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古きをたずね新しきを切り拓く、モダン・スパニッシュの雄~小笠原伯爵邸~

大名の血脈を継ぐ名家の30代当主、小笠原長幹(ながよし)伯爵の邸宅として昭和初期に建てられたスペイン様式の洋館、『小笠原伯爵邸』。
2002年の開店時には、当時注目を集めていたモダン・スパニッシュを本格的に楽しめる店として話題が集中し、予約の取れない状態に。
そのため、ほとぼりが冷めるのを待ちながら虎視眈々と機会を狙っていたのですが、この度、遂に念願かなって攻め込んで参りました。
ランチは7350円のワンコースという、前回レポートした『レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ』を上回るツワモノでしたが、ええい、ひるむまいぞ!
邸宅の玄関口を入るとエントランスがあり、その先にはウェイティングルーム、さらに奥へ進めばダイニングルームが。
テーブルには席ごとにメニューリストが配置され、表紙の写真は6人分全てが異なっていました。
しかもお持ち帰りのできる紙製で、気が利いてます。

まずは、フィンガーフードのピンチョスが並んだ『歓迎の“ピカエタ”』。
組み合せの妙を追及した一皿です。

創作性に満ちた見た目に反して、意外におさまりの良い味わいでした。
左から、「レンズ豆のスープ イベリコのチョリソーとクルトン」、「野菜ピストと焼きなすのロースト 蜂蜜風味」、手前が「イベリコ豚のテリーヌフライ」、奥「じゃがいものコンフィと蛸 パプリカパウダーとオリーブオイル」、右端は「鰯とアーティチョークのペースト アンチョビ」。
モダン・スパニッシュの革新性の象徴とも言えるスプーン盛りがすっかりポピュラーな存在となった今、スプーン選びに凝るのではなくてグニャリと曲げてしまう遊び心にちょっとニヤリとしてしまいました。
サービスの方が「みんなで徹夜して曲げたんですよ~」と言っていましたが、
そんなアホな(笑)。
前菜は『63℃の卵 イベリコハム 野菜のピューレとトリュフ』。

クリームのようなカリフラワーのピューレが敷かれた上に、63℃で調理されたポーチ・ド・エッグが。
刻みパセリ、世界最高級のブランド豚、イベリコ豚の生ハムがハラリと乗せられて、白トリュフのみじん切りもまた香りを添えていました。
次なる刺客は、『“ラ・マンチャ”のスープ 帆立貝添え』。

スープの真ん中にポッコリと浮かんで見える楕円形のものは、帆立を焼いて荒くたたき、また焼いたもの。
卵白などでつないでいるのかと思いましたが、スプーンでうまく形成して、つなぎは用いていないそう。
コンソメのだしは、単一素材ではないなと思ったら、牛をベースに鶏と豚までも使っているのだとか。
主菜の魚料理は、ヨーロッパで広く食べられているタラを塩蔵にしたものを低温油で煮た、『バカラオのコンフィ ほうれん草のヌーベ ドライトマト』。

塩に漬け込むことでゼラチン質が増えると説明を受けたバカラオは、確かに生のタラ以上にプリップリでした。
フランスで食べた干しダラも、水でもどしてあってふっくらと柔らかくなっており、やはりそのままで食べるよりもおいしいと感じました。
生活の知恵って偉大ですな~。
ちなみに、ヌーベとはイタリア語で言うスプーマ、要するに泡のこと。
モダン・スパニッシュが一般層にまで知られるようになるよりも前に、泡を作り出す機械をあるレストランで見せてもらったことがあるんですが、どのようなものだったのか、ほとんど形状を覚えてません・・;
機会があれば今度はじっくりと、調理工程とともに見てみたいです。
肉の主菜は、『スペイン産イベリコ豚頬肉のバニラ風味煮 パイナップル添え』。

イベリコ豚との感激の再会!
さっきは1枚のスライスに過ぎなかったけれど、今度はゲンコツ大です♪
決して硬くはないながらも、しっかりと繊維を残して赤ワインで煮込まれた頬肉を噛みしめると、鼻腔にはバニラの甘い香りが。
なのに、甘みはないのがなんだか不思議です。
上に乗っているのは苺とリンゴで、それがまた、バニラが誘う味覚と嗅覚の不一致による混迷を深め・・、うう、どこか変な感じ。
かたわらに置かれているのは、焼きパイナップルです。
次に出てきたのは、『マンチェゴ風味のアロス』。
料理の仕掛けに夢中になっているうちに、気がつけばもう六皿目に!

アロスはいわゆるリゾットのこと。
マンチェゴというのはスペイン産のチーズの一種で、パルミジャーノに似たコクのある味がしました。
訊き損ねてしまったのですが、スペイン式のコースでも炭水化物がこのタイミングで出て来るのは一般的なことなんでしょうか。
それとも、日本人向けにしているのかな。
いよいよコースもラストスパートにかかり、『“ラ マンチャ”のパンプディング』
なるデザートのおでましです。

パンプディングと呼ぶには奇想天外なこのシロモノ。
一口食べてみると、カステラのようにキメが細かく柔らかいパンに、しっかりと卵液を吸わせてしっとりと焼き上げてあり、まるで上等な卵焼きのよう。
ソースはキャラメルソースで、見た目より軽やかでした。
巻かれているのは、リンゴを軽く焼いたものです。
彩り鮮やかな『5種のタパス』。タパスとは小皿料理を意味します。

左から「ジェマとココナツ」、「ベリーのアイス」、「ノシジャ」、「フランボワーズとヨーグルトの冷たいスープ・アーモンドクッキーのマドラー」、「カシスのケーキ・ブルーベリーソース」の、以上5種類。
ジェマは一般的なスペイン菓子で、卵黄と砂糖を混ぜ合わせて丸めたもの。
和菓子の生菓子のようでしたが、スペインでこれを食べたという人によると、向こうではマジパンのような粘着質な食感がもう少し感じられたとか。
ノシジャもよく見るお菓子なのだそうですが、今回頂いたものは、バジルの風味づけがされた口溶けの良いチョコレートで、粒塩が振られていました。
チョコと塩とを一体にしないという発想に、新鮮な驚きを感じました。
最近流行りの塩チョコも、モダン・スパニッシュの旗手の手にかかるとこうなるのかぁ、と思わず感心。
締めに現れた『小菓子』にも、モダン・スパニッシュの心意気がふんだんに。

左から「青海苔クッキー」、「オリーブのボンボン」、「ピスタチオのトゥーロン」。
さすがはオリーブ油の世界一の輸出国スペイン、オリーブ風味のガナッシュを閉じ込めたボンボンチョコレートというアイデアには思わず拍手!
トゥーロンはピスタチオがぎっしりと詰まった濃厚な味わいでした。
クリスマスによく食べられる伝統菓子の一つなんだとか。
ここまでを振り返ってみて、新しい調理法や盛り付けを編み出すなかにも意識的に伝統を息づかせる、それがスペイン料理に対する形容としての「モダン」の意味合いなのではないかと感じました。
同じヨーロッパでも、フランスでは素材の特徴をすくい上げ、混ぜ込んで一体化させるような手法を用いたり、多素材を合わせたり、味を複雑化させる傾向にありますが、ひるがえってスペインでは、主に、使う素材の持ち味は全面的に活かして、個々を重ね、やりすぎない、というやり方をするようです。
創造と表現の根幹として、まず料理人ありきなのか、素材ありきなのか、そこに決定的な違いがあるように感じました。
食事の後には、お店の方に、イスラム風のシガールームや藤棚のある屋上など、お屋敷内を案内してもらいました。
雑誌などで見て想像していたよりも大きな敷地ではありませんでしたが、シックななかにも丸みの感じられるデザインで、全体に落ち着いた雰囲気でした。
小笠原伯爵邸は本来は東京都の所有物で、レストランの経営者が修復期間を除いて10年間の賃貸を許可されて修復し、営業しているものだそうです。
ということは、オープンが2002年なので、6年後にはもしかして・・?
実績を認められて貸し出しが継続されるかもしれませんし、先のことはわかりませんが、興味がおありの方は、どうぞ永遠に機会を逃してしまうことのありませんように。
codama+
【DATA】
小笠原伯爵邸 (スペイン料理)
〒162-0054 東京都新宿区河田町10-10 MAP
TEL 03-3359-5830