オメガ/第13回FINA世界水泳選手権公式計時
スイスの時計ブランド、オメガは、ローマで開催された今年の主要スポーツイベント、世界水泳選手権大会(開催期間:2009年7月17日~8月2日)の公式タイムキーパーに選ばれました。
イタリアの首都ローマに、世界200カ国から2,800名の選手、さらに約2,000名のボランティアが集まり、このエキサイティングなスポーツ競技大会を盛り上げました。
フォロ・イタリコは、水泳、飛び込み、シンクロナイズド・スイミング、水球といった同大会の主要競技が開かれるスポーツ・スタジアムで、4つの常設プールと2つの仮設プールが上記4競技のために用意。またフォロ・イタリコ付近の地区には選手村がつくられ、17日間に渡って40万人を超える観客を迎え、夜間まで楽しんでもらえるような環境を整えられました。
オメガは北京五輪と同様、全出場選手に、オメガが誇る技術力を活かし、競技の記録計時に最高水準の精確性を実現しました。
これまで水泳競技の主要大会で公式タイムキーパーを務めてきたオメガには、国際水泳競技を長年リードしてきた伝統があります。またオメガは、競泳大会での計時やランキングの中核テクノロジの開発を担ってきたブランドでもあります。そのテクノロジの例としては、この分野では初の半自動水泳計時機器である「スイムエイト・O・マチック(Swim Eight-O-Matic Timer)」やプールの両端に設置された有名な「タッチパッド」があります。
このタッチパッドは各レーンの両端に設置された水面下のパネルに3キログラム以上の圧力をかけることで反応しますが、水流に影響されることはなく、どの競泳者も自身の手で「タイムを止める」ことが可能です。競泳のゴールの瞬間はオメガのハイスピード・ビデオカメラにより記録され、微妙な判定の場合に非常に有効です。
昨年オメガの「世界新記録ライン」(Virtual record line)は、CGを利用し映像化させた赤いラインをプール上に表示し、TV視聴者にご覧いただきました。赤いラインは世界記録のペースにあわせて前に進みます。つまり、「世界新記録ライン」よりも前方でフィニッシュした場合、世界記録更新ということになります。
また、オメガは、マイケル・フェルプス選手や元優勝者のアレクサンダー・ポポフ選手など競泳史に名を刻む選手たちの専属スポークスパーソンでもあります。さらに今年、元優勝者のマッシミリアーノ・ロソリーノ選手が加わりました。
昨年7月に30歳になったマッシミリアーノ・ロソリーノ選手は、アトランタ五輪から北京五輪までオリンピック4大会連続で優勝した、イタリアの競泳史上最高の選手です。主要な大会で勝ち続けてきた同選手の優勝トロフィーは、シドニー五輪の200メートル個人メドレーでの金メダルを含め、60を数えます。
マッシミリアーノ・ロソリーノ選手のコメント:「オメガと組んで競技ができるのは大変な名誉であり、また非常に楽しみにしています。最新の計時技術を使用してトレーニングできるわけですからね。これまでオメガはスポーツ界の歴史を作ってきましたが、その高性能な技術機器や時計から誰もが知るブランドであり、大きな競技大会やプレス・イベントで狙い通りのタイムを切ってやろうというモチベーションをさらに高めてくれます。また私は、フェルプス選手級の一流競泳選手が所属する国際チームで唯一のイタリア人なので、数ヵ月後にローマでチームメートを迎える時には精一杯もてなししたいと思います」
スイスの時計メーカー・オメガは、当然ながら時間にこだわりがあります。161年の歴史を誇るオメガは、数多くの時間精度の記録、宇宙開発や深海探索、そしてもちろんスポーツ計時といった分野で活動を展開してきました。
水泳におけるオメガの実績
オメガのストップウォッチが初めてスポーツイベントの計時に使用されたのは1世紀前。水泳競技での初採用は1932年のことで、当時のオリンピック競技の全種目(水泳を含む)で公式タイムキーパーとしての役割を担いました。
オメガによる水泳向け計時技術の開発
過去何十年にも渡り主要な水泳競技大会で計時を任されてきたオメガには、国際水泳競技と長年関わってきた歴史があります。またオメガは、水泳競技の計時および結果記録における主要技術の開発をこれまで支えてきました。その主要技術の一部は以下のとおりです。
世界初の半自動水泳計時機器「スイムエイト・O・マチック(Swim Eight-O-Matic Timer)」。この計時機器は1956年のメルボルン五輪で初めて導入され、複数の競泳選手がほぼ同時にフィニッシュしても、そのタイム差の計時が可能になりました。1972年には「スイム・オ・マチック(Swim-O-Matic)」が登場し、約1000分の1秒までその精度を向上させました。ところがFINA(国際水泳連盟)は、競技用プールの構造上、各レーンの正確な寸法が保証できないため、オメガの「スイム・オ・マチック(Swim-O-Matic)」の高精度な計時は適さないと判断し、100分の1秒までの計時しか採用しませんでした。1980年にはその4年前まで150キロの重量があった同機器が、わずか1.2キロのクロノメーター・ブリーフケースとなりました。
有名な「タッチパッド」は、パッドに触れるだけで各選手がタイムを止めることが可能で、各レーンの両端の水中に設置されています。タッチパッドは、選手の体が触れると反応しますが、水しぶきには反応しません。これはスポーツ計時の歴史において最も画期的な技術革新の一つであり、その開発は、1960年にローマ五輪で人間の目による判定の正否が取り沙汰されたことがきっかけとなっています。タッチパッドは、1967年にウェニペグで開催されたパンアメリカン国際競技大会で初めて導入されました。
. 競泳用スタート台。他のトラック競技と同様に、フライング探知システムおよび音響スタート機器を搭載し、各選手がまったく同じ瞬間にスタート合図を聞けるようになっています。