|
![]() おひさしぶりです。どんよりとした日曜日。いかにも梅雨ですね。 今日は、先月91歳で亡くなった米国の絵本作家エリック・カールさんについて。 海外の絵本作家で、これほど新聞でもテレビでも話題に上る方は少ないでしょう。なぜなら私を含む多くの人が、一生に一度はカールさんの代表作『はらぺこあおむし(=The Very Hungry Caterpillar)』に出合い、癒され、励まされたことがあるからです。 月明かりの葉っぱの上に置かれた小さな卵、その後成長し、小さく大そう腹ペコなあおむし(a tiny and very hungry caterpillar)となり、毎日さまざまな果物やお菓子を食べ続け、一時は食べ過ぎて腹痛になるけれど、青い葉っぱを食べて元気を取り戻し、さなぎ(cocoon)になって最後は綺麗な蝶になる……というお話でした。 絶妙なストーリーに大胆な色使い、果物やお菓子に本物の穴が空いたポップアップ式絵本は、単に子供の目を引くだけでなく、言語発達の仕組みがほどよく組み込まれています(果物の数が段々と増えていったり、曜日が取り入れられていたり、フレーズの繰り返しがあったり。"he ate through one apple,... but he was still hungry...") その結果、世界で累計5,500万部売り上げ、70以上の言語に翻訳されるほどの超ベストセラーになりました。 この絵本の真意とは、多くの人が語るように、絶望のなかに見い出す「希望(=hope)」であると思われます。なぜならカールさんがドイツ移民の両親とともにNYを離れて移り住んだドイツは、当時ナチスの支配下にあり、まさにそこは「色のない、暗い世界(a colorless, dark world)」だったからでした。 そのような中、カール少年は密かに先生が見せてくれたカンディンスキーやシャガール、クレーの絵に影響を受けたと言われています。明るい色(bold colors)、希望に満ちたストーリー展開(hopeful story development)を好んだのには、そのような背景があったからですね。 これからも多くの読者を惹きつけること間違いなしですが、読者を代表し、こう言いましょう。 You'll be missed, greatly missed, Mr. Carle! *Someone will be missed.は、亡くなった方に対して「~のことをずっと思い続けるよ」という意味。 写真は、すっかりプクプクに成長したKくん(実物はもう少しほっそりしていますが、角度のせいかな?笑)が『The Very Hungry Caterpillar』に魅せられているところ。まだ2か月半でこのお話によく反応するらしいですから、カールさんの威力は半端でないかもしれません!! 近況報告ー最新のお知らせには☆がついています。 ☆英語教材のHPにて、連載エッセイ執筆中。3月2日に第4弾が出ました! 「発音の良い子を育てるために、親ができること(前編)」。後編のアップは(予定より少々遅れ)7月の予定です。 ☆ときどきしか投稿しない?インスタグラムはこちら。 お勧め既刊ーこちら からどうぞ!
by kerigarbo
| 2021-06-06 15:24
|
Comments(0)
|
![]()
以前の記事
2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 more... カテゴリ
最新のコメント
最新のトラックバック
関連リンク
【Keri先生のプロフィール】
光藤京子(みつふじきょうこ) 英語コミュニケーション・翻訳関連の執筆家・コンサルタント(TAS & コンサルティング)。会議通訳、翻訳ビジネス、大学講師の経験を生かし、これまで数多くの本を出版している。『働く女性の英語術』(ジャパンタイムズ)、『何でも英語で言ってみる!シンプル英語フレーズ2000』(高橋書店)のほか多数。最新書に『する英語 感じる英語 毎日を楽しく表現する』(ジャパンタイムズ)がある。 お気に入りブログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
![]() |
||
![]() |
||
|
ファン申請 |
||