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レクサスLS460(欧州仕様プロトタイプ)試乗その4

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■そしていよいよエンジンを始動。この瞬間、かつてのセルシオから引き継がれる静粛性の高さを確認することができる。初代LSは静粛性の高さで世界中の自動車メーカーに驚きを与えたことでレクサス・ショックという言葉を生み出したわけだが、この新型LSでもそうした伝統は確実に引き継がれていると感じた。室内は静まりかえっており、ともすればまだエンジンを始動していないような感覚すら覚えるほどだ。

■注目の8速ATのシフトレバーをDレンジへと入れて走り出す。すると巨体はスルリと動き始める。徹底したフリクションの低減はレクサスらしい部分。そうしてさらにアクセルを踏んでいく。アクセルペダルの感触はやや軽めに感じる。できればもう少し重めの感触があると高速巡航が楽だと思える。ただこの軽めの感触は、日本の街中では扱いやすいかもしれない。

■4.6LのV8エンジンのフィーリングは極めて洗練されたもの。トヨタ&レクサスは既に、3.5LのV6エンジンで実に高バランス(出力、燃費、フィーリング)を実現しているが、この4.6Lもまたそうした部分のバランスが非常に高いレベルで実現されている。滑らかな回転感と十分なパワー&トルク、そして今回は試せなかったが燃費もこのクラスとしては相当に良い数字を実現しているはずだ。

■アクセルを床まで踏み込むと、巨体は滑らかに、そして力強く押し出されていく。これまではエンジン回転を上げても静粛性が高く、人によってはエンジンを感じないと思えたのがセルシオだったが、このLSでは巡航状態で静けさが高いものの、アクセルを踏み込んだ時はエンジンの鼓動とサウンドを以前よりも伝えてくれる。つまり、エンジン音を聞かせる努力はなされている。

■組み合わせられる8速ATは実に滑らかな変速を行うため、正直僕はATの存在を感じなかった。トランスミッションは黒子に徹するほど優れていると考えれば、その出来映えは相当のものといえるだろう。ただ、同時に感じたのは他社が用いている6速ATや7速ATと明らかに違う何かがあるか? と聞かれた時、明確な答えを導き出せないこと。強いていえば「スムーズ」ということなのだろうが、それは6/7速ATでも感じることができる。というわけで、僕的には存在を感じないほど滑らか…というのが褒め言葉だ。

■ただそうした印象からか、4.6LのV8エンジンの実力もやや見えづらいところがある。というのも実際にはパワー&トルクは十分にあり、床まで踏めば力強く速いのだが、8速ATのあまりのスムーズさに、そうしたパワー&トルクは体感上では感じにくい。どちらかというと、気付かぬうちにスルスルと、いつの間にか高い車速に達している…という印象だ。

■極めてスムーズなこの感触がレクサスらしいといえばらしい部分といえる。こんな具合でドライブトレーンは実に滑らかな印象で、動力性能的にも不満はないが、やや表現が控え目過ぎるように思えた。

■ただ試乗場所はザルツブルグの公道…そう考えると、もしこれが日本の道であったなら、もう少し違う印象を覚えるのではないか? と思えたのも本音である。
by ism-premiumcar | 2006-08-31 23:49 | レクサス

レクサスLS460(欧州仕様プロトタイプ)試乗その3

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■外から眺めた時には「レクサスらしさ」を感じることができたLS460だったが、一方でドアを開けてコックピットに収まってみると、インテリアのデザインには正直「らしさ」を感じることができなかった。

■というのもまず、全体的に漂うのは「トヨタ的」な雰囲気。確かに質感も高く高級車に相応しいインテリアであるが、デザイン的にはとてもオーソドックスで、これまでのセルシオの延長にある世界…と思えたのが本音。もっともセルシオは既に海外ではレクサスLSの名で販売されるから、今回のインテリアは海外から見ればLSの正常進化版として受け取ることができるだろう。が、我々日本人としては昨年から日本展開された新たな高級ブランドのフラッグシップだけに、そこにトヨタ・セルシオとは異なる、新たな創造がなされていることを自然と期待してしまう。

■そうした想いでLS460のインテリアを見ると、正直寂しい。もっと厳しく言えば、トヨタのそれと何が明確に異なるの? と問いたくなる感すらあるのだ。個人的にはインテリアにおいてもデザイン的なレクサスらしさを存分に表現してほしかった。特にレクサスは、「従来の高級車とは異なる価値観」で勝負するブランド…そう考えるとインテリアでオーソドックスなものを展開するのではなく、デザインまで含めて新たな価値観を提供して欲しかったと思えたのだ。

■例えば写真からも分かるように、シフトレバーは最もポピュラーな位置にある。が、既にライバルであるSクラスや7シリーズは、この位置にシフトレバーを置くことを辞めている。だからといってLSもステアリングコラムにシフトレバーを…とはいわないが、こうした部分で何か斬新で機能的なものを盛り込んで欲しかったと思えるのだ。

■こんな具合でインテリアに関しては、非常に高品質ではあるものの、世界観を表現するまでに至っていない…そんな風に思えたのだった。

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by ism-premiumcar | 2006-08-31 22:23 | レクサス

レクサスLS460(欧州仕様プロトタイプ)試乗その2

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■今回の試乗車はLSの主力モデルとなるLS460。新開発となる4.6L(=4608cc)のV8を搭載し、これに世界でも最も多段となる8速ATを組み合わせる。最高出力は380ps/6400rpm、最大トルクは50.0kgm/4100rpmで、車両重量は1945kg。前後マルチリンクとなるサスペンションは構成パーツのほぼ全てがアルミ製で、自動ハイトコントロール付きエアサスペンション。車両姿勢コントロール(VPC)付き減衰力制御サスペンション(AVS)を採用する。タイヤ&アルミホイールは標準で235/50R18だが、今回はオプションの245/45R19を装着する欧州仕様のスポーツも用意されていた。

■ステアリングはギア比可変ステアリング(VGRS)を備え、これによってギア比は18インチ装着車では11.-18.6とされ、19インチ装着車では11.7-16.7の間で速度などによってギア比が変わる仕組みとなっている。

■最高速度は250km/hでリミッターが作動。0-100km/h加速は5.7秒という俊足を誇る。
by ism-premiumcar | 2006-08-23 10:38 | レクサス

レクサスLS460(欧州仕様プロトタイプ)試乗その1

■ウィーンからザルツブルグへと向かう早朝の機中で、ひとつの言葉に思いを巡らせていた。
「レクサス・ショック」…1989年に登場したレクサスLS(日本名:トヨタ・セルシオ)が、ライバルよりも低価格ながら高い品質感と静粛性を備え、メルセデス・ベンツやBMWといった高級車メーカーを慌てさせたことで、そんな言葉が生まれたのだと伝え聞く。

■そうして時は過ぎ、レクサスは昨年ついに日本での展開を果たした。同時にレクサスはブランドそのものを仕切り直し、GS、ISといったモデルを新世代へと移行させた。そして今回、レクサスというブランドの発端になったともいえるLSを新世代モデルへと移行させたわけだ。LSは以前から「レクサスの本命」といわれるモデル。相当に注力されたモデルであることは明らかである。ならば新型LSは再び、「レクサス・ショック」を与えてくれるのだろうか? そうしてザルツブルグの空港に降り立った。
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■空港に着くと、奇しくも僕を待ち受けていた送迎車は新型LSの最大のライバルであるメルセデス・ベンツSクラスだった。後席に座り、試乗会場であるホテル・シュロス・フーシェルを目指す。Sクラスの後席は、座った瞬間から旅の疲れを癒してくれる。果たしてLSはどうだろうか? そうして会場となるホテルに着いたのだった。
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■リアルワールドで初めて目にするLSは、まず見た目において高級車らしい佇まいを感じさせてくれた。メリハリのある明確なキャラクターラインを与えて存在感を主張する最近のメルセデス・ベンツやBMWとは明らかに一線を画す雰囲気を漂わせている。明確なキャラクターラインではなく、面を滑らかに見せる辺りが独特の雰囲気を醸し出すのだろう。GSやISではいまいち「らしさ」がないと思えたデザインは、このLSで見事完成されたように思える。

■新型LSはデザインではもちろん、その他全てを一新しているレクサス渾身のプロダクトである。事実LSのプロダクト・コンセプトでも、
・先代LSの主要コンポーネントをキャリーオーバーしない、妥協なき開発ポリシー
・レクサスブランド設立以来最も重要な開発プロジェクト
・エンジニアリングの基本を見直し、人を中心に据えた開発コンセプト「challenging Automotive Evolution」
を謳っている。
こうしてLSを真のフラッグシップとするため、ゼロから開発をスタートすることで妥協のないクルマづくりにより理想のクルマを追求したのだという。
レクサスのブランド・フィロソフィーの基本となる「完璧への飽くなき追求」を原動力に、「challenging Automotive Evolution」という新たなコンセプトの元LSを開発。そして人を中心に据えた技術・エンジニアリング・生産技術を究極に高め、「高級」という概念を塗り替えることを目指したという。

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by ism-premiumcar | 2006-08-22 23:25 | レクサス

VW Phaeton -日本未発売のVWフラッグシップ-

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■写真のクルマをご存じだろうか? これはVWのフラッグシップ・モデルである「Phaeton(=フェートン)」と呼ばれるモデル。メルセデス・ベンツSクラスやBMW7シリーズと同格にある同社の最高級サルーンだ。

■まだVWの代表がDr.ピエヒだった時代、VWは最も小さなルポからこのフェートンまでを、相当にハイクオリティに作り上げる戦略をとっていた。もっともそれによってVWは近年の欧州において後退したわけだが、理想家ともいえるDr.ピエヒの想いが存分に詰まったモデルだけに、やはり実際に触れると唸らされるものがある。フェートンは商業的には成功を収めていない(とはいえ現在は好調になりつつあるという)が、製品としてはとても高い志を持って自動車を作った証が存分に感じられる。そんなモデルだ。

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■しかも驚きなのは、VWは当時このフェートンを組み立る工場を、旧東ドイツのドレスデンの街中に作ってしまったこと。この工場は「グラス・ファクトリー(=ガラスの工場)」と呼ばれ、写真のように「魅せる」工場になっている。1台のクルマの組み立てだけに、これほど凝った工場を作り上げてしまう辺りに、当時のVWがいかに勢いに満ちていたかがうかがい知れるというものだ。

■そしてもちろん現在でもこの工場では生産が続けられており、日に35台のフェートンが生産される。この他に同じグループであるベントレーの4ドア・セダン「フライング・スパー」も日に5台が生産される。1日にわずか40台を作るための工場…とても贅沢だ。

■しかもこの工場は納車も行っており、現地では顧客の約3割がこの工場に自分のクルマを受け取りに来る。そのために、この建物の中にはラウンジはもちろん、キチンとしたレストランやショップまでが併設される。もちろんオーダーにも対応しており、専用のサロンで実車を見ながらボディカラーやインテリアのマテリアルまでをきめ細かにオーダー可能だ。

■現在、フェートンの販売の主力はV6TDI(ディーゼル・ターボ)を搭載したモデルとなっているが、この他に頂点のエンジンとしてDr.ピエヒ肝いりともいえるW型12気筒エンジン搭載モデルも用意される。他にも強烈なスペックを誇るV10TDIも用意される。

■工場を見て思い出したのは、かつてホンダがNSXを生産していた栃木県の高根沢工場だった。あそこはもちろん、ここまで「魅せる」作りではなかったが、中のラインで行っている作業はかなり近いものだったといえる。ホンダも当時さすがにここまでは考えつかなかっただろう。

■グラス・ファクトリーは見る者に、VWグループの圧倒的な力を感じさせる…そんな建物である。そしてクルマ好きの人気はあまり得てないフェートンだが、この工場を訪れると確かに他の高級サルーンに負けないプレミアム性があることを痛感させられるのもまた事実である。

■日本では今年、レクサスのフラッグシップ・サルーンであるLSが登場するが、僕はレクサスもこのくらいのことをしてみてはどうか? と思う。VWを遙かに凌ぐトヨタの力を持ってすれば、こうした施設を建てるのは朝飯前だろう。それに何より、現状で足りていないトヨタおよびレクサスへのリスペクトも向上するのではないだろうか?
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■これがグラス・ファクトリーの全景…あまりに圧倒的、人によっては眉をひそめるかもしれない。が、ここまでしてもまだSクラスや7シリーズの築いてきたブランド性には及ばないものがあるのだろう。ならばレクサスもまたしかり、である。
by ism-premiumcar | 2006-07-04 00:46 | フォルクスワーゲン