第70回ベネチア国際映画祭に松本零士氏、オメガを装着して登場
その記者会見がイタリア・ベネチアのcasinoで3日(現地)に行われ、原作者であり総設定を手掛けた松本零士氏、監督の荒牧伸志氏、ハーロックの命をつけ狙う青年・ヤマ役の声を演じた俳優の三浦春馬氏が登場。

ベネチア出発直前の松本零士氏

荒巻監督、松本氏、三浦氏(左から)
松本零士作品の人気は全世界で高く、およそ50カ国から取材が殺到。高額な公式上映チケットはソールドアウト。上映後のスタンディングオベーションは5分間にも。松本零士氏を見たい、存在を感じたいとする人たちで満席となり、レッドカーペットを歩く際に松本零士氏に、握手やサインを求める世界中のファンが殺到するという一幕も見られました。
「汗を流し、歯を喰いしばり続けていきます。私の創作に終わりはない」と意気込みを述べました。

なお、今回のイタリア滞在中、松本零士氏が腕に装着したのは、ここ15年ほど日常でも着けっ放しのようになっているオメガ「スピードマスター・ムーンフェイズ」(写真。1985年製。SSケース。手巻き。革ベルト)。ハ―ロックが計器として腕時計を着けるとしたら、「こうした防水がしっかりした頑丈なクロノグラフでしょうね」と語ってくれました。
松本零士氏の父は航空パイロットであり、そのDNAにより25歳の時(1963年)、全財産を叩いてパイロット用のクロノグラフ(ストップウォッチ+積算機能付きウォッチ)を入手。
それから6年後の1969年、倍の値段がして当初、買うことができなかったオメガ「スピードマスター」がNASAの公式時計となり、人類初の月面着陸を果たす。漫画家としての確固たる地位を築く過程で、経済的にも豊かになった氏は都内の質店を巡り、中古のスピードマスターをようやく入手。その時の気持ちを氏は、「手が届かない、絶世の美女としたしくなれたような気持で感無量でした」という。
こうした松本零士氏は世界中にファンを有し、フランスの音楽ユニット、ダフト・パンクからの熱い要望により、彼らの楽曲と松本デザインによるキャラクターのコラボレート作品が世界に発信されています。
また、オメガからは、松本作品「銀河鉄道999」のヒロイン、メーテルが刻印された「スピードマスター 999」をはじめ、スモールダイヤルにそれぞれ地球、月、火星を描き、「人類はやがて月に、そして火星に住むことになるでしょう。その時に、青く美しい地球をながめ、故郷に思いを馳せる…」(松本零士氏)という思いを込めてデザインした「スピードマスター フロム ザ ムーン トゥ マーズ」が発売されています。