被害の状況が徐々に明らかになり、また、予震や寒さ、原発の不安など重なる中、皆様に改めて衷心よりお見舞いを申し上げます。
infixファンであった方や関係者も被災されたり命を奪われたりと日々心が痛みます。
何故なのでしょうか…故郷、大牟田に帰る度に『命の尊厳』や『生きる事の意味』について深く深く考えさせられる重大な事態に直面します。
本来ならば、故郷でのんびりしたい所ですが、運命なのか故郷のそれも想い出に満ちた場所で人間の根本について考えさせられるのです。
命や人生、平和について歌って来た自分の足跡を見詰め直す機会にしなさい…と言われているかの様です。
奇しくも阪神淡路大震災のあの時も帰省した後で、放送現場の最前線におり愕然とし悲嘆に暮れながら放送を行いました…。
この度の九州新幹線開業イベントは最高の舞台と最新の音響とでリハの段階では開催がとても楽しみでありました。しかし未曽有の我々が直面した事がない様な災害、震災の状況が明らかになるに従って胸が締め付けられる様に痛み、到底安易な判断でイベント開催は出来ないという決断に至りました。
福岡や大牟田でも支援物資や義援金を速攻、有効に...決して安易にではなく被災地に確実に送る思案や会議がすぐに為され、我が地元ながら頼もしくさえ感じられました。
infix事務所も物理的に被害を受けましたが被災地の方々の事を思えば愚痴など言っていられないのでご迷惑にならない範囲で東北のメディア関係者と連絡を取り状況を把握しながら粛々と取材や会談を行い、帰宅難民になりながら東京に戻りました。
東京も相次ぐ予震の中、店頭から灯りや物資が消え停電や買い占めに原発被害と残念な状況下にあります。
一方で電気の使用を控えたり正規ルートで支援やボランティアを行う方々も沢山いらして人間の絆や優しさの尊さをこの目に焼き付けています。
反面、一部の人の買い占めで食品や生活用品が不足し、このご時世に赤々とネオンを点灯させているお店があったり、と色々と人間の縮図も見ています。。
かつて見慣れた東北の懐かしい景色が崩壊している映像に思わずメンバーで涙してしまいました。しかし命ある者が復興に寄与して行かねばなりません。
番組も局によってバラエティーなので地上波放送を中止や延期したり自粛したりしています。インターネットのみを対象に『くるナイ2』7年目に入る節目の時に、現在一緒にアレンジプロジェクトを行っている大神氏(infix Dr)と震災を鑑みながら自分たちのとぼしいながらも実体験や経験を踏まえた収録を行いました。
これからの仕事予定がキャンセルになったり先のスケジュールが変更になったり我々自身も打撃を受けて不安も渦巻きます。事実、音楽業界で軒並みライブ興業が中止になり、知人の会社が破産を申請したとのニュースを見る事になってしまいました。二次的災害で仕事が減ったり休止になったりと目に見えなくても切羽詰まった方々が沢山いらっしゃるかと想います。
僕も凹みました。何でもひとくくりに「自粛」と言われたら生きる糧まで失ってしまいますから。。
しかし逆に東北の皆さんから励ましの言葉を戴いたり強さを教えられ自分を叱咤し鼓舞しております。
生きてる者が日本をひとつのコミュニティーと考えて踏ん張らなければ!と。
また、震災時に安否や状況を心配してくれたのはやはりinfixメンバーと一部infixファミリーで自分の存在意義も深く考え直す事にもなりました…。
身を案じてくれる人、その様な絆をちゃんと築けているのか?と自問自答し自分というとても小さないち個人を見直しました…。
我々日本人は海外の地震や津波、火山噴火など各種の災害、デモや紛争、テロリズムなどで失われゆく命や大自然を何処かテレビ画面の向こう側の出来事、対岸の火事的に見て来た所があるのではないか?と反省させられています。地球自体が温暖化をはじめ未曽有の天災など完全におかしくなっている時に人々が手を繋ぎ合うどころかマネーゲームや自己利益のみを追求して地球という同じひとつの星に暮らし、ひとつの乗り物に乗った仲間である事を忘れているのではないか?と己のあさましさも含めて深く考えさせられています。
バスや電車の座席ひとつ譲らない、ひとつのパンすら分け合わない様な有り様ではいけない、金持ちの投機目的のマネーゲームも庶民としては遺憾に想います。
被災し震災の当事者である方々が譲り合い分け合う精神でおられるのですから、この想像を超えたあまりに悲惨で哀しい事態を教訓に個々が小さな事から見直す機会にしなければならないと想うのであります。孤独死や無縁社会などと言っている場合ではない、日本人古来の大和魂を思い起こし発揮する時ではないかと。。
我々も余談を許さない状況が続きますが、生きている者が支え合い笑い合い、また普通に音楽や歌声が巷に溢れる世の中になって行って欲しいと切に願って止みません。
あまりにも微力ではございますが出来る事からコツコツと震災復興や社会貢献できる自分や社会作りに努めて行きたいと日々心を戒めて、しかし一個の人間として一歩でも前進して行きたいと想う所存であります。
RADIO-GAGAと連携したチャリティーなどにもご関心を持って頂けたら幸いです。
http://www.radio-gaga.net/index01.html

infix vocal 長友仍世