手術しました
↑手術前↓
↓手術後
※生々しい表現があります。
病名は局所ジストニア、ミュージシャンズクランプ、書痙とも言うそうです。
ちなみに腱鞘炎とは全く違います。
この手術↓(定位脳手術)を受けました。
http://music.geocities.jp/tutumi22392000/newpage8.html
実は2、3年前からなんとなく右手がこわばると感じてました。
最初は気のせいだと思ってた。
なぜなら強引に弾いてしまえば弾けていたから。
ゆっくり進行していき、そのうち右手首が硬直すると同時に、
自然と右手が内側を向くようになってしまいました。
例えるなら右手首がバネで右肩の方に引っ張られているようなそんな感覚です。
右腕右肩全体を使い無理矢理その原因不明な力と戦いながら弾いてました。
1曲弾くと汗ダラダラで、今考えると収録やライブ等が終わるとへとへとになってた。
ギターは右手首のしなやかな動きが最も大事です。
力むのはあまり良い事ではありません。
誰に言われた訳ではありませんが、
僕は元々「病は気から」だと信じて疑わない性格です。
なので、練習方法や弾く頻度を変えて自分なりに腕をいたわってあげれば
気合や根性で治ると本気で思ってました。
ある日ネットで「ジストニア」の存在を知り、
症例を見ると合致点があまりにも多くちょっとショックを受けましたが、
自分の中でジストニアと確定するにはまだ早い、なんて楽観的に思っていました。
評判の良い鍼治療の先生のところにも足繁く通いましたが、
ジストニアの症状をカバーする為に使った筋肉(普通は意識的には使わない筋肉)
をほぐすのには有効でしたが、根本的な解決には至りませんでした。
だんだんと症状が強くなり簡単なリフもまともに弾けない事が増え、
字を書く事すらままならなくなりました。
意を決して東京女子医大病院の平先生の診察を受け、
病院の診察室でギターを弾き、症状を見てもらいました。
先生が言うには、ギターを弾く時
脳→手(動かしなさい)、
手→脳(はい、動かしました)、
というような信号が脳内でループするそうです。
で、この信号を出している神経がやればやるほど(弾けば弾くほど)
太くなっていくそうです。
脳内の話ですが、原理は筋肉を鍛えれば太くなるのと同じだそうです。
そのように太くなってしまった神経は誤信号を出すようになり、
結果、手が自分の意志に反して力んだり、こわばったり、反り返ったりするのだそうです。
もちろん万人がなる病気ではないです。
てか、ほとんどの人はならないみたいですけど。
手術は意識のある状態で頭に穴を開け、細い棒を脳内に差し込み、
その太くなった神経を焼いて細くするという手術。
パーキンソン病の手術の応用だそうです。
問題なのは、その焼く部分(視床)で、
ほんの数ミリずれると手足がしびれたり、
ろれつが回らなくなったりするそうです。
実際手術中に若干ですが、ろれつが回らなくなったり、
手がしびれたりしました。
ですがそれは焼く前に電気刺激して最終的な位置を決める時の話です。
焼いた後にそのまわりがむくんで(やけどするとその周りがピンクっぽくなるじゃない)
2、3ヶ月はそういった症状が出る場合があるとの事でした。
伴うリスクが大きいので非常に悩みましたが、
手術をする事に決めました。
手術まではパーキンソン病の薬アーテン錠を処方されて飲んでいましたが、
この薬の副作用がきつかった。(人によるとは思いますが)
副交感神経に作用するそうですが、
口が渇き、脱力感、倦怠感、心臓バクバク、ちょっと頭痛もしました。
だけどこの薬を飲むとちょっとだけ右手の調子が良かった。
人間、一回効果があるものを体感してしまうと、
常用しなければ気が済まなくなってくる。
だから10/4のサイキックラバーワンマンは規定量の倍飲んでしまった。。。
結果、目の焦点が合ってなく、ちょっといっちゃってる感じになってしまったみたい。
11/4に入院。
入院と同時にたくさんの検査をして、入院3日目に手術です。
腹を決めていましたが、やはり緊張。。
始めに頭を固定する金具を取り付ける。
これが最初の地獄で、4本のボルトで固定するのですが、
おでこと後頭部に4本の麻酔注射を同時にするんです。
これが痛いのなんの。麻酔なのに(笑)
でもしっかり固定させる為に麻酔しないと、締め付けが拷問ばりなので。
1mmも動かないです。
そっから金具をつけたままMRIやCTを撮って、いざ手術です。
手術台で少し髪を剃り、そこに麻酔の注射をします。
1本打てば痛くないだろう、と思ったのですが、
僕は麻酔が効きにくいみたいで(お酒飲むからかなぁ…)、
いつもの倍の量を打ったと後で先生が仰ってました。
本当に痛かった。2度目の地獄です。
ここまでしてギターを弾く必要があるのか、と自問自答しました。
次に頭皮をレーザーで切っていったみたいで焦げ臭いです。
そしてドリルで頭蓋骨に丸い穴を開けます。
すごい音がした。。。
今まで聞いた事のないような音。。。
自分の一番大事な脳を守っている頭蓋骨を削る音、あまりいいものではありません。
穴が開くとなんか「ボコっ」って音がしました。
3度目の地獄はその後、穴が開いたとこに、ちょっと何をしてたのか分かりませんが、
おそらく脳の手前にある膜的(?)なものにレーザーで穴を開けていたのではないかと思いますが、
先生が「ここは麻酔が効きにくいからちょっと痛いかもしれない」って
めちゃくちゃ痛かった。
穴が開いてるとこと、こめかみと、あとなぜか歯が痛くなった。
でも先生も「奥歯痛いでしょ」と言っていたので、そういうもんだと思った。
その後脳内に細い棒が入ったのでしょう。
いざギターを持ち「では今どうですか?」と先生。
弾いてみるとびっくり!バネが取れたみたいになった。
色々な場所(って言ってもほんの数ミリだと思う)
を会話しながら探っていき場所を決め、焼いていく。
手術中はずっと平先生が作業を続け、その周りにたくさんのお医者さんがいた。
カメラも回ってたし。
手術後、金具を付けたまま、再度MRIとCTを撮り終了。
その日は頭の痛さと熱で眠れなかった。
話する事は出来たが、起き上がる事は出来ない。
点滴に強力な痛み止めを入れてもらった。
翌日、今まで体験した事のない頭痛がする。
引き続き痛み止めを入れてもらう。
手術から2日後ようやくちゃんと歩けるようになった。
忙しい中たくさんの友人が見舞いに来てくれて嬉しかった。
ありがとうございます<(_ _)>
入院はさびしいです。。
早く退院したい旨を先生に話し、
手術5日後(11日)には退院しました。
その後、右手首がこわばったり、内側に曲がる事はなくなりました。
本当現代の医療ってすごいですね。
平先生ありがとうございました。
もう全然大丈夫です。
ギターも力を抜いて弾けるし、酒も飲んでます(笑)。
長々と書いてしまいましたが、
こういう病気がある事を知って欲しかった。
健康第一ですね。