サンプル盤をやっともらえました。
新曲、茜色の約束ね。
曲が書き終わったときとか、ファイナルミックスができあがったときとか、はたまたマスタリングが終わったときとか、いろいろと達成感を感じられるポイントはあるけど。
個人的に俺は、実際に製品になったサンプル盤をもらったときが、一番達成感があるかな。
あぁ~でけたぁ。
…ってね。
「茜色の約束」は、最初結婚をテーマにした歌だったんよ。
当時のディレクターさんに「水野くん、結婚をテーマに曲を書いてみなさい」って言われてね。
今年の春、高校の同級生でもある吉岡の兄が結婚したけど、なんか自分自身はまだそんなに結婚にリアリティを感じなくてね。これは「与えられてみないと書かないテーマだ」と思って、書き出したのがはじまり。
はて。
結婚とはなんぞや。
結婚ってなんだろうって。そこから始まってさ。
いろいろ、もろもろ、想像、妄想してね。
ふふん。ふふふんとね。
で、行き着いたのが、「死」だった。
結婚から想像が始まって死に行き着くってどれだけネガティブなんだよって感じだけど(笑)
でもさ、結婚ってようは「ずっと一緒にいよう」っていう約束でさ、すごくハッピーなことのように思われてるけど、実はどんなに幸せな二人でいても、やがてはどちらかが、どちらかをみとらなきゃならない、相手の死を真正面から受け止めなきゃいけない。そういうものでしょ。
それを受け止めるって半端ないことだと思うんだよね。
で、なんか胸がいたくなるくらい、想像がふくらんでね。
ま、俺特有の考えすぎなんだけど(笑)
こう感情の行き先が”結婚”というものだけじゃなくて自分自身と大切な人との人間関係に向かっていってさ。
それは、家族であったり、メンバーやスタッフであったり、大好きな人であったり。
自分にとってはめちゃくちゃかけがえのない”つながり”もいつかは”別れ”を受け止めなきゃいけないんだなってね。
それは、それは、しんどいことだなと。
いや、しんどいよ。
でさ、どうしようと。
そのいつか訪れる”別れ”に対して、今ある自分はどうしようってね。
その自分なりの答えが、”手をつなぐ”ってことだったんよ。
美辞麗句を並べてそれっぽく愛を語るんでもなく、若さを理由に余裕かまして大丈夫さとうそぶくんでもなく。
ただシンプルに、目の前にある大切なそのひとの手を、ちゃんとつないでおく。
そのひととの一瞬、一瞬を、ちゃんとつないでおく。ちゃんと拾っておく。
その、行動と。
その、意志。
それだけかなと、すべきことも、できうることも。そう思ったんよね、俺は。
時計が動いているのを、たぶん2、3年前よりもっと強く感じてるよ。
それはデビューして人生が動いたからなのか、周りで突然の死が重なったからなのか。
自分の顔が両親に似てきたり、大好きな人と出会った高校時代がもう思い出になってしまっていたり。
どんどん”過去”が増えていって、どんどん”未来”が近づいてきて。
でもそんな時間の向かい風を感じるからこそ。
その意思と、行動が、自分に求められるんだと思うし、それが自分にとってもっとも幸せな選択なんだと思うよ。
シンプルなことほど、強くないとできない。
強くならんとね。