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「パストライブス/再会」静かなる感動を呼ぶ―What if?の物語

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念願の「パストライブス/再会」を観てまいりました。

静かなる感動を呼ぶとは、まさにこの映画にために用意された言葉でしょう。派手な演出はなく、バックグランドには写真のように美しい映像と水のように静かに流れる音楽。NYとソウルという2つの都市を舞台に、運命とは何か、夫婦とは何かを私たちに問いかける作品でした。以下に拙感想と英語台詞をいくつかご紹介します。
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舞台は2か所。NYにはそれぞれが脚本家、作家として成功した仲の良い夫婦ノラ(グレタ・リー)とアーサー(ジョン・マガロ)。一方の韓国ソウルには24年前別れてからずっと幼馴染(ノラのこと)に思いを傾けてきたヘソン(ユ・テオ)がいた。長い年月の途中にはSNSを通じた再会もあるのだけれど、ついにヘソンは24年の月日を経てノラに会うためにNYへやって来る。

このとき、すでにノラは結婚している。夫アーサーは、穏やかな日常に突然妻の初恋の相手が登場したのだから内心穏やかではない。ヘソンと再会して家に戻ってきたノラ。やや複雑な妻の表情にアーサーは何かを感じとっている。沈黙に耐えきれずにアーサーが質問。

"Is he attractive?"(彼は魅力的か?)"Did he miss you?"(彼は君のことが恋しかったのか?)

ノラは夫の質問を巧みにかわすが、もしchildhood sweethearts(子供時代の初恋同士)が20何年後に再会し、そこでWe are meant for each other.(お互いは結ばれる運命だった)と感じとってしまったら?—とアーサーの心は微妙に揺れ動くのだった。

そしてついに自分たちの出会いにも疑問を投げかける。何のために自分とノラは今ここに一緒にいるのか。お金のため?グリーンカードのため?

"What if you met somebody else at that residency?"(君があの館で別の男に会っていたらどうなっていただろう?)*館とはノラとアーサーが初めて会い、恋に落ちた(作家たちが集う)宿のこと。アーサーの心の中のWhat if?は留まることを知らない…

とここまで書くと、アーサーは嫉妬深い嫌な男と思うかもしれないけれど、決してそうではない。妻を心から愛し、大事なパートナーと思っている。彼女の仕事も成功も心から大きな気持ちで喜べる男だ。

一方のヘソンもノラとWhat ifの会話をする(会話はすべて韓国語だけれど)。あのとき君がソウルを去らなかったら?What if...

また本作は、「言語や文化が異なる夫婦」という設定にも焦点を当てている。頑張って韓国語を習い、彼女を理解しようと努めてきたアーサー。でもヘソンの登場で心が揺らいだ彼は妻にこう言う。

"You dream in a language I can't understand. "(君は僕の理解できない言語で寝言を言ってる)"It's like there's this whole place inside you I can't go."(僕が入っていけない世界が君の中にはあるんだ)

この辺は泣けますね。さてこの三角関係(と言うのかな??)がどうなるかは、映画の中でお楽しみください。とくにクライマックスとなる映画のラストはお楽しみに。

最後に、自らの体験を映画化したというセリーヌ・ソン監督。素晴らしい才能の塊です。そして3人の俳優、グレタ、テオ、ジョンにも拍手喝采。どうしてあのような自然で抑えた演技ができるのだろう?だから映画が終わったあとの余韻が半端ないじゃないか…(涙笑)。

ここで下手な解説は終わりにしますが、残りはご自分の目で確かめてくださいね。

グレタ・リーさんは最近ハリウッドで存在感を増しているアジア系アメリカ人女優の一人。スリムな立ち姿、知性を感じる切れ長の目、どこから見ても美しい女優さんです。これからも注目したいと思います。

ではみなさん良い週末を!!


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by kerigarbo | 2024-04-19 14:18 | Comments(0)
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