正規時計店の良心、天賞堂の驚愕メンテナンス
時には孫子の代にわたって、販売した時計のアフターメンテナンスを行うことも
あります。このために膨大なコストをかけて、アフターサービス部門を充実
させているショップも珍しくありません。


創業127年を誇る天賞堂は、まさにこうした考え方を先代以来、継承しており、技術部には1級時計技能士でクロノグラフやトゥールビヨンなども扱うことができる、天賞堂在籍50年を超え、嘱託となった現在も在籍する唐牛茂さん(写真)が控えています。
「祖父が天賞堂で購入したという、古いオメガなどを持ってお孫さんが来店してくれることもあるんです。現行モデルならメーカーが対応してくれますが、そこで断られた古い時計も
戻ってきます」と唐牛さん。

こうした時計の修理で唐牛さんは、切れたゼンマイを繋いだり、
直径100分の6㎜というパーツを削り出して作ってしまうこともあるという。
同店の新本社長氏は、「修理はクレームに繋がることもあります。
リスクヘッジのために、対応をすべてメーカーにまかせてしまう販売店さんも
あることでしょう。しかしうちで販売する機械式時計は家電製品などと違って、
時には世代を超えてセンチメンタルバリューを刻み込みながら大切に
使われるのです。
“この時計は銀座の天賞堂で買ったんだよ”と誇らしげにいいながら、
お父さんが愛用の高級時計をお子さんに譲られるというエピソードもよく耳にします。
だからこそ天賞堂の誇りにかけて、極力修理してさしあげたいと思うのです。
天賞堂で販売した時計以外のメンテナンスもお受けしていますが、唐牛が
確認して、できないというものはそのままお返しすることもあります」と
話してくれました。
次回はぜひ、このコーナーで、唐牛さんの技術力をリポートさせて
頂きたいと考えています。
天賞堂
東京都中央区銀座4-3-9
03-3562-0022
(営)11:00~19:30(月~土)
10:30~19:00(日・祝) 無休
公式サイト/
http://www.tenshodo.co.jp/