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フォーカスC-MAX -絶大なる安心性能3-

フォーカスC-MAX -絶大なる安心性能3-_f0040106_1816503.jpg

■すっかり話が動力性能の方に行ってしまったが、ここまでをまとめるとつまり、C-MAXは居住性や積載性に関して日本のコンパクト・ミニバンと互角であり、動力性能は2.0Lクラスとしては平凡…ということになる。で、ずっと引っ張ってきた「絶大なる安心性能」だが、これはハンドリングと乗り心地によって構成される「走り」の部分に感じることができるものなのだ。

■C-MAXを走らせると、すぐに多くの人がファミリーカーらしい乗り心地を感じるだろう。もっともそれは国産ミニバンのソフトな感覚とは異なり、張りのあるしなやかな乗り心地だ。路面の段差などを通過する際には、サスペンションが良く動いて実に見事に段差をいなしていってくれる。これなら長距離のドライブで、ドライバーも乗員も疲れにくいだろうな、と思える乗り心地だ。まずこの点において、C-MAXはとても魅力的な1台だと思える。乗員全員をソフト過ぎる乗り心地で疲れさせるのではなく、適度に締まった乗り心地で目的地まで快適に運んでくれる…そんなイメージだ。

■で、驚きなのはそうした理想的な乗り心地を持つ一方でドライバーが操った時の印象、つまりハンドリングが実に優れている点だ。

■単に、ハンドリングが優れている…と記してしまうと、多くの人はイコールでスポーティと想像するだろうが実は違う。ここでいう「ハンドリングに優れている」というのは、操作に対してクルマがスポーティに(あるいは鋭く)動くということではなく、操作に対して極めて忠実な反応を見せてくれるということ。それは決して素早く動く(=クイック)とかそういうことではないのだ。

■実際C-MAXは街中で操作すると、穏やかで滑らかな反応を見せる。ひと言でいえば落ち着きのある動きをする。操作に対するボディのロールなども決して速い方ではないし、ロールの量も少ないわけではない。だからといってロール速度が遅く、ロール量が大きいという表現も適切ではない。ハンドルを操作する量に対して、自然な速度と量のロールが生まれる。言い換えれば「リニアな反応」を実現しているのだ。

■だから、通常の走行における操作に対しては落ち着きがあり、この点でまず頼もしい感じを与えてくれるのである。この手のクルマの中にはハンドル操作に対して手応え感がなく、頼りない反応をするクルマが少なくない。が、C-MAXは頼もしく信頼できる感触を伝えるのだ。
フォーカスC-MAX -絶大なる安心性能3-_f0040106_1819030.jpg

■と、ここまではとても理想的なハイト系ハッチバック…という印象なのだが、驚きだったのは今回の試乗コースで用意されていたテスト用のトラックを走った時の運動性能の高さだった。

■街中で優れた乗り心地を見せ、ハンドリングも落ち着きあるC-MAXを、用意されたダブルレーンチェンジ・テスト(かつてメルセデス・ベンツAクラスが転倒して騒ぎになったあのテストだ)にかけてみると、とても優れた動きを見せてくれたのだ。

■時速70km/hくらいで進入し、左、右、と連続で相当に速いハンドル操作を行うこのテストは、クルマの運動性能のレベルを白日の下にさらし出す。そんなテストをC-MAXで行ってみると、先の乗り心地や落ち着きはそのままに、素早く安定した反応を見せてくれたのだ。

■ここで先にいった、「リニアな反応」が活きていると分かる。街中でハンドル操作した時には落ち着きある印象を与えてくれる一方で、こうしたエマージェンシー的な操作に対しては素早い反応を見せてくれる。つまり素早いハンドル操作に対しては、クルマの運動が素早く行われる。

■しかもC-MAXがエラいのは、こうした素早い運動をしても安定性が少しも失われないこと。左、右、と速いハンドル操作をするだけに、中にはこらえきれずにスピンするクルマもあるが、C-MAXはリアタイヤが存分に踏ん張って、しっかりと姿勢を作り上げる。

■そうした様は、C-MAXのベースとなったフォーカスと同様の印象。つまり、C-MAXは背高ながらも、背の低いフォーカス同等の優れた運動性能を見せてくれたのである。
フォーカスC-MAX -絶大なる安心性能3-_f0040106_1825215.jpg

■そして僕はこれをして、「絶大なる安心性能」と書いたわけだ。

■なぜこうした運動性能の高さが「絶大なる安心性能」なのか? その心はC-MAXがファミリーカーだからである。僕が常々思うのは、多人数乗車を可能にするクルマやファミリーカーといわれるクルマこそ、高い運動性能を持っていなければならないということ。なぜならこうしたクルマたちは、パーソナルなクルマよりも多くの人の命を乗せて走るからである。ならばミニバンやファミリーカーは、自動車の本質である走りに対して、極めて忠実である必要性があるのだ。

■しかし実際には、室内の広さや快適性を求めすぎて、本質である走り=運動性能を犠牲にしているものも少なくないのが日本のミニバンの現状でもある。よく国産ミニバンの試乗会で走りについて不満を述べると、技術者の中には「走り云々のクルマではないので」とか「ミニバンですから」と答える人がいるが、そうした言葉を聞く度に僕は悲しくなる。さらに悲しいのは、ミニバンで走り云々の話をすると、「ミニバンに走りを求めてもね」という意見を聞くことが多いこと。

■もし自分が家族を乗せて走る…と考えたとき、それらの人は本当にそうした言葉をいえるのだろうか? と僕は思う。

■話がすっかりそれてしまったが、C-MAXの高い運動性能に、僕は感心し「これぞ絶大なる安心性能だ」と感じたのだった。つまりC-MAXは、室内の広さや動力性能で見ると平凡だけど、運動性能に関しては極めて素晴らしい1台であり、ファミリーカーとして一番重要なものは何か? ということを静かに物語っているクルマに思えたのだった。

■お問い合わせ:フォード・ジャパン
by ism-casualcar | 2006-05-30 19:09 | フォード
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