並木麻輝子さんの弟子、並木組が総力あげて取材するTOKYOランチ情報。
カテゴリ
以前の記事
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
最新のコメント
SM好きは必見!隠された.. |
by SMチェッカー at 11:11 |
このテル友で実際に出会ち.. |
by テル友 at 11:28 |
出合いカフェで出会いたい.. |
by 出合いカフェ at 15:28 |
高松宮記念 2011必勝.. |
by 高松宮記念 2011 at 20:33 |
9&DX#HtR, ww.. |
by ギャル動画 at 14:18 |
最新のトラックバック
タグ
ガルボ公式ブログ
【おことわり 】
コメント、およびトラックバックは、エキサイト株式会社にて、当コンテンツへのコメント、およびトラックバックとしてふさわしいか、誹謗中傷や公序良俗に反する内容が含まれていないかどうかを確認いたします。内容により予告なく削除する場合もございますので予めご了承ください。
コメント、およびトラックバックは、エキサイト株式会社にて、当コンテンツへのコメント、およびトラックバックとしてふさわしいか、誹謗中傷や公序良俗に反する内容が含まれていないかどうかを確認いたします。内容により予告なく削除する場合もございますので予めご了承ください。
根津の町並にとけこむ、そこは、時間の流れの異なる、うどん専門店~釜竹~
普段、自分のブログでは、「朝昼晩、三食スイーツ食べてるんじゃないの・・?」
と聞かれるくらい、スイーツを食べない日はありませんが、ご安心ください、ご飯も食べています。
今回、並木組ランチブログの更新を前に、皆さんのこれまでのランチ記録を改めて読み返していたら、あら?「和食」カテゴリーに、まだ投稿がありませんでした。
和食とは!なんてタイムリーなんでしょう!ちょうど、行きたかったお店があったんです。
それは、下町風情あふれる、文京区・根津に昨年10月にオープンした、「釜揚げうどん専門店」の「釜竹(かまちく)」。

少し前に、こちらのお店に、夜、知人達とお訪ねする予定だったたのですが、急な予定のため、残念ながら伺えず・・。
以来、いつ行こうかと、機会を見計らっておりました。
お昼であれば、ぶっつけで行っても入れるかな、とも思ったのですが、いやいや、ここは万全を期して、昼でも予約をお願いできるならそうしよう!と思い直し、早速、お電話を。
すると、「土日は混みあうので、できれば予約をされた方がよいかと思います」とのこと。
テーブル席と掘り炬燵席、どちらが希望か聞かれたものの、ややイメージがつかなかったので、
「・・うーん、どっちにしよう。おすすめはどちらですか?」とお尋ねしたら
「テーブル席はお庭が見えるので、お庭の緑をご覧になられたい方は、そちらになさることが多いです。」と。
掘り炬燵の方が雰囲気があっていいかな、と傾いてもいたのですが、せっかく昼間にお訪ねするし、春のいい季節ですから、それではお庭の見える方にしよう!と決めました。
こうやって、短いやり取りをさせていただく中でも、お店の方のご対応がとても丁寧で、きりっとしていて、とても気持ちよい印象を受けます。
あぁ、これは、ますます期待がふくらみます。楽しみ~。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
不忍(しのばず)通りから、ちょっと入った先に、看板にしたがって歩いていくと、お店を発見・・と思いきや、涼やかな青竹の目隠しの向こうに見える、その不思議な建築に、思わず声を呑んで、見渡してしまいました。
そう。実際、「見渡す」、という表現が、当てはまったのです。
一軒家のお店と思いきや、んん?広いお庭と、かなり不思議な、私のイメージでは、
『千と千尋』に登場する「湯屋」を、ふと想起させるようなレトロモダン調の建物と、一体、どこが境目なのか、わからない・・。

「釜竹」の本店は、大阪府羽曳野(はびきの)市で1985年に創業。
根津のお店は、息子さんが取り仕切っていらっしゃるそう。
中に入ってみると、お店の方のご説明の意味が、わかりました。
奥は、一段高くなった、石造りの土蔵をそのまま活かしたつくりになっていて、その中に、掘り炬燵の席がいくつか。その前側にせり出しているテーブル席が、ガラス越しにお庭を楽しめるようになっています。
土蔵は、明治年間築造とのことで、建物の内側に幾本も見える、黒光りする太い梁が、その歴史を物語ります。
メニューは、釜揚げうどんと、ざるうどん(細打ち・太打ち)の3種類のみで、
それぞれ、大盛りを選ぶこともできます。
おっと、「ねぎの追加:100円」もありました。
それに、利き酒師の資格をお持ちのご主人が選んだ「麺前酒」の数々と、「季節
の肴少々」。これをいくつか選んで、私が釜揚げ、相方がざるの太打ちを、それ
ぞれ注文。二人とも、日本酒は下戸に近いのが、残念ですね・・。
ちなみに、私のパートナーは、大阪生まれ。
大阪の人に、関東のうどんについて語ってもらうと、出汁の味の違いが大きいのか、「あれは、関西のうどんとは違う食べ物」といったような言いっぷりで、なかなか満足がいかないもののよう。さて、そんな彼も気に入ってくれるでしょうか・・。
注文を受けてから麺を刻む、というご説明どおり、歯切れのよい、トントンというリズミカルな音が聞こえてきて、それにつられるように、期待感も否応なく高まって参ります。
順に、つゆ、そして薬味が運ばれて、お待ちかねのうどんが出てくるまで、しばしの時間の猶予が。よく、「うどんは和のファーストフード」なんて言われるけれど、どっこい、そうはいきません。
でも、こんなのどかな休日の昼間、たまにはゆったりと時間をかけて、手間ひまをかけて作られた、極上の食事をいただける。幸せなひと時ですね~。
店内に、本店の様子を紹介した、閲覧用の雑誌記事のスクラップがあり、待つ間、パラパラと眺めておりました。
その中の、『週刊現代』の山本益博さんの記事で、このうどんのために、大阪の本店までわざわざ旅をするに足るといったお言葉を拝読。釜揚げうどんの一杯のために、遠く大阪まで足を運ばれる。その情熱も素晴らしいですが、そういううどんと出会えたことは、とても幸せなことだなぁと思われました。
お庭を共有するような形になっている、隣接する建物は、後から知ったことによれば、老人ホームとのこと。こんな素敵なうどん屋さんが、まるで「離れ」のように隣にあるなんて、うーん、贅沢なホームだなぁ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そうこうするうちに、先ほどお願いした、酒の肴が運ばれてきました。
たこの粕漬け、ごま豆腐、ねぎとかつお。意外なところでは、「レーズン&レパン(レーズンバター詰のパンだそう!)」なんてものまでありました。

こりっ、くにゅっとした噛み応えが癖になりそうな、たこの粕漬けは、
「お土産があったら買って帰りたい・・!」と思わずつぶやいてしまうほど、絶妙な漬かり具合の上品な美味しさ。ご飯にも合いそう~。
うっすらと、緑鮮やかな山葵をひいた、白いごま豆腐の、美しく、繊細な味と、ほんの一口でも存在感たっぷりの、もちもちとした弾力といったら!
店内には、塊から削り節まで、様々な形状のかつお節も販売されているのですが、実は、女将さんのご実家が、かつお節問屋さんでいらっしゃるそう。
友人が、「麺もさることながら、かつお出汁の香りが素晴らしかった!」と絶賛していたのも、なるほど、とうなずけました。
ちなみに、ご主人のご実家は、酒屋さんでいらっしゃるそうで、まさに、「集大成」のようなお店なんですね。
さて、いよいよ、待ちに待ったうどんとのご対面!
ですが、真打登場までに、順に段取りというものがあります。

まず最初に、釜揚げ用のつゆを入れた、大きな徳利が運ばれてきました。
注ぎ口近くに、しめ縄のように太い紐が巻かれているのは、地肌が熱くて持てないためのよう。それにしても、こんなに大きくて重い汁徳利は、初めてです。
そして、薬味。
器一杯の青みの九条ねぎ、揚げ玉、そして、惜しげなくたっぷり使えそうなおろし生姜。
これが、テーブルに出しっぱなしといったことなく、1人1人に専用に出されるのが、なんとも嬉しい。
さて、これだけの準備を整えて、いよいよ、たっぷりの湯の中で泳ぐ、釜揚げうどんの登場です!
うどんは太打ちで、少し白くにごったゆで湯に浮いて、つやつやと、真っ白よりはやや黄色味をおびて、半透明にすけています。

まずは一本、ここはやっぱり、つゆも薬味もつけずに、そのまま口に運びます。
・・・うーん、もちっとしたうどんが、周囲の、ほんのわずかとろっとした食感を残しつつ、口の中で伸びながら、ぷつんと切れるまでの、その心地よいやわらかさ。甘い、小麦粉のやさしい味がします。

つゆは熱く、軽くひたして、はふはふっと一口。
醤油の色をすかして、いっそう、その透明感が美しく引き立ちます。
そのまま、もう二口、三口。
その後、半分くらい一気に食べたところで、薬味にねぎを入れて、一口。
たまに、薬味でねぎの小口切りを使った後、辛味や青臭さがずっと口の中に残ってしまうことがありますが、これは、そんなことはなく、丁寧に一手間かけて、軽くさらしてあるようです。

さらに、揚げ玉を入れて、そして生姜をたっぷり。
揚げ玉が入ると、一気にコクと独特の甘みが加わって、また全然違った味わいになりますね。
出来たての美味しさを一気に堪能し、やっと一息ついた頃、ちょうど相方の、太打ちのざるうどんも運ばれてきていました。
こちらは、見た目、やや量が少ないようにも見えて、男性だとちょっと足りないかしら?とも。
ですが、これまた、つやつやと光る、「美しい」という表現を使いたくなるような、見事な太打ちうどんです。
山本益博さんが、コラムの中で、こちらを「デュラムセモリナのパスタ」にたとえていらっしゃって、そうはいっても、うどんだし、さすがにセモリナとまではいかないんじゃないのかな?と思っていたのですが・・。

味見させてもらって、見事なまでに、そんな思いが覆されました!
デュラムセモリナとは・・・言い得て妙!うん、わかります。まさにそういう感じ!!
釜揚げとは、これまた全然食感が異なり、きゅっと締まった感じで、モチモチ、しこしこして、そのコシの強さといったら、想像以上でした。
彼も、「うん、なんとなく、大阪のうどんって感じやな。」と。最近、東京でも多く見られる稲庭や讃岐うどんとは、やっぱり、ちょっと違うものに感じてくれたようです。
「釜揚げうどん専門店」なので、ちょっと申し訳ないかもと思いつつ、私は、このざるうどんの美味しさに、すっかり魅せられてしまいました。
こちらのつゆは冷たく、釜揚げ用よりも、少し味が濃いようにも思われたのですが、温度の違いによったのかも知れません。
でも、それなら、細打ちのつゆは、どうなんでしょう?おそらく、細い分、つゆが絡みやすいので、太打ちと同じではないような気もするのですが・・。
今度はぜひ、細打ちのざるも、食べに来たいと思いました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そして、帰り際に、本店で女将さんの手作りが人気という、ちりめん山椒を、お土産に。
「バタバタしていてすみません!土日は、やっぱり混んでしまって・・平日だと、全然すいてるんですよ。」と、お店の方は申し訳なさそうにおっしゃいますが、混んでいるといっても、決してあわただしさを感じさせない、ゆったりした時間の流れは変わらない、とても不思議な空間でした。
御礼と、またぜひお訪ねしたいとお伝えして、そして、もう一度、この素敵な土蔵造りの建物を振り返りつつ、根津の町を後にしたのでした。

その日の夜、さっそく、お土産のちりめん山椒をあけて、土鍋で炊いたご飯にかけて、いただいてみました。青々とした山椒の実。大好きなので、あら、もっとたくさん入っていてもいいくらいなのに・・と思ったものの、一口食べてみたら、想像以上に、全体に山椒の清々しい香味が行き渡っていて、あぁ、すごい、美味しい・・・。
ランチから、夕飯まで幸せをおすそ分けしてくれた、素敵なお土産でした。
また、ぜひともお訪ねしたいです!
今度は、甘鯛の干物と、ねぎ焼きを肴に、できたら、日本酒党の友人と一緒に・・かな。
【DATA】
〒113-0031
東京都文京区根津2-14-18
Tel: お店のご都合により掲載いたしません
営業時間:
火曜~土曜 11時から14時 17時から20時
日曜・祝日 11時から14時 16時から19時
手打ちのため、うどんが無くなり次第閉店となります
(文責:平岩理緒)
と聞かれるくらい、スイーツを食べない日はありませんが、ご安心ください、ご飯も食べています。
今回、並木組ランチブログの更新を前に、皆さんのこれまでのランチ記録を改めて読み返していたら、あら?「和食」カテゴリーに、まだ投稿がありませんでした。
和食とは!なんてタイムリーなんでしょう!ちょうど、行きたかったお店があったんです。
それは、下町風情あふれる、文京区・根津に昨年10月にオープンした、「釜揚げうどん専門店」の「釜竹(かまちく)」。

少し前に、こちらのお店に、夜、知人達とお訪ねする予定だったたのですが、急な予定のため、残念ながら伺えず・・。
以来、いつ行こうかと、機会を見計らっておりました。
お昼であれば、ぶっつけで行っても入れるかな、とも思ったのですが、いやいや、ここは万全を期して、昼でも予約をお願いできるならそうしよう!と思い直し、早速、お電話を。
すると、「土日は混みあうので、できれば予約をされた方がよいかと思います」とのこと。
テーブル席と掘り炬燵席、どちらが希望か聞かれたものの、ややイメージがつかなかったので、
「・・うーん、どっちにしよう。おすすめはどちらですか?」とお尋ねしたら
「テーブル席はお庭が見えるので、お庭の緑をご覧になられたい方は、そちらになさることが多いです。」と。
掘り炬燵の方が雰囲気があっていいかな、と傾いてもいたのですが、せっかく昼間にお訪ねするし、春のいい季節ですから、それではお庭の見える方にしよう!と決めました。
こうやって、短いやり取りをさせていただく中でも、お店の方のご対応がとても丁寧で、きりっとしていて、とても気持ちよい印象を受けます。
あぁ、これは、ますます期待がふくらみます。楽しみ~。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
不忍(しのばず)通りから、ちょっと入った先に、看板にしたがって歩いていくと、お店を発見・・と思いきや、涼やかな青竹の目隠しの向こうに見える、その不思議な建築に、思わず声を呑んで、見渡してしまいました。
そう。実際、「見渡す」、という表現が、当てはまったのです。
一軒家のお店と思いきや、んん?広いお庭と、かなり不思議な、私のイメージでは、
『千と千尋』に登場する「湯屋」を、ふと想起させるようなレトロモダン調の建物と、一体、どこが境目なのか、わからない・・。

「釜竹」の本店は、大阪府羽曳野(はびきの)市で1985年に創業。
根津のお店は、息子さんが取り仕切っていらっしゃるそう。
中に入ってみると、お店の方のご説明の意味が、わかりました。
奥は、一段高くなった、石造りの土蔵をそのまま活かしたつくりになっていて、その中に、掘り炬燵の席がいくつか。その前側にせり出しているテーブル席が、ガラス越しにお庭を楽しめるようになっています。
土蔵は、明治年間築造とのことで、建物の内側に幾本も見える、黒光りする太い梁が、その歴史を物語ります。
メニューは、釜揚げうどんと、ざるうどん(細打ち・太打ち)の3種類のみで、
それぞれ、大盛りを選ぶこともできます。
おっと、「ねぎの追加:100円」もありました。
それに、利き酒師の資格をお持ちのご主人が選んだ「麺前酒」の数々と、「季節
の肴少々」。これをいくつか選んで、私が釜揚げ、相方がざるの太打ちを、それ
ぞれ注文。二人とも、日本酒は下戸に近いのが、残念ですね・・。
ちなみに、私のパートナーは、大阪生まれ。
大阪の人に、関東のうどんについて語ってもらうと、出汁の味の違いが大きいのか、「あれは、関西のうどんとは違う食べ物」といったような言いっぷりで、なかなか満足がいかないもののよう。さて、そんな彼も気に入ってくれるでしょうか・・。
注文を受けてから麺を刻む、というご説明どおり、歯切れのよい、トントンというリズミカルな音が聞こえてきて、それにつられるように、期待感も否応なく高まって参ります。
順に、つゆ、そして薬味が運ばれて、お待ちかねのうどんが出てくるまで、しばしの時間の猶予が。よく、「うどんは和のファーストフード」なんて言われるけれど、どっこい、そうはいきません。
でも、こんなのどかな休日の昼間、たまにはゆったりと時間をかけて、手間ひまをかけて作られた、極上の食事をいただける。幸せなひと時ですね~。
店内に、本店の様子を紹介した、閲覧用の雑誌記事のスクラップがあり、待つ間、パラパラと眺めておりました。
その中の、『週刊現代』の山本益博さんの記事で、このうどんのために、大阪の本店までわざわざ旅をするに足るといったお言葉を拝読。釜揚げうどんの一杯のために、遠く大阪まで足を運ばれる。その情熱も素晴らしいですが、そういううどんと出会えたことは、とても幸せなことだなぁと思われました。
お庭を共有するような形になっている、隣接する建物は、後から知ったことによれば、老人ホームとのこと。こんな素敵なうどん屋さんが、まるで「離れ」のように隣にあるなんて、うーん、贅沢なホームだなぁ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そうこうするうちに、先ほどお願いした、酒の肴が運ばれてきました。
たこの粕漬け、ごま豆腐、ねぎとかつお。意外なところでは、「レーズン&レパン(レーズンバター詰のパンだそう!)」なんてものまでありました。

こりっ、くにゅっとした噛み応えが癖になりそうな、たこの粕漬けは、
「お土産があったら買って帰りたい・・!」と思わずつぶやいてしまうほど、絶妙な漬かり具合の上品な美味しさ。ご飯にも合いそう~。
うっすらと、緑鮮やかな山葵をひいた、白いごま豆腐の、美しく、繊細な味と、ほんの一口でも存在感たっぷりの、もちもちとした弾力といったら!
店内には、塊から削り節まで、様々な形状のかつお節も販売されているのですが、実は、女将さんのご実家が、かつお節問屋さんでいらっしゃるそう。
友人が、「麺もさることながら、かつお出汁の香りが素晴らしかった!」と絶賛していたのも、なるほど、とうなずけました。
ちなみに、ご主人のご実家は、酒屋さんでいらっしゃるそうで、まさに、「集大成」のようなお店なんですね。
さて、いよいよ、待ちに待ったうどんとのご対面!
ですが、真打登場までに、順に段取りというものがあります。

まず最初に、釜揚げ用のつゆを入れた、大きな徳利が運ばれてきました。
注ぎ口近くに、しめ縄のように太い紐が巻かれているのは、地肌が熱くて持てないためのよう。それにしても、こんなに大きくて重い汁徳利は、初めてです。
そして、薬味。
器一杯の青みの九条ねぎ、揚げ玉、そして、惜しげなくたっぷり使えそうなおろし生姜。
これが、テーブルに出しっぱなしといったことなく、1人1人に専用に出されるのが、なんとも嬉しい。
さて、これだけの準備を整えて、いよいよ、たっぷりの湯の中で泳ぐ、釜揚げうどんの登場です!
うどんは太打ちで、少し白くにごったゆで湯に浮いて、つやつやと、真っ白よりはやや黄色味をおびて、半透明にすけています。

まずは一本、ここはやっぱり、つゆも薬味もつけずに、そのまま口に運びます。
・・・うーん、もちっとしたうどんが、周囲の、ほんのわずかとろっとした食感を残しつつ、口の中で伸びながら、ぷつんと切れるまでの、その心地よいやわらかさ。甘い、小麦粉のやさしい味がします。

つゆは熱く、軽くひたして、はふはふっと一口。
醤油の色をすかして、いっそう、その透明感が美しく引き立ちます。
そのまま、もう二口、三口。
その後、半分くらい一気に食べたところで、薬味にねぎを入れて、一口。
たまに、薬味でねぎの小口切りを使った後、辛味や青臭さがずっと口の中に残ってしまうことがありますが、これは、そんなことはなく、丁寧に一手間かけて、軽くさらしてあるようです。

さらに、揚げ玉を入れて、そして生姜をたっぷり。
揚げ玉が入ると、一気にコクと独特の甘みが加わって、また全然違った味わいになりますね。
出来たての美味しさを一気に堪能し、やっと一息ついた頃、ちょうど相方の、太打ちのざるうどんも運ばれてきていました。
こちらは、見た目、やや量が少ないようにも見えて、男性だとちょっと足りないかしら?とも。
ですが、これまた、つやつやと光る、「美しい」という表現を使いたくなるような、見事な太打ちうどんです。
山本益博さんが、コラムの中で、こちらを「デュラムセモリナのパスタ」にたとえていらっしゃって、そうはいっても、うどんだし、さすがにセモリナとまではいかないんじゃないのかな?と思っていたのですが・・。

味見させてもらって、見事なまでに、そんな思いが覆されました!
デュラムセモリナとは・・・言い得て妙!うん、わかります。まさにそういう感じ!!
釜揚げとは、これまた全然食感が異なり、きゅっと締まった感じで、モチモチ、しこしこして、そのコシの強さといったら、想像以上でした。
彼も、「うん、なんとなく、大阪のうどんって感じやな。」と。最近、東京でも多く見られる稲庭や讃岐うどんとは、やっぱり、ちょっと違うものに感じてくれたようです。
「釜揚げうどん専門店」なので、ちょっと申し訳ないかもと思いつつ、私は、このざるうどんの美味しさに、すっかり魅せられてしまいました。
こちらのつゆは冷たく、釜揚げ用よりも、少し味が濃いようにも思われたのですが、温度の違いによったのかも知れません。
でも、それなら、細打ちのつゆは、どうなんでしょう?おそらく、細い分、つゆが絡みやすいので、太打ちと同じではないような気もするのですが・・。
今度はぜひ、細打ちのざるも、食べに来たいと思いました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そして、帰り際に、本店で女将さんの手作りが人気という、ちりめん山椒を、お土産に。
「バタバタしていてすみません!土日は、やっぱり混んでしまって・・平日だと、全然すいてるんですよ。」と、お店の方は申し訳なさそうにおっしゃいますが、混んでいるといっても、決してあわただしさを感じさせない、ゆったりした時間の流れは変わらない、とても不思議な空間でした。
御礼と、またぜひお訪ねしたいとお伝えして、そして、もう一度、この素敵な土蔵造りの建物を振り返りつつ、根津の町を後にしたのでした。

その日の夜、さっそく、お土産のちりめん山椒をあけて、土鍋で炊いたご飯にかけて、いただいてみました。青々とした山椒の実。大好きなので、あら、もっとたくさん入っていてもいいくらいなのに・・と思ったものの、一口食べてみたら、想像以上に、全体に山椒の清々しい香味が行き渡っていて、あぁ、すごい、美味しい・・・。
ランチから、夕飯まで幸せをおすそ分けしてくれた、素敵なお土産でした。
また、ぜひともお訪ねしたいです!
今度は、甘鯛の干物と、ねぎ焼きを肴に、できたら、日本酒党の友人と一緒に・・かな。
【DATA】
〒113-0031
東京都文京区根津2-14-18
Tel: お店のご都合により掲載いたしません
営業時間:
火曜~土曜 11時から14時 17時から20時
日曜・祝日 11時から14時 16時から19時
手打ちのため、うどんが無くなり次第閉店となります
(文責:平岩理緒)
by garbo-lunch
| 2006-04-10 23:13
| 和食
|
Comments(0)