7月12日から始まった舞台「蒼空時雨」。
18日、無事に終幕を迎えました。
まずは、来てくださったお客様に感謝。
そして、遠くから応援してくださった皆様に感謝。
支えてくれてありがとう。
今回の舞台は、本当に繊細で本当に素敵な作品が原作で。
初めて原作を読ませていただいた時に、心が震えたのを覚えています。
その時は、どの役をやらせていただくのか聞いていなかったので、まっさらな気持ちで読んだのですが。
涙が止まりませんでした。
こんなに悲しくて、こんなに切なくて、こんなに嬉しくて、こんなにあたたかい作品があるんだ、と。
出逢えてよかった、と。
心の底から、プロデューサーの辻さんに感謝しました。
その後、朽月夏音役を演らせていただくことを聞き。
単純に、やりがいのある役だなと思ったのです。
凛々しくてちょっと毒舌な「表の顔」と愛に溢れる女性らしい「素顔」を持つ、二面性のある役。
楽しそう!
舞台経験が多いわけではないけれど、普段やる役を考えると、結構得意分野かも!
と、楽な気持ちでいました。
が。
知ってしまったのです。
夏音がとても人気のあるキャラクターである事を。
彼女が主役になる、義理の兄との恋愛ストーリーが、原作ファンの皆さんにとても支持されている事を。
どうしよう。
重圧。
でも、そんな彼女を演じられる事はとても嬉しい。
なら、この気持ちを大事にして頑張ろうじゃないかと自分を奮い立たせました。
稽古が始まり、役と向き合う時間が増え、彼女や彼女の周りの人の事を考える時間が増え。
少しずつ「朽月夏音」が私の中に息づいてきて。
台詞を覚え、彼女の気持ちを理解できるようになって。
みんなで感情をぶつけ合って(役の上でね)。
「愛おしいな」
と、思ったのです。
一言では語れないけれど、彼女はとても複雑な感情を秘めている人で。
妹に対する優しさや義兄に対する愛や。
でも、それをストレートに表現できない、表現しない不器用さ。
本人はあえてそうしているのだけれど、外から見たらとても不器用だよ。
って、思って。
だからこそ、愛せる。
愛したい。
ぎゅーって抱きしめたい。
……拒否られるだろうけど。
夏音は、「愛する」ことは出来ても「愛される」ことは苦手なんじゃないかな。
とか、勝手に想像して。
それを表現しよう、と思って。
自分から触れるのは、義兄の稜くんだけ。
他の人には決して触れない。
(あ、一回だけ、やむを得ずあったけど)
視線だけ。
表情だけ。
特に、妹の風夏に投げかける視線は、とても難しかった。
大事に思ってるし、優しさからの行動だけど、計画を遂行するためには思いっきり怒らせなくてはならない。
愛を悟られてはいけない。
睨んだり、挑発したり。
風夏役のみーちゃん(平田弥里ちゃん)から、「すごくムカーッてする!」って言われた時は、すごく嬉しくて。
夏音のやりたい事や、夏音が風夏から引き出したい感情が理解できた気がして。
なんか掴めた気がした。
そこからもひとつずつ感情を探して見つけて考えて出してみて。
その繰り返し。
そして出来上がった、私の「夏音像」。
本番では、それを出し尽くしました。
いやな女を演じてる夏音を演じるのはとても楽しかった。
稜くんを大好きで愛が溢れちゃってる夏音を演じるのはとても幸せだった。
舞台は終わってしまったけど。
ずっとずっと大好き。
こんなに短期間だったのに、とても濃く彼女を愛せたこと、彼女と過ごせたこと、すごく幸せで。
彼女を生み出してくれた綾崎先生と、彼女と出逢わせてくれた辻プロデューサーに、言葉じゃ表せないくらい感謝してて。
彼女の魅力をぎゅっと凝縮して脚本にしてくださった吉谷さんと、私の悩みを聞いてくれて一緒に彼女を形成してくれた演出家の矢本さんにも、心の底から感謝していて。
幸せでした。
原作ファンの方からも、初めて見てくれた方からもご好評をいただけて、恐縮したりもしたけれど、やっぱり。
幸せでした。
本当に、関われて幸せだと思える作品でした。
またいつか逢いたいと。
そう願わずにはいられない、そんな作品でした。
またいつか。
逢えたらいいね。
次からは、大好きな仲間たちにスポットを当てた記事を書いていきます。
ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとう。
では、また。