まずは話題の「スパイダーマン3」。
アメリカン・コミックの映画化全盛時代。
一流人間の心の闇と勇気という二面性のテーマはあるものの、しょせんはCG中心のコミクアクション。
CGの金のかけ方、その技術のすごさには舌をまくが、見て行くうちに飽きてくる。
映画がこんな風になって来たのは「スターウォーズ」から。
諸悪の源泉「スターウォーズ」にあり。
もはやウイリアム・ワイラーもビリーワイルダーもジョージ・スチーブンスも遠い時代の巨匠となりしか…。
めちゃくちゃと言えば、「スモーキン・エース!暗殺者がいっぱい」であろう。
ラスベガスのカードマジシャンの暗殺にかけられた100万ドルの賞金に群がって、ベン・アフレック、アンディ・ガルシア、レイリオッタ、その他たくさんの男女が暗躍するのだが、まあ、人を殺し、血を流し、まるでゲームそのもの。
映画がこんなになっていいのかナァ。
むしろ私が推奨したいのは「シューター」。
「デパーテッド」でいい仕事をしたマーク・ウォルバーグ。いよいよ主演作である。
彼は、凄い腕を持ったスナイパー。指令を受けてある要人の警護に身を潜めるのだが、想像も出来ない事実にぶつかる。
しかも謎の人物がもう一人。互いを狙ううちに共にある大きな影にあやつられている事を知る。
このもう一人があの「ワールド・トレード・センター」でニコラス・ケイジと共に長時間生き埋めになった主人公を演じたマイケル・ベーニャ。
この二人がいい。共にこれから要注目。二人のおかげで、この映画が随分面白くなった。
更に脇を固めているのが、「リーサル・ウェポン」のダニー・グローバーと「理由」や「大統領の陰謀」のネッド・ビーティ。「ブロークバック・マウンテン」のケイト・マーラーと来れば、もう嬉しくなる。
物語の煮詰め、謎解きも明解。
これは面白い。
次回、後編に続く
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