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映画で文法?―「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド」
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先日、あるところで英語の「冠詞」の話をしました。この名詞には、aがつくのか、theなのか、まったく要らないのか、「冠詞」の習慣のない日本人は本当に困ってしまいます。

私のお勧めは、基本をしっかり頭に入れた上で、新聞や映画のスクリプトを読んで例文を探すこと。はっきり言って、新聞は紙面上、冠詞を極力省く傾向があるし、映画は会話なので多少文法が間違っていることもある。

でも、これが基本的にネイティブが普通に使っている冠詞の使い方なのですから、似たような使い方に何度も出くわす場合、それはほぼ間違いないのです!

たとえばtimeという名詞は、普通は不可算で使いますね。Do you have time for coffee? (コーヒー飲む時間ある?)というふうに。

では、先週公開の「パイレーツ・オブ・カリビアン  ワールドエンド」のスクリプトより、いくつか別の例を探してみましょう。

There was a time when a pirate was free to make his own way in the world.
(昔は、海賊一人が世界を牛耳ることもできたのさ)というBarbossaの台詞。

この場合、a timeは「~な時期」という意味で、「過去の時間の中のひとつの時期」を表しているので不定冠詞がつきます。理屈は抜きにしても、a time when~という形の文は新聞でもよく見かけますよ。

一方、ウィルがエリザベスにプロポーズする?

結婚を申し込むときの決まり文句、Will you marry me?というウィルの問いかけに対して、でも今はそれどころではない(どうやら戦っている最中らしい?)彼女の答え

I don’t think now’s the best time! (今はちょっとね)とエリザベス。

Now may be the only time! (今しかないかも・・・)とウィル。

ご存知のように、the best, the onlyがつくときは、ある特定の時間を指していますから、theが絶対につくんですね。

「日本人の英語」で有名なマーク・ピーターセンいはく、名詞にa, theがつくと考えるのではない。文脈が自然にそれを決めると。それ正しいです!

小難しい話になってしまいましたが、ちょっとしたコツで文法は難しくありません。映画で楽しく学ぶのも悪くないですよ。

写真は、今月ボストンを訪れた夫が撮ってきた一枚。(すごくいいショットでしょ!)
by kerigarbo | 2007-05-30 08:19 | Comments(2)
Commented by OGA at 2007-06-03 01:42 x
Keri先生、お久しぶりです。覚えていらっしゃいますか?最近は学校でもお目にかかる機会が無くて・・・(笑)
久しぶりに先生のブログを拝見しましたが、今意味論とか認知言語学をかじっているので、今日の話はとても興味深かったです。「名詞にa, theがつくと考えるのではない。文脈が自然にそれを決める」っていうのは、いかにもって感じがします。確かに冠詞を始めとする日本人に難しく思える文法は、英語圏の文化や考え方が素直に現れていると思います。
Commented by kerigarbo at 2007-06-04 09:47
ogaくん、お久しぶり!君も「言語の世界」にはまっているのですね。

最近は、英字新聞や雑誌の講読中も、冠詞や前置詞の使い方が気になって仕方ない私です。皆さんのためになるような本がそのうち書けるといいなと構想中ですが。

では、これからも勉学に励んでください!大学で見かけたら声かけてね!
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