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ライフスタイルーデジタルフォト ismコンシェルジュ:伏見行介 板見浩史


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フォトグラファー伏見行介とフォトエディター板見浩史がおくるデジタルフォト情報。
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映画や広告に登場したカメラの代名詞としてのNIKON

フォトグラファーを主人公にした映画がいくつかある。ざっと覚えているだけでも、古くはヒッチコックの「裏窓」(1954)、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「欲望」(1966)、フェイ・ダナウエイ主演の「アイズ」(1978)、クリント・イーストウッドがフォトグラファー役で登場して女性に人気を呼んだ「マディソン郡の橋」(1995)、ジュリア・ロバーツ主演の「グッドナイト・ムーン」(1998)などが代表的なところかな。国内でも、前に紹介した戦場カメラマン・一ノ瀬泰造を主人公にした「地雷を踏んだらサヨウナラ」などもあるし、あまりヒットしなかった映画も丹念に調べれば、結構な数にのぼるに違いない。

「裏窓」は、ジェームス・スチュアート扮する骨折したフォトグラファーが退屈しのぎにアパートの窓から覗き見をしていて、偶然おきた殺人事件に巻き込まれていくというストーリー。恋人役のグレース・ケリーの美しさもさることながら、主人公が商売道具のカメラ(ドイツのイハーゲ社製エキザクタ)に望遠レンズを装着して犯人を見張るシーンなどは、クラシックカメラファンにとっても見所のひとつだ。フォトグラファーの正義感に加え、真実を探るカメラとレンズの小道具としての役割が、とても効いていたような気がする。

カンヌ映画祭グランプリを受賞してアントニオーニの代表作のひとつとされる「欲望」は、サスペンスと不条理がミックスされた異色の作品だ。ちなみに原題は「Blowup」で、写真を引き伸ばす意味。ロンドンの売れっ子フォトグラファーが、公園でたまたまカップルを撮影したことをきっかけに、不思議な殺人事件に関わってしまう。ここで主人公の手にいつも携えられているのはニコンF。さまざまなシーンで職業写真家の道具としてリアリティーを演出しているが、主人公が無造作に紙袋に包んだFをロールスロイスのダッシュボードにしまう場面などもあったりして、こんなディテールも気にして観るとちょっと面白い。

ラストシーン、見えないボールでテニスに興じるイカレた若者たちにうながされ、「在るはずのない」ボールを投げ返す主人公。「在るもの」を「写す」ことを宿命とする写真家が自らの存在理由を失う一瞬だ。確かに自分のカメラが写し出した「事件」さえも、実際にあったのかどうか、謎のまま映画は終わる。

一方、大人のフォトグラファーをしっとりと描いたのが、有名な「マディソン郡の橋」。クリント・イーストウッドが制作・監督・主演のすべてを担当して話題を呼んだ作品だ。アイオワ州マディソン郡に点在する屋根付橋を撮影に来たナショナルジオグラフィック誌専属のフォトグラファー、ロバート・キンケイドがヒロインと短くも激しい恋に落ちるというラブストーリーで、そのストイックな展開は多くの女性の共感を得て大ヒットした。

イーストウッドの渋い演技の魅力も大きかったが、カメラファンにはここでもフォトグラファーの仕事のパートナーとしてニコンFがドラマに真実味を与えていたことが嬉しかったものだ。歴史と権威のある雑誌の専属写真家、真面目で誠意ある男のキャラクター、世界中を取材で駆け巡るタフさと機動性…そのイメージのすべてを小さな一眼レフが主人公と共有していた、といったら言いすぎだろうか。原作の時代設定は1965年だから、1970年まで生産されていたFは当時まだバリバリの現役。世界中で「ナイコン」と呼ばれ親しまれたニコンは、もうすでにカメラの代名詞を兼ねていたと言っていいだろう。

余談だが、この映画の封切り直後、映画に使用されたものと同じ機種の中古価格が急騰したという。ただ、これは決して一次的な人気や投機目的ではなく、本当のカメラファンたちにこの映画が名機の存在価値を再び思い出させてくれる、ひとつのきっかけになったのだと思っている。

実はニコンの一眼レフカメラは映画だけでなく、アメリカ企業のシンボルともいえる銀行と航空会社の企業広告にもかつて使われたことがある。どちらも機種はニコンFで、銀行の広告に登場したものはニッコールレンズを大きくデフォルメして新聞記事を映し出している。おそらく、正確でシャープな眼で市場や投資先を見つめています、といった顧客への企業メッセージなのだろうか。
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もう一方の航空会社の広告には、なんと飛行機の手前にFとレンズシステムがずらりと並び、一見するとカメラの広告のようだ。キャッチコピーには「Fly now,sell sooner」とある。すぐ飛びます、より早く売ってください―そんな意味だと思うが、とてもインパクトがある。光学精密機器の粋であるニコンを積荷として前面にPRし、そのイメージを借りながら自社の運航が安全で正確かつシステマチックなことを強調していて、さすが広告のうまいアメリカだと感心させられる。
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これも、広告に登用するカメラの信頼性と知名度がグローバルに認められていることが前提だということは言うまでもない。製品とは単に商品としての価値のみならず、人々の心に「歴史と信頼」―つまり真のブランドという、何ものにも代えがたい新たな価値を生んでこそ本物だからだ。「名機の資格」とはまさしくそれを極めることであり、そのDNAを受け継ぐ者の誇り、と言い換えてもいいだろう。

映画の話に戻ろう。「グッドナイト・ムーン」は、実の母親と新しい母親とが二人の子供をめぐって、対立しながらも最後には理解し支え合うというハートウォーミングなお話。子供たちの新しい母親として、またファッションフォトグラファーとして頑張る主役のジュリア・ロバーツの姿が健気で微笑ましい。この映画にもニコンが出てくるのだが、この時代はすでにデジタル一眼。育児に追われスタジオに遅刻した主人公が、私服のままのくつろぐモデルたちを急いで写し、合成画像処理で服を着せ1時間後には作品に仕上げるという荒業をやってのけるシーンがあった。1998年の封切り当時は、「ウッソー!」と思ったものだが、今では充分リアリティーがある。来るべきデジタル時代の写真の便利さが、当時そんなところにも予告されていた。この映画で使われていたカメラは、その翌年にデジタル一眼レフの最高級機として登場することになるニコンD1の前に開発された、デジタルスチルカメラE2NかE2NSのようだ。
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E2NS
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D1

いま最新のデジタル一眼レフ、フラッグシップモデルのD2XsやD2Hsから初心者用のD40までに連なるカメラたちを、スクリーンの中で垣間見ることができるのは結構楽しい。そのストーリーはもとより、日本のカメラが実は世界のスタンダードになっていることが、さまざまなシーンからも見えてくるところがカメラファンとしては嬉しいのだ。

また、デジタルカメラで写真を撮ることが楽しくなってきた人たちには、映画を観ることそのものもお薦めしたい。なぜなら、きちんとしたカットに基づいて撮り進められる映画のフレーミングは、実に完成度が高く、フレームを意識して見ていると構図や画面構成のとてもいい勉強にもなるからだ。映画を楽しみながら写真が上達するなんて、楽でいいしね。
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グッドナイト・ムーン
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マディソン郡の橋

by nikondigital | 2007-02-05 20:09 | ヒストリー | Comments(3)
Commented by green at 2007-02-08 23:42 x
高校生のときに父に買ってもらったのがF801でした。当時は重たい・・・今でも私には重たいですが懐かしい記憶が蘇りました。久しぶりに子供たちを撮ってみようかなと思います。でも何故買ってくれたんだろう。今でも使いこなせないのに・・・。
Commented by FXで稼ぐ情報商材 at 2008-05-10 23:05 x
こんにちは。「ライフスタイルーデジタルフォト ismコンシェルジュ:伏見行介 板見浩史 : 映画や広告に登場したカメラの代名詞としてのNIKON」の管理人様。いつも面白い情報をありがとうございます。次の更新を楽しみにしてます!
Commented by 株式電子化 at 2008-12-09 00:37 x
F801懐かしいなぁ
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