまった。
でもその答えはこうかも。

トーヨーキッチン&リビングについて考えた_a0116902_2137516.jpg
トーヨーキッチン&リビングは、
家具、インテリア、キッチン業界という範囲の中では
「今ある」ジャンルの中に入らない企業だと思う。
一つの新業態ともいえる。
だからどこにも入らない…。
だって、どこに入りますかね〜。
いわゆる住宅設備とは違うし、
オーダーでもカスタムでもないし。
クチュリエ系というほど、規模が小さいわけじゃない。
じゃあただシステムキッチンっていうのもねえ…。
どうでしょうかね、渡辺社長wwww。

トーヨーキッチン&リビングについて考えた_a0116902_21371379.jpg
まずベースはきちんと量産される「プロダクト」としてのキッチン。
頻繁に廃番、モデルチェンジされる日本の量産キッチンと違い、
一度つくりあげたモデルは長く売り続けられる。
(ino、isola、core、bay、portoと大きく5つのゾーンがある)。
これはデザインが流行や市場のはやりすたりに
影響されないため、できることかと思う。

またサイズは住まいの中心に置くキッチンとして、
新しい動線を考えたモジュールに即していて、
サイズの種類は意外と絞られている。これもユニーク。

また扉材も妙なパステルカラーやいわゆる捨て色、
ナントカ風カントカ調のそれっぽい柄は一切なく、
まるでファッションのように、
ブランドとしての「顔」が出るように
扉材の色柄は厳選されている。
カーボンファイバーやステンレスのアラベスク柄、濃厚な木目…。
メーカーでなければつくりあげられない独自の柄を持つ。
(この辺はオーダーキッチンにはできないところ…)。
むやみに色柄の数を競うことはない。
(一般的にメーカーキッチンの記事を書くと、
色柄は◯種から選べるとアピールしたい、
という要望が非常に多いのだが…)

深い深いシンクは、
いろんなマスコミに「大きいだけ?」と誤解されがちだけれど、
ここが実はトーヨーのキモで、このシンクの中で
3段調理ができることで、キッチンの雑然さを隠す。
だからインテリアと一体化する美しい空間が成立する。
そしてこのシンクをつくれるのは長年のステンレスの
技術があるからなのだ。

もちろん深い多層シンクの使用感の評価は、
人によって分かれるところと思うけれど、
「動線0」の発想は世界でも、
それまでなかったと思う。

そして売り方。
いわゆるオシャレ系家具ショップでも
住宅設備的なキッチンメーカーのSRとも違う…。
特に最近は、家具と照明やタイルを積極的に輸入して、
インテリア業界からも注目されている。
トーヨーキッチン&リビングについて考えた_a0116902_2138526.jpg
キッチンのオマケ的な家具ではなく、
どれもが主役を張るレベルのブランドを選んでいる。
自社のキッチンが、それらの品質やデザインと釣りあうからできること。
(考えてみれば、日本のメーカーキッチンが、ハイメ・アジョンの青いつやつやの
塗装の家具や、イタリアンモザイク、英国のデザイン家具と釣り合うなんて、
それだけの質感、品質を持てるところは少ない)。
ま〜時々、羽根の生えたブタさんとか、
ガラスのドクロとかも売っていますが(笑・でも意外と人気で売り切れるそう)。

トーヨーキッチン&リビングについて考えた_a0116902_21372472.jpg
また購入理由も、
まずトーヨーの提案する意志がはっきりとあって、
それを「自分のものにできる」人が買う、みたいな感じですね。
それはちょっとファッションや車のブランド力に似ていて、
「着こなせる」「乗りこなせる」人が買う。

じゃあ、敷居の高いデザインキッチンなのかと言えば
そういうことでもなく、
全国にショールームを持ち、営業マンがいて、
ハウスメーカーの物件でもマンションでも
日本の暮らしにリアルに導入できるものになっている。
値段は得られる空間に比すれば、
「お得」といつも思う。

なので、ほんと、どのジャンルにも
入らないですよね…。

ということでこの記事は
トーヨーのキッチンをむやみに褒めているとか
そういうことじゃないです…。
客観的に見ると、こういうメーカーなのだと思う。
「従来のメーカーのジャンルに入らないので、
やはり誤解されることも多いですよ」と
広報G嬢も苦笑い。

それにしても、
こうやっていろんな意見を
オープンに交わすことができることが素晴らしい…。

ほんと、偶然だけど、来週はそんなトーヨーのキッチンを
採用した住宅の取材に伺う予定!


※このようなメーカーやオーダーキッチン深堀りシリーズは
他のブランドやメーカーでもやってみたいと思います。
ずっとやってみたかったけど、キッカケがなかった!

by kitchen-kokoro | 2010-11-29 21:41 | キッチン | Comments(1)
Commented by Marcie at 2010-12-01 17:24
こんにちは
本間さんのキッチン本愛読しております。
10月に中之島デザインミュージアムで行われたトークショーも
参加させていただきましたよ~
とっても参考になるお話しありがとうございました。

近々家を新築するにあたり
どんなキッチンにするか悩んでいるところです。
キッチンハウスやクチーナのようなカスタムキッチンが気になるところ・・・

メーカーやオーダーキッチン深堀シリーズ
ぜひぜひお願いします。

キッチンジャ―ナリスト、エディター&ライターとして編集や取材執筆にたずさわる、本間美紀のブログです。キッチン、暮らし、インテリア、住まい、食、デザインをつなぎます。
by Miki
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

画像一覧

最新の記事

ブログ
at 2022-01-24 23:43
2019年秋のイベント予定です
at 2019-11-03 09:04
最新刊「人生を変えるINTE..
at 2019-06-29 21:18
2019ハッピーニューイヤー
at 2019-01-07 20:08
ものすごい久々ですけどセミナ..
at 2018-10-29 11:13

外部リンク

ブログジャンル

住まいとくらし
建築・プロダクト

検索

ブログパーツ

  • 掲載の写真の転載不可。

ファン

Copyright © Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
免責事項 - ヘルプBB.exciteWoman.exciteエキサイト ホーム