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独立時計師に必要な資質とは

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独立時計師のフィリップ デュフォー氏が本日、代々木オリンピックセンターホールで講演を行いました。主催はヒコ・みずのジュエリーカレッジ。時計技術者要請コースの卒業者たちが招かれました。同校卒業生で、デュフォー氏も所属するスイスAHCI独立時計師アカデミー正会員に日本人として初めて加わった菊野昌宏氏との質疑応答もあった。

2時間強にわたってデュフォー氏は、スイスという国についてや、生まれ育ったジュウ渓谷がなぜ時計の聖地となったのかを写真と共に解説。さらに自身の生い立ちから独立時計師になった経緯を克明に語りました。

進路を決める際、両親からジュウ渓谷の中で職業を決めるよういわれた氏は、木こり、時計職人と狭まった範囲から時計職人の道を選んだという。この時点では天職とも考えてなく、華やかな街、美しい女性がいる街で働きたいという動機から、地元の時計学校卒業後、パリに勤務させるという条件を出したジャガー・ルクルトに就職。ところが意に反して勤務地はフランクフルトとなるが、ここで修理受付のためにカスタマーから直接、不具合などについての意見を聞けたことが現在、大いに役立っていると述べた。

2年ほどして生地であるジュウ渓谷に戻ったデュフォー氏。今度はカリブ海の島で時計を製造するという募集広告を新聞で見つけて応募。光と風と海に囲まれ、女性ばかりという環境で北米向けの時計のアッセンブルの仕事に就く。ムーブメントはセイコー製だった。しかしご本人曰く、独立独歩という持ち前の性格から、企業に属すことのない独立時計師への道を歩み始めることに。大手メゾンでさえ実現できていなかった、グランソネリ・ミニッツリピーターを備える超複雑時計を独自に開発して、1980年代には世界初となる腕時計化を実現してしまう。

また時計師に向く気質とは、「好奇心が旺盛であること。進歩が人より遅ければマイペースで進めばいい。古い時計のレストアを行うことも大きな学びとなる。古いオメガなどの懐中時計やロンジンのムーブメントの中には、パーツがすり減らないキャリバーが見られる。これは歯車などの仕上げはもちろんだが構成バランスがいいためだ。こうした調和を私は、自作のシンプリシティといった作品に生かしている。グランソヌリもミニッツリピーターも、二重のテンプを備える機構もジュウ渓谷の先人から継承したもの。私がしてきたことは発明などではありません。特許申請など一つとしてしたことがないです。先人に敬意を表し、その技術を後世に伝えること。自分が死んだ後、誰かが私の時計を見て、フィリップ・デュフォーという凄い時計師がいたんだ、と思ってもらえたら本望なのです」と謙虚に、けれど力強く、こうしたニュアンスのことを述べました。
by ism-watch | 2016-11-16 21:54 | フィリップ・デュフォー

フィリップ デュフォー、東京で特別講義を実施

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独立時計師フィリップ・デュフォーさんが、今週はじめからヒコ・ミズノ ジュエリーカレッジ東京校で行った特別授業を無事、終えられました。

16名の優秀な生徒に対し、火曜日から三日間実施。「美しい仕上げ」といったようなテーマに沿い、時計の神様自らが実演をしながら具体的に指導。

時計の聖地、スイス・ジュウ渓谷に伝わり継承した伝統技法を包み隠さずに伝授。地板のサイドの仕上げでは、高級時計に使われる機械を使う研磨仕上げと、さらに上のヤスリによる完全手作業による特別なフィニッシュまでを公開。独自に工夫した木片でパーツを固定するといった、一子相伝ものの秘儀にいたるまで生徒たちに伝えた。

教えをこう者にはすべてを教える、という姿勢に、人間フィリップ デュフォーの巨大さを感じました。
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by ism-watch | 2016-11-15 14:22 | フィリップ・デュフォー

フィリップ・デュフォーが来日、日本の愛用者たちと歓談した

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Philippe Dufour
時をチャイムで知らせるグランソネリを現代に蘇らせ、世界で初めて腕時計サイズを完成させるなどの功績を誇る独立時計師フィリップ・デュフォーさんが来日。このほど日本の正規代理店であるシャルマン銀座店で2日間(2015年5月7・8日)にわたって、日本の愛用者たちと歓談するスペシャルイベントが実施されました。

両日ともに開始時間からひっきりなしにファンが訪れ、その一人ひとりにデュフォーさんは笑顔で話しかけサインや写真撮影にも気さくに応じていた。

長旅の疲れなどはまったく見せず、「自分を慕って遠くからたくさんの人が来てくれている。こんなにうれしいことはありません」とデュフォーさん。トレードマークであるスモーキングパイプを手に、フレンドリーに話してくれました。
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真の実力者は謙虚で温厚。時計の神様と称賛される世界最高レベルの時計師であると同時に人格者、フィリップ・デュフォーさんの神髄に触れました。特別にインタビュー時間を頂いたので、以降何度かに分けてお伝えします。
by ism-watch | 2015-05-13 18:51 | フィリップ・デュフォー

ローマン・ゴティエの取扱いを今秋開始/神戸・カミネ

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・上の写真はル・サンティエから眺めるジュウ湖
・下は本作の完成披露を行うローマン・ゴティエ氏

歴史的名作を多数生み、大手メゾンの工房も集積する時計の聖地、ヴァレード・ジュウ(スイス)。この地にアトリエを構える、独立時計の新星であるローマン・ゴティエの作品が今秋、神戸の老舗である正規時計宝飾専門店、カミネで取扱いがスタートします。

ローマン氏へのインタビューは過去3回行っており、引き合わせてくれたのは、同じヴァレード・ジュウにアトリエを構える時計のマイスター、フィリップ・デュフール氏でした。
というのも、いまから9年前、精密部品を製造する会社に勤めていたローマン(以下、継承略)がデュフールを訪ね、考案した時計、ムーブメントの図面を見せながら、「伝統技術を継承しつつも革新的な時計を作りたいのですが」と相談。いわばローマンにとってデュフールは、時計の師にあたるためです。
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・ローマンが手掛けた本作に見入るデュフール


「自分の時計を作りたい。そういう思いを抱いて訪れる人は多いのですが、だいたいは、そこで終わってしまいます。ところが彼(ローマン)は、最初の訪問から3年ほど音信不通となった後、プロトタイプの完成品を持って再度、私の前にあらわれたのです。まだまだ未熟なものでしたが、発想の革新性と情熱は十分伝わってきました」と、昨年3月、スイスでデュフールは、このように話してくれました。
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デュフールのアドバイスを受けて、ブラッシュアップを重ね、ようやく昨年(2010年)、ローマンは世界時計博「バーゼル・ワールド2010」にブースを構え、自作の発表を行うまでに。
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そのブースには、我がことのように歓ぶデュフールをはじめ、ローマンの母や妻子の姿もありました。ショーの開始早々、2年がかりとなる予定製作数30点のうち、20点が予約で埋まるといったような盛況ぶり。

さて、世紀をまたいで継承されるスイスの時計作りの伝統技術をベースに、スクリューの形状などにローマンらしさが出ている本作は、ムーブメントの伝統的な組立て調整や磨きなどを、かつてスイスの高級時計ブランド、ブランパンの名作「グランコンプリ 1735」の制作責任者だったパトリック・マルタン氏が手掛けています。

なおローマン・ゴティエの作品は、年産15点ほど。日本における正規品は、カミネのみの販売となります。

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ローマン・ゴティエ

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ケース素材は18K WG(ホワイトゴールド)。
ケース径は41mm。厚さ:11.3mm。
手巻き。スモールセコンド付き。
パワーリザーブは約60時間。2万8.800振動。
22石。裏リューズ方式。シリアルNo.7。
価格682万5,000円

カミネ トアロード店 2F
〒650-0021 兵庫県神戸市中央区三宮町3丁目1-22
Tel.078-321-0039
営業時間;10:30-19:30(不定休)
http://www.kamine.co.jp/
by ism-watch | 2011-08-22 20:01 | カミネ

バーゼル・ワールド2010/デュフォー氏やパイプやタバコ

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前回のシガー繋がりでスモーキングパイプの話を。以前、エキサイトismで、ヨーン・ミッケという独立孤高のスモーキングパイプを製作するアーティストについて書かせて頂きました。
http://media.excite.co.jp/ism/095/04.html
昨日、その作家とボ・ノルド、ラルス・イヴァルソン、イエス・コーノウィッチの4人の作品に絞って販売、欧州の領主ら特別な顧客を抱えるチューリッヒのリテーラーさんと会ってきました。ファミリー経営のブティックはチューリッヒにあるので、ドイツのバンホフ(バーゼル)駅からチンチン電車でスイスのバーゼル国鉄駅に出て、そこからチューリッヒまで、フランスが誇るTVGで往復してきました。西欧諸国にはイギリス、ドイツ、フランス、スイスなどの特急が乗り入れていて、スイス国鉄の窓口でバーゼル/チューリッヒ間のチケットを買った場合、スイス国鉄はもとよりドイツの特急にもTGVにも乗車することができるのです。
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そのチューリッヒの喫煙具店は湖畔の時計塔の裏手にあり、このあたりの煙草専門店と同様に、好みの煙草各種を配合まで指定して量り売りしてもらうことができます。ハウスブランドもあり、バージニア単体の銘柄も各種揃い、そのどれもが極上の味わいです。

今回は店主であるサー・ワグナー氏の提案で、エロティック(ヨーン・ミッケ作)というシェイプを吸いながら、100年後も200年後も変わることのない、この西欧の風景、街並みなどについて沈思黙考しよう、ということになりました。小振りで柄の長いものはワグナー氏の愛用品。現代のインダストリアルデザイナー、マーク・ニューソンに通じるかのような、深く豪快かつ繊細さもあり、色気、華、哲学のある、この唯一無の存在であるミッケという作家の世界観を共有できる友人は、世界広といえどもそうはいません。「Mickeか、それ以外か」--。至福の一時を過ごさせて頂きました。
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で、バーゼル市に戻り、18歳から現在まで、スモーキングパイプだけの喫煙を楽しんでこられた、独立時計師であるフィリップ・デュフォー氏を訪ねました。氏からは今回、フランスのサンクロードという地で、親子二代にわたってパイプを作り続ける、写真の「ジェノ」を贈って頂きました。「大切に末永く、毎日のように使います」と伝えると、「たくさん使うとパイプは、おいしくなるから」という言葉をもらいました。同じ写真に写っているシガーは、先にお伝えしたパーティで巻いてもらったもの。「ガリバルディ」というスイスの伝統的なパイプ用シャグ煙草は、スイス滞在中の愛飲銘柄でF.デュフォー氏の大好物。
by ism-watch | 2010-03-22 22:11 | フィリップ・デュフォー

バーゼル・ワールド2010/F.デュフォーとパイプの本


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世界時計博といえる「バーゼル・ワールド」には、世界中の時計メーカー、ジュエラーがブースを構え、今年の新作を発表します。
出展数は最多の年でおよそ4.000社とされています。

一週間の滞在及び開催期間中に取材で伺うのはシャネルやオメガ、ロレックス、パテック フィリップ、ハミルトンなど多くて40ブランド。

かなり過酷な期間中に、疲れを忘れる瞬間が何度かあります。それは各メーカーの開発者から、開発過程における苦労について伺う際や、メカニックが目を輝かせながら機械式ムーブメントの新しいメカニズムについて説明してくれる時など。

ほかにはムーブメントの設計から製造まで、地板や歯車を切り出し磨き上げ、そのほとんどをたった1人で組み立ててしまう頂上独立時計師、フィリップ・デュフォー氏にお目にかかる瞬間。

今年のバーゼル・ワールドでも、もちろん初日に氏のいるホール5に足を向けました。偶然にも氏は、同じく独立時計師のヴィアネイ・ハルター氏と談笑中でしたので、巨匠2人のツーショットを撮影させてもらいました。
ちなみにデュフォー氏が手にしているのは、日本語版のパイプの本と、かつてあった日本のパイプの雑誌。パイプスモーカー繋がりである氏は、スモーキングパイプの生産地であるフランスのサンクロード近郊に自宅を構えています。

なおデュフォー氏の単独インタビューは後日となります。
by ism-watch | 2010-03-19 01:50 | フィリップ・デュフォー

松田朗
フリージャーナリスト
プロフィール
プレミアム腕時計の新製品情報。名作や限定モノなども紹介します。
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