・Mgr 菊池

バンドマスター柏木さんです。
コンサートにおけるサウンドプロデューサーは、バンドスタイルの場合はバンドマスター「バンマス」、オーケストラスタイルの場合はコンサートマスター「コンマス」と呼ばれます。
「バンマス」は、ロックやジャズやJ-POPのコンサートでも良く使われるポピュラーな呼び方でバンドのリーダーです。日本語に訳せば「音楽監督」になります。
「バンマス」は他のメンバーの選出、候補曲のリストアップ、曲順の第一案出し、などツアーの企画が立ち上がった早い時期からプロジェクトに参加します。
アーティストの希望や理想、時にはエゴを音楽的な立場から解析し、スタッフやメンバーそしてアーティスト本人を巧くコントロールしなくてはいけません。
また、アーティスト本人が見失いがちになる「観客の気持ち」を常に冷静に持ち続けなければなりません。
確かに、尖って一歩先に進めるからこそ「アーティスト」で有り続けられるのでしょうけれどもオーディエンスを置き去りにしたままでは単なる「前衛芸術の自己満足」でしか有りません。 コンサートは「芸術」で有りながら「エンターテインメント」でなければならないのです。
柏木さんの「それを君のお客が望んでいる?」の問いに、更に深く考え答えを出す葉加瀬の姿を何度も目撃しています。
そして、柏木さんほど葉加瀬との長い付き合いがあれば、僕らも含めて「そこを葉加瀬に強く自覚して欲しい」というポイントで敢えて真逆の事をぶつけ、葉加瀬に「イヤ、違う!」とあえて言わせる!なんて事もしてしまいます。
そこは葉加瀬もわかっていて、家へ帰る車の中で僕と二人になったところで、、、
「あれ、アイツわかってワザと言いやがってんだぜ!チクショウ!」
小さな声でボヤク葉加瀬に二人の強い信頼関係を垣間見る事も多々あるワケです。
それは、柏木さん自身がソロ・アーティストとして葉加瀬と同じ立ち位置に起つ経験をリアルタイムで体感しているからだと思います。
「オレが太郎の現場で出来ているコトが自分のトコでは見えなくなるんだよねぇ」
間違いなく柏木さんは、葉加瀬の事を深く理解するヒトの一人です。
それは喩えるなら、ジョンとポールのように。ミックとキースのように。

「バンマス」はコンサートでのアレンジはモチロン、自分の楽器以外の単音やバランス、葉加瀬のヴァイオリンの音色まで責任をもってジャッジします。
1部が終わり、楽屋に戻る葉加瀬は自分の音場のイメージを抽象的な言葉で柏木さんに伝えます。 それを、柏木さん自身が持つ理想の音と葉加瀬の希望を柏木さんのフィルターを通し2部への着替えをしながら「奥田さん」と修正打合せをします。
ステージ上で演奏しながらも葉加瀬の体調やメンバーの勢い、会場の特性やオーディエンスのリアクション、微妙な違いを嗅ぎ分け感じ取らなければなりません。
そんな重大な責任の重圧を44公演も続ける柏木さんは最強の「バンマス」です。
しかし、そんな柏木さんにも勝てないモノが、、、、、
毎年、秋から冬に行われる葉加瀬のツアー、あれだけの照明に照らされながらも冬の凍てつく寒さは、なぜか柏木さんだけを襲います。
冷えるんだそうです。
足先用カイロ、全て柏木さん用です。
封を開けた途端に発熱する「中敷き5時間タイプ」、包んでじっくり暖める「立体3時間タイプ」、靴に入れるつま先用「滑り止め付きタイプ」、靴下に貼るつま先用「薄型タイプ」。公演地の気温や湿度、ステージの床の質感で使い分けます。
今日のNHKホールは15時開演。比較的暖かな今日は「立体3時間タイプ」でした。

違いの解る男には感じるモノがあるのでしょう!
柏木さんが常にクールでいられる理由が何となく判った気がします。
だって、足先が、、、、、、、