4月の料理人: foodmood なかしましほ さん プロフィール >>
ふわっとしたシフォンケーキ、やさしい甘さの焼き菓子など、おなかだけでなく、
心も満足できるお菓子づくりをしている、foodmood(フードムード)のなかしましほさん。
料理をはじめたきっかけ、オーガニック素材へのこだわりなどについて、お話を伺いました。
出版から料理の道へ
子どもの頃からお菓子づくりが好きだったというなかしまさん。「出版社で料理本の編集をしたくてやったところ、自分が料理をしたいんだと気がつきました」 25歳からヴェトナム料理店でコックを務め、4年経った頃、転機が訪れます。「すごく不規則な生活をしていて、体調を崩してしまったんです。薬を飲んでもあまりよくならなくて。そこで、根本である食を変えないといけないと思いました」
そしてたどり着いたのが、オーガニックレストラン。「調味料がいかに大事で、おいしいものを使うとどれだけ味が変わってくるかを知り、バターを使わないお菓子をつくるようになったんです。料理に対する考え方は、そこで学んだことが大きいですね」
体調を崩してからはじめた、素材へのこだわり
なかしまさんのお菓子には、オーガニックや無農薬のものを中心に、身体にやさしい素材が使われています。
「体調を崩したとき、お医者さんから薦められて、バターや生クリーム、チーズなどの乳製品をやめたところ、体調がよくなったんです」そうした体験から、乳製品の代わりに豆腐や豆乳を使うようになったのだとか。
「油はお菓子にも使えるなたね油。白い精製された砂糖は使わないようにしています。
必要ならてんさい糖、きび砂糖、メイプルシロップなど、ゆっくり身体に吸収されるもの。なるべく自然の甘み、素材の甘みを基本に考えたいので、お料理では塩で甘みや旨みを引き出して、足りないときにみりんなど、より自然なもので甘みをつけるようにしています」
気になるのは、つくり手が見えるもの
食べものだけでなく、それ以外の服や器などにおいても、なかしまさんが選ぶのは誰が作ったか分かるもの、つくり手の顔が見えるものだといいます。お気に入りは、ご友人のブランド「えみおわす」の草木染めや自然なものを使った洋服。「彼らの作る服はすごくステキで、ストールを愛用しています。以前ほど買いものをしなくなったので、買うときには慎重になりました。自然と作家さんのものが多くなってきましたね」
そんななかしまさんから、毎日のごはんづくりへのアドバイス。「よい調味料を使えば、手をかけず簡単なものでも満足できると思うんです。まずはひとつ、おいしい調味料を探してみてくださいね」
なかしま しほさん
音楽・出版関係の仕事を経て料理の道へ。ヴェトナム料理店やレストラン「キヨズ・キッチン」で厨房を担当。その後、オーガニックカフェのオープニングやフードコーディネートに携わる。現在は「foodmood(フードムード)」の名で、お菓子の製作やレシピ提案を行い、毎年冬の初めには、編み物作家の姉、三國万里子とともに「長津姉妹店」というおやつと編み物のイベントを開催。著書に『もっちりシフォンさっくりクッキーどっしりケーキ』『チョコおやつ』(文化出版局)、『まいにち食べたい“ごはんのような”シフォンケーキの本』(主婦と生活社)。http://www.foodmood.jp/
by foodfile
| 2009-04-30 00:08
| 料理家