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ウルクハート社長:五輪計時、オメガの歴史、展望について熱く語る

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オリンピックのオフィシャルタイムキーピングにおいて80年の歴史を有し、今回のロンドン五輪で25回目の公式計時を担当するスイスの時計メーカー、オメガ。今回は先のロンドン五輪現地取材の際に行ったオメガ社長、ステファン・ウルクハート氏のインタビューをお送りします。ロンドン五輪、公式計時の歴史、オメガの展望と多角的に熱く述べてくれました。
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Q:2012年のオリンピックモデルにも反映されている、オメガらしさについて教えていただけますか?
A(オメガ社長;ウルクハート氏 以下同):モデル自体がオメガらしさですが、じつはあまり沢山のオリンピック限定モデルをつくりたくありません。混乱しますから。そもそも限定モデルですから、十分な数は生産していませんが。
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ちなみにきょう、私が着けているのは特別な時計です。1948年に作られた最初のシーマスターモデルの復刻版です(既に完売しています)。

1948年といえば、前回のロンドンオリンピックの年でもあります。ですから、1948年生まれのシーマスターモデルを元(同じケース、デザインなど)に、今回のこのロンドンオリンピックのモデルとして作りました、そしてケースバックにロゴをつけました。ロンドンの特別モデルとしての。

ちなみに、北京五輪の限定時計のモデルは、1952年のヘルシンキモデルを元にされたものです。

きょう着けている、このモデルはとてもシンプルです。そしてとても美しい。「1948年にデザインされたものです」と言ってもだれも信じてくれませんよ。とても新しいデザインの時計に見えませんか?
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Q:タイムキーパーとしての技術は、一般のオメガ時計にどのように影響を及ぼしていますか?
A:その両者は全然違うモノです。異なるテクノロジーです。
1932年、展覧会でご覧になると思いますが、我々がタイムキーピングのために作った、ストップウォッチ。これはお店で買える時計と同じテクノロジーです。
1948年の戦後からは、テクノロジーが変わりました。それはエレクトロニック・エラ(電子時代)の幕開けでもありました。
次々に新しいテクノロジーが導入されたのです。
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ですから、一番最初のタイムキーピングでは一般のオメガウォッチと関係がありましたが、現在では、両者はまったく違うものです。
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Q:両者はお互いに影響を及ぼし合ってきたと思っていましたが。
A:全然違うものです。現在のお客様は、職人の技や美しいデザインに関心があるんですよ。そして長年使えるかどうかに。
例えば、店頭に並ぶ時計を100m走の計測に使う事はできません。ちがうテクノロジーです。技術が進んでいるかそうでないかの問題ではなく、“違う”ということです。

40年前クオーツ革命がおこった時、だれもが、すべての消費者はクオーツの正確さを求めるだろうと思いましたが、それは間違いでした。そうではなくて、消費者が求めるのは、美であり、歴史であり、感情であり、伝統なのです。

両者は全く違うテクノロジーとはいっても、共通点もあります。それは、両者ともに美しい職人の仕事の跡が見られる点です。
オメガとしての自信と誇りは両者に息づいています。哲学と情熱は共通しています。

Q:80年間、オフィシャルタイムキーパーを務められてのメリットと、もしもあればデメリットを教えてください。
A:良い事は、2年ごとに、私と私のチームは違う国に旅行できるということですね(笑)。どんなブランドでもオリンピックとの契約は喉から手が出るほど欲しいでしょう。そういう意味で、素晴らしい機会です。
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IOCとは素晴らしい関係を築いています。われわれはスポンサーではありません。私たちは、私たちののサービスをIOCに売っているんです。莫大な金額で買ってもらっています。そのお返しとして、われわれは、時計を作るために、マーケティング権利を彼らから買って、世界的なマーケティングを行っています。ウィン・ウィンの関係というわけです。
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もちろん、この関係維持には多額の維持金がかかります。常に先行投資をしていくわけです。この素晴らしい関係のために、オメガのロゴが優先的にオリンピックのTVスポットなどに現れるわけです。これは他のブランドがいくらお金を積んでもできないことです。素晴らしい宣伝になりますよ。

Q:2年ごとのプロジェクトとしてはかなり責任重大です。実行の秘訣は?
A:わたしが実行するわけではありません。それは冗談で、タイムキーピングだけを担当している専属のチームがいるんです。

オリンピックが最大で最も権威がありますが、他のスポーツ競技のタイムキーピングも行っていますから。
オリンピックが一番、宣伝効果が高いともいえます。確かに責任重大ですが、自信を持って業務を遂行しています。
スタッフの人選には気を配っていますし、常にサービスそのものを向上しようと努力しています。

もし仮に問題が起きたとしても、それをカバーできるだけの十分なバックアッププランはいつも用意していますよ。

Q:2012のロンドン五輪で、オメガの実質的な利益は何だと思いますか?
A:ビジネスとしては以前とかわりません、トリノ、バンクーバー、北京の時と一緒です。ただ、ロンドンのマーク、UKの国としてのブランドはとても強いのでマーケティングに役立つことでしょう。

オリンピックの特徴は、それは2年ごとに違う国で開かれるということで、その開催地ごとにメッセージが違うんですよ。タイムキーピングの仕事は同じですよ、でもメッセージが違います。今回は大きなTVキャンペーンがあるから素晴らしい! ※ローリングストーンズの「スタート・ミー・アップ」をフューチャーしたTVCM。

Q:ロンドンのイメージは?
A:イメージ? 寒いです。
※2012年5月初旬のロンドン五輪スタジアムにて。

Q:オリンピックスタジアムは?
A:これまでにもう何回も来ました。何にも建っていない時から来ているんです。素晴らしいスタジアムですね。競技はここだけでなく、ウィンブルドンなど、ロンドンの各地で開催されますよね。素晴らしい会場が沢山ある、ロンドンは特別な場所です。

Q:ウルクハート社長は何かスポーツをされますか?
A:少しゴルフを。そしてスキーも。2016年のリオ・オリンピックでゴルフはプレイされますよ。日本の石川さん(遼)も出るのでは?(笑)

Q:オリンピックで何の競技を見るのを楽しみにしていますか?
A:100Mは見に行きます。そして水泳です、マイケル・フェルプスはオメガのアンバサダーですから。(期待感を込めて)北京の時ほど活躍できるかな? わかりませんが。あと、セイリング(ヨット)です。時間があれば見に行きたいです。

Q:将来、商品開発の上で、どのような分野に関心を持っていますか?宇宙旅行用の時計とか。
A:一番大切なことは、ブランド名“オメガ”です。1894年、会社は違う名前でしたが、その当時に(オメガ)をブランドの名前にしたのです。トレードマークは1904年に導入されました。

オメガは歴史上、常に、時計の内部に情熱を傾けてきました、その結果が卓越した性能に現れているのです。
オメガの時計の内部(動き)が大切です。デザインも大切ですが、内部(動き)はほかでは真似はできませんから。クオーツの導入など、色々な事がありましたが、今の段階で言えることは、我々が一番大切にしているのは、“オメガ”というブランドの価値です。

今年も盛りだくさんですよ。オリンピックのほかにジェームズボンド(映画)の公開、ブルーオーシャン(映画の公開)、そして、ORBISとのコラボレーション、ORBISの視察で、2週間前はベトナムに居ました。ORBISは子ども達の目の手術をする素晴らしい団体です。これらすべてがオメガのコアメッセージです。

Q:今回のオリンピックのアスリートがアンバサダーになる予定はありますか?
A:いえ、特にありません。TVコマーシャルで少しアスリートを起用するくらいです。

Q:五輪開催前までに、新しい時計の発表はありますか?
A:いいえ、五輪関係のものはありません。今年は沢山の新作モデルが出ています。五輪関係のニューモデルを量産したくはなにのです。1年前にロンドン五輪モデルを出しました。それでいいのです。
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Q:時計の収集はされますか?
A:それほどしません。時計と関わり過ぎていますから(笑)。確かに好みはありますが、お気に入りを選ぶのは難しいです。ヴィンテージは好きですね。
by ism-watch | 2012-06-13 16:59 | OMEGA
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松田朗
フリージャーナリスト
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