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ライフスタイルーデジタルフォト ismコンシェルジュ:伏見行介 板見浩史


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フォトグラファー伏見行介とフォトエディター板見浩史がおくるデジタルフォト情報。
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銀座メゾンエルメスでよみがえる「木村伊兵衛のパリ」

写真界の有望な新人に贈られる木村伊兵衛賞は、文学界でたとえれば、さしずめ芥川賞ということになるだろうか。1975年に朝日新聞社の主催で始まった同賞は、古くは藤原新也、岩合光昭、三好和義、中村征夫、星野道夫ら、いまでは揺るがない評価を得た作家たちを輩出し、近年ではホンマタカシ、蜷川実花、佐内正史、オノデラユキといった新しい才能を世に紹介し続ける権威ある賞といっていい。

木村伊兵衛は土門拳と並んで、日本の戦前から戦後にかけての近代写真に大きな足跡を残した写真家で、ライカをはじめとする小型カメラの機動力を駆使したスナップ写真の名人として知られている。大正のアマチュア時代を経て、戦前は花王石鹸などの広告写真やポスター、画家や作家の肖像写真、また戦時中は対外国向けの宣伝グラフ誌『FRONT』のカメラマンとして、報道写真や商業写真の先駆けとして活躍した。

戦後は、秋田の農村や、上野・浅草といった下町をおもなテーマとして精力的に撮影を開始する木村伊兵衛は、写真雑誌『アサヒカメラ』を中心に作品を発表し、『フォトアート』誌では土門拳とともに月例フォトコンテストの審査を務め、全国の写真愛好家にとってのカリスマ的存在として、いまも多くの信奉者を持つ不世出の写真家である。

その木村伊兵衛が半世紀前に撮影したパリの写真が、銀座メゾンエルメス8Fフォーラムで10月28日から展示され話題を呼んでいる。1954年と55年の2度にわたってパリを訪れた木村のこの作品は、1974年に『木村伊兵衛写真集 パリ』として発刊。それが2004年のアルル国際写真フェスティバルで再評価され写真展が大好評を得たことを機に、このほど朝日新聞社から新たに再構成され『木村伊兵衛のパリ』として上梓された。本展覧会は、その写真集に収録された170点にも及ぶカラー作品から、約100点を厳選して展示されるもの。
銀座メゾンエルメスでよみがえる「木村伊兵衛のパリ」_d0083899_1571091.jpg

写真集「木村伊兵衛のパリ」

なんといっても見所は、50年以上も昔に撮影されたとは思えない、いきいきとしたパリの情景描写。特に、夕焼けに染まるコンコルド広場を捉えたシーンは、エルメスの2006年のテーマである「エール・ドゥ・パリ(パリの空気)」をあますところなく伝えていて本展覧会の象徴的な作品となっているが、自身も東京下町生まれで人物スナップをもっとも得意とする木村が本領を発揮するのは、やはりパリの下町メニルモンタンをはじめとする、ごく普通の街角で撮られた庶民の生活や素顔のショット。まさに水を得た魚のような活写ぶりからは、まだ一般人の海外旅行が不自由だった時代に、その制約をはなれて異国を自由に撮影ができることの喜びが感じられ、写真家の息づかいさえ聞こえてきそうだ。

銀座メゾンエルメスでよみがえる「木村伊兵衛のパリ」_d0083899_1572255.jpg

 パリ祭 メニルモンタンの職人町(1955年)
 Photo:Kimura Ihei ©Kimura Naoko


このパリ撮影旅行が、木村とアンリ・カルチェ=ブレッソン、そしてロベール・ドアノーという、日本とフランスを代表する写真家同士の出会いの場となったことも、ひとつのエピソードとして見逃せない。特に尊敬と共感の対象であったブレッソンとの交流によって、木村はその後さらに自らの方向性を確信し、写真家としての地歩を固めてゆくからだ。

銀座メゾンエルメスでよみがえる「木村伊兵衛のパリ」_d0083899_1573254.jpg

 チーズ屋 ブロアの露店(1954年)
 Photo:Kimura Ihei ©Kimura Naoko


木村は撮影にあたって、当時まだ珍しかった国産のフジカラーフィルムをニコンS型とライカM3に詰めて使用している。フィルム感度はまだ低く、路地裏などに入るとシャッタースピードはわずか1/10秒などということはざらだったらしい。当然、ブレも発生しやすくなる。しかし、そうした当時の技術的な限界のなかで、少しも色褪せない「パリの空気感と素顔」を写しとめ、いま僕らの目の前に見せてくれる木村伊兵衛という写真家の存在を、写真ファンとしてあらためて誇らしく感じる。

銀座メゾンエルメスでよみがえる「木村伊兵衛のパリ」_d0083899_1574499.jpg

 楽屋裏のモデル達 (1954年)
 Photo:Kimura Ihei ©Kimura Naoko


展示作品はクリアなインクジェットプリントによって再現されている。会場の空間デザインを担当しているのは新進気鋭のインダストリアルデザイナー、コンスタンティン・グルチッチ。50年という時の流れを経て、エルメスと木村伊兵衛が、古いカラー写真とデジタルが、そして銀座とパリが…ひとつに融合する。古いものと新しいものを常に混在させながら悠久の時代を生き抜いてきた都市「パリ」。何かに憑りつかれたように写して止まなかった木村伊兵衛の眼を通して、その香りに触れることのできる、きわめて魅惑的な写真展だ。

「木村伊兵衛のパリ」
●2006年10月28日(土)~2007年1月21日(日)
会期中無休(但し12/30~1/2、1/17は除く)
11:00~19:00(入場は18:30まで)
●メゾンエルメス8Fフォーラム
 東京都中央区銀座5-4-1
●入場無料
# by nikondigital | 2006-11-27 15:08 | ピックアップ | Comments(189)

「F」の伝説と、本格的な一眼レフ時代の到来。

1950年代も後半になると、新しいタイプのカメラが登場してくるようになってきた。「フォーカルプレーンシャッター式一眼レフカメラ」、つまり現在主流となっている一眼レフの基本形である。簡単にいうと、それまでの二眼レフのように、ピントを測距するレンズと実際に撮影するレンズが別ではなく、ひとつのレンズを通してピント合わせも撮影も行なうタイプのカメラのことだ。

広角から望遠までさまざまな種類の交換レンズを自由に駆使できるというメリットは、その時代すでに高い完成度を誇っていたレンジファインダーカメラの便利さをも超えて、なおあまりあるものであった。特に、ファインダーで見たままの画像がパララックス(視差)なしに撮影できることや、遠くのものを引寄せて撮影することのできる望遠レンズの使用が有利な点などは、その後マスメディアが拡大し、ますます需要の増えていく報道写真をはじめ、スポーツ写真や動物の生態写真などの撮影には欠くことのできない機能だといえた。

そうした背景のもと、1957(昭和32)年以降、国内のおもなカメラメーカーから一眼レフカメラが次々と発売されるようになる。発表当初からプロの報道カメラマンのみならず、表現派のフォトグラファーたちからも絶賛され愛用される「ニコンF」が登場したのは、2年の開発期間を経たのちの1959年のこと。

製品名の「F」は、レフレックス(Re-Flex)、つまり反射ミラーを利用する一眼レフの総称からとられた。現在のデジタル一眼シリーズの系譜にも連綿と続く「F」の称号を最初に与えられた、いわばニコンのカメラDNAの原基とも言える伝説の機種だ。亀倉雄策のデザインによる直線基調の力強いボディ外観は、のちに通産省「グッドデザイン商品」(1966年)に選定されるほど美しい機能美を備えていた。
「F」の伝説と、本格的な一眼レフ時代の到来。_d0083899_1233532.jpg

カメラにとってそのスタイルが「美しい」というのは大切な要素である。それは飾り物としての美しさなどでは、もちろんない。円滑な操作性を実現するために、高度な人間工学を駆使してレイアウトされたダイアルやレバーの形状、精緻な金属加工技術で再現されたボディーラインやロゴマークなどは、その内部メカニズムへの信頼性とあいまって、フォトグラファーたちの撮影意欲を高揚させるという意味で、創造する写真の質に大きく貢献するからである。

一方で、ニコンのカメラの特長のひとつでもある堅牢性は一眼レフにおいても受け継がれた。1963年に編成された米エベレスト遠征隊の調査記録用カメラにはニコンFが採用されている。地球上でももっとも過酷な状況に絶えうる当時唯一のカメラとしてである。

1964年、東京オリンピックが開催されると、報道写真で使用されるカメラは一眼レフがいよいよ主流となり、国立競技場のスタンドは超望遠レンズを装着した一眼レフを構える国内外の新聞社や雑誌のカメラマンたちであふれた。そして、選手たちの躍動する肉体の動きや、迫力に満ちた表情を克明に捉えた写真が新聞や雑誌の誌面を大きく飾った。
「F」の伝説と、本格的な一眼レフ時代の到来。_d0083899_12331638.jpg

当時、一般の家庭ではカラーテレビが普及し始めたころだったが、一瞬を写し留めるスティルフォトの力はやはり何といっても大きい。多様なレンズやストロボの使用を可能にするシステムカメラとしての一眼レフの発達は、写真の記録性と表現領域を大きく広げ、フォトジャーナリズムの世界に恩恵を与えたといっていいだろう。

それを反映するかのように、1960年代の国内の写真界も多産である。1963年に細江英公が三島由紀夫を撮った『薔薇刑』で世に衝撃を与え、翌年には荒木経惟が『さっちん』で第1回太陽賞を受賞、さらに翌年には立木義浩が『舌出し天使』を、67年には森山大道が『にっぽん劇場』をそれぞれカメラ毎日に発表するなど、ほかにも現在の写真シーンを牽引する多くの写真家たちが実質デビューを果した時代でもあった。

忘れてならないデビューもある。1966年6月29日、ビートルズが日本にやって来る。到着前の雨に濡れた滑走路、ヒルトンホテルでの記者会見、武道館での演奏風景から離日の瞬間までの100時間を密着し、みずみずしい映像感覚で撮影した浅井愼平のデビューである。

ジョンやポールの飾らない自然な表情はもちろん素敵だったが、飲みかけのままのティーカップ、灰皿に残った吸殻、脱ぎ捨てられたブーツ…そんなシーンでも、思い入れと撮り方によってはかけがえのない「作品」になるということを、これらの写真は僕たちに教えてくれたのだった。

今年、ビートルズ来日40周年を記念して、その浅井慎平写真展が銀座で開かれた。ビートルズの音楽は40年の間にすっかりスタンダードになり、ジョン・レノンもジョージ・ハリソンも故人となったが、写真はまだ微熱を帯びているような気がした。会場の片隅の、撮影に使われた機材を展示するガラスケースの中に、ニコンFブラックボディがさりげなく、しかも少し誇らしげに置かれていたのが印象的だった。
# by nikondigital | 2006-11-21 12:34 | ヒストリー | Comments(1)

スーパーデータ  raw

性能のraw(ロウ)か、便利さのjpeg(ジェイペグ)か・・・
今回は、ちょっと専門的なデータのお話です。
前回のライフ編の万年筆のイメージ写真は、rawデータで撮影して、rawデータ現像ソフトで現像をし、画像処理ソフトで手をいれて完成させました。
これまでの、車編や女の子編では、jpegというデータで撮影していたのですが、万年筆の撮影は光るペン先から、黒い背景まで明暗さが大きいので、高性能のrawデータで撮影しました。
rawデータで撮影できるのが、一眼レフカメラの特徴の1つです。コンパクトタイプのデジタルカメラでは、rawデータで撮影できるカメラは、殆どありません。
では、rawデータというのは、どういうデータなのでしょうか?
rawを辞書で調べると「生」とか「未加工」とかの意味があるようです。
その意味どおりraw形式のデータは、カメラの受光素子からストレートに得られる、加工されていない生のデータです。
受光素子の性能をそのまま反影する高性能のデータなのですが、そのままではPCで見られる一般的な規格のデータになっていません。
PCで見られるデータにするには、専用のソフトを使って生のデータを変換して、PCで見られるデータにする必要があります。

ではjpegというデータはどういうデータでしょうか?
デジタル関係で扱う画像の種類では、最も一般的なデータです。コンパクトデジタルカメラのデータも、携帯電話に付いているカメラのデータもjpegです。windowsのPCでも、Macでもjpegデータの画像は、そのまま見られます。
また、カメラ屋さんでデジタルカメラのデータからプリントの注文をするときも、PCからインターネットを通してプリントを注文するときも、コンビニ等でセルフサービスでプリントできる機械でもjpegデータでしたらOKです。jpegは幅広く使用できる便利なデータですが、欠点も少しあります。それは、jpegは圧縮してあるデータなので、圧縮率を高くするとデータの容量を小さくできますが、画質が劣化します。また、画像処理等を繰り替えして保存操作を繰り返すと画質が劣化するという欠点もあります。どんなに優れたjpegデータでも、jpegの規格を越える事はないのです。

現像液
先ほど、rawデータは専用のソフトを使って生のデータを変換して、PCで見られるデータにする必要があると書きましたが、そのソフトにも種類があります。モノクロフィルムの現像をしたかたなら、おわかりだと思いますが、モノクロフィルムの現像液にも何種類かあるのと同じ事です。
多くのraw現像ソフトがありますが、私はカメラメーカーの純正ソフトを薦めます。その訳は、先ほど「raw形式のデータは、カメラの受光素子からストレートに得られる、加工されていない生のデータです」と書きましたが、ここに1番の「訳」があります。
カメラを作ったメーカーなら、一般には公開しない受光素子からの詳しいデータまで反影できる現像ソフトを作れるので、カメラメーカー純正ソフトが良いと思います。

caputure NX
このシリーズはNikon D200で撮影していますので、raw現像ソフトは純正のフォトフィニッシングソフトウエア caputure NX(キャプチャーNX)を使用しました。このソフトはヨーロッパを代表する、映像・写真関連のEISAという賞を受賞しています。いろいろな事ができますが、U POINTテクノロジーという操作方法が便利です。
rawデータで撮影した場合と、jpegで撮影した場合の操作の流れを、図にしてみました。
スーパーデータ  raw_d0083899_11564667.jpg
※Rawデータ→raw Jpgデータ→jpeg Tifデータ→tiff

両方のワークフローに、tiff(ティフ)データというのがありますが、このデータ形式も、PCや画像処理でよく使われるデータ形式です。
tiffデータは主に画像処理や、デジタルデータを印刷の原稿として使用するときに使用します。
tiffのデータ容量は、圧縮していないのでJpegより大きいですが、画像処理をして保存を繰り返しても画質が劣化しないので、jpegで撮影したデータを画像処理する時には、画像処理ソフトでtiffに変換して作業を進めます。

①はcaputure NXを使用したときのワークフローです。
rawデータをtiifという規格にする前に、画像処理をするので良質のデータが得られ、良質のtiffデータを画像処理ソフトで修正するので、良いデータが得られます。

②はjpeg規格の画像をに変換して、画像処理ソフトで、沢山いじるので、①で得られるデータよりは劣ります。

作業開始
スーパーデータ  raw_d0083899_1157888.jpg
上が、caputure NX の画面です。ブラウザー機能もありますし、ヒストグラムも見えます。
写真1は、何もしないrawデータをWebで見られるjpegに変換したデータです。ペンの金属部分はしっかり写っていますが、全体に暗い写真です。
写真1
スーパーデータ  raw_d0083899_11574431.jpg
まず、撮影情報を開いて全体の調整をします。下はその作業中の画面です。
スーパーデータ  raw_d0083899_1158688.jpg
上の画面では以下の作業をしています。
・コントラスト やや弱め
・色あい    -6
・色温度   capture NX 蛍光灯 4588ケルビン
以上の作業をしたのが、下の写真2です。
写真1に比較して、写真には黒の撮影背景の模様も見えるようになりました。
写真2
スーパーデータ  raw_d0083899_11583553.jpg

次に、capture NX独自のU pointを使用して部分を修正していきます。下は、U Pointを使用しているようすです。
色相、彩度、明るさ、コントラスト、RGB等、かなり細かく調整できます。
スーパーデータ  raw_d0083899_1159088.jpg
次にペン先だけを選択ツールで選択をして、トーンカーブを使って明るさと色を調整します。下はcapture NX上で、その作業をしている画面です。
スーパーデータ  raw_d0083899_11593548.jpg
そして、最後にPhotoshop Elements等の画像処理ソフトで、万年筆の傷やインクの染み等を修正して出来上がりです。
スーパーデータ  raw_d0083899_120261.jpg
上の状態ではわかりにくいので、「使用前・使用後」ではないですが、下の写真の左側は、rawデータから何も調節せずに、jpegに現像した写真の部分アップ、右はcapture NXでアレンジをした後に、jpegに現像し、画像処理ソフトで若干修正した写真です。
その差は一目瞭然です。
スーパーデータ  raw_d0083899_1202912.jpg

以上、ザッとrawデータのアレンジについて解説しました。
皆さんが、ご覧になられているPCのモニター上では、あまり差はなく見えるかもしれませんが、少し大きくプリントしたり、印刷用の原稿として画像をアレンジする時は、rawデータで撮影し、アレンジしたあとにtiffやjpegにしたデータと、jpegで撮影しtiffに変換して画像処理をしたデータとでは、やはりrawデータでの撮影の方が、結果は良いようです。

大切なのは使い分け
rawデータでの撮影の結果が良いといっても、なんでもかんでもrawで撮影していたら、データ容量も増えるし、手間もかかります。
作品として残そうという場合や「ここぞ」という時はrawでの撮影をして、通常のスナップの場合はjpegでの撮影で十分です。
# by nikondigital | 2006-11-15 15:10 | アレンジ | Comments(0)