ハミルトンが売れている理由(3-1)/石田憲孝氏に聞く
先行きが見えない世界不況下のいまも、国内の時計マーケットには明るい話題があります。正規取り扱い各店などによると、アメリカで発祥し現在はスイスの時計の巨大コングロマリット〈スウォッチグループ〉入りを果たしている時計ブランド〈ハミルトン〉の製品が売れているといいます。
ismが厳選した〈ブランド腕時計ガイド〉にも参画する正規時計専門店〈BEST新宿本店〉でも、ハミルトンの人気モデルは、入荷とほぼ同時にソールドアウトといった状況らしい。
そこで、同店を統括する母体企業の取締役社長を務める石田憲孝CEO(写真)に、ハミルトン好調の理由などについて3回に分けて伺ってみました。1回目の今回は、売れる理由の総括と人気シリーズハミルトン〈カーキ〉の魅力について。
開口一番に石田氏は、「いつの時代もハミルトンが売れるのは、いい意味でブランド側が、マーケットの自然の流れにさからわないからでしょう」という。
続けて「アウトドアブームが起こり、カジュアルにマッチする腕時計が求められた1980年代から現在に至るまで、ミリタリーウォッチとしての歴史も実力も備えるカーキ・シリーズが評価されてきました。また、ビンテージコレクションへの注目が集まるようになるとペンチュラ・シリーズにややシフトしてみたり。このように時代に即していますし、しかも若いお客様でも買いやすいプライスゾーンをくすさなかったのが、ハミルトンの強みではないでしょうか」という。
たしかに男性を中心としたアウトドアやミリタリー・ブームの時にカーキ・シリーズを手にした層も多く、ブランドへの定着率も高いだろう。その次の世代の開拓については、1997年に放映された初回テレビ版「踊る大捜査線」の大ヒットも寄与したのではないでしょうか。主演の織田裕二氏が劇中で私物のカーキを着けて大きな話題に。その前年にオンエアされたテレビドラマ「ロングバケーション」では、やはり主演の木村拓哉氏が劇中で装着したのがハミルトンの〈パイピングロック〉。当時の人気雑誌も伝えました。
「もう10数年前からのことですが、自分でも手巻き式やクオーツ式など、どんなファッションに合わせようとか何も考えずに何種類もカーキを買って、自然体で使ってきました」と石田氏は話してくれました。
ハミルトンがいま、売れる理由は、時代に即したアイテムを絶妙なタイミングで、しかも求めやすい価格帯でリリースされる点なのでしょう。全米の鉄道史を支えた歴史についてなど、膨大なうんちくを語ることができる点も大きな魅力です。
前述の「ロンバケ」放映のころ、たまたま個人的に購入した〈パイピングロック〉を現在も使っていますが、「この価格でこのクオリティ?」と思うほど、価格と品質のバランスがよくて、その高い満足度は、現在も連綿と続いています。
カーキ・シリーズでお勧めの現行モデル
品名:Khaki Field Mech
(カーキ・フィールド・メカ)
品番:H69419363
仕様:機械式手巻き/ステンレススチール・ケースサファイヤ・クリスタル/5気圧防水
価格:47,250円 (本体価格:45,000円)
今やフィールド・ウォッチの代名詞となったハミルトンのカーキ・シリーズ。「冒険」と同義の名を冠したこの時計は、第一次、第二次世界大戦でアメリカ軍が使用した“ハック”ウオッチが原型となっています。過酷な条件下で要求される強靭さを備えながら無駄を一切排除したシンプルなフォルム。時計の原点ともいうべき機能美を極め、カーキは人生の冒険を楽しむ現代人の時計として蘇りました。
バリエーションある、カーキ・シリーズのなかでも、「カーキ・フィールド・メカ」は手巻き式ムーブメントを搭載し、ミリタリーウォッチの面影をもっとも強く残しています。また、ダイヤルには、視認性の高いボールドタイプのアラビア数字を配し、光の反射最小限に抑えるとともに自然の中に溶け込むモスグリーンのカラーリングを施しています。ストラップにも同色を用い、素材はナチュラルなキャンバス地を表面に、手に触れる裏面には肌にしっとりと馴染むカーフレザーを使用しています。ガラスは強度に優れたサファイヤクリスタル、防水性能は5気圧と、アウトドアユースに最適なスペックを備えています。
Khaki Officer Automatic
カーキ オフィサー オート
機械式自動巻(ETA 2895-2)/ステンレススチールケース/
ケース径44mm/サファイアクリスタル/10気圧防水/
H70615733(ETA2824・3針、ブラックカーフストラップ)
販売予定価格:75,600円(税抜価格:72,000円)
ヌバック・ストラップ仕様H70655733(ETA2895・スモールセコンド)販売価格:96,600円(税抜価格:92,000円)も用意。
“フィールド・オフィサー“は、カーキの原型であるミリタリー・ウォッチの直系と言えるモデル。過度な装飾はいっさい施さず、視認性に優れた文字盤、リュウズを引くと秒針が停止するハック機構、光の反射を押さえるサンドフィニッシュケース、軽量なボディ、そして大型リュウズの採用など、究極のフィールドで必要とされたベーシックなノウハウを投入しています。今夏には、そのオートマチックモデルとなる2機種を発売、ミリタリーの系譜にふさわしい、フィールド・ウォッチが登場します。
カーキ・フィールドの上位機種として司令官(Officer)の名を冠し、ハミルトンのミリタリーDNAを引き継ぎながらも、そのデザインはコンテンポラリーなテイストを漂わせています。44mm径の大型ケースは、トレンド感のあるスタイリングにもマッチするサイジング、腕先に十分な存在感をもたらします。
スモールセコンドを配したモデルには、カーフの裏面を起毛させたストラップを採用。インデックスには褪せたベージュのカラーリングを施すことで、シンプルでありながらもヴィンテージな味わいを残す上質な雰囲気に仕上がりました。
3針仕様のモデルは、ブラックダイヤルにブラックストラップをコーディネートし、シンプルさを極めたデザイン。ダイヤル上の目盛りにカラーリングされた赤色の表示や、秒針のポインターなど、何気ない表示も実用度の高い視覚効果を訴求。ミリタリーの系譜に違うことない大人の本格フィールド・ウォッチとなっています。
BEST新宿本店
http://media.excite.co.jp/ism/watchshop/10088/
ハミルトン公式サイト
http://www.hamiltonwatch.jp/