2017年 03月 27日
ファイナンシャルプランニング公式ブログ読者のみなさん、こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの 松原 季恵 です。
今日が楽しくなるお金の情報をお伝えしています。
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お金がかかる不妊治療。みなさんはどのようにお金を準備していますか?
NPO法人Fine(現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会)が発表しているアンケートデータでは、回答者の約4分の1が通院開始から100万円~200万円の治療費を払い、500万円以上と回答した人も4.6%います。(「不妊治療の経済的負担に関するアンケートPart2」2013年4月発表)
不妊治療費を準備する方法は、自分の貯蓄や収入から準備する以外にもいくつか手段はあります。
まず挙げられるのは、助成金制度を利用する方法です。
一定の所得制限、年齢制限がありますが、国の助成金制度では最大25万円の助成金があり、各自治体で独自に上乗せをしていることがあります。
自治体によっては所得制限が無かったり、対象となる治療の範囲を広げたりしているので、まずはお住いの自治体に確認しておきましょう。
また、親からの援助も考えられます。
この時に活用できるのが「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」措置 です。
親からだといっても一般に年間110万円を超える贈与があると、贈与税を支払わなければなりません。
贈与税率は110万円を超えた金額が200万円以下で10%、400万円以下で20%です。
しかし、先の非課税措置を利用すれば、対象となる結婚・子育て資金は1000万円まで非課税で贈与できます。
不妊治療の費用はこの結婚・子育て資金として含まれています。
ただし、贈与は金融機関の専用口座を利用しなければならなかったり、最終的に残額があればその部分に贈与税が課されたり、デメリットもあります。
この制度を利用するのであれば、不妊治療を含め将来の子育て資金までしっかりご両親と計画を立てたうえで行う必要がありますね。
この他、ローンという方法もあります。
不妊治療の専用のローンを取り扱う銀行もあり、プライバシーを守るため一度も対面せずにネットや郵送のやりとりだけで借りられます。
コンビニATMで借入、返済ができ、最大800万円借りられます。
ただ金利が7~11%(H29年3/22現在)。
もし500万円を金利11%、5年返済で借りたら、総返済額は約650万円、月々の返済額は約11万円です。
幸いにも子供を授かったとしてもその後毎月のしかかる金額としては大きすぎるようです。
もし借りるのであれば返済できる金利・金額なのか、ご家庭のキャッシュフロー表を作って考えるとよいです。
キャッシュフローを作る作業は大変ですが、お金を借りるということはそれだけの覚悟が必要にも思います。
可能であればご両親に低い金利で借りられないか、まずはご相談してみるのもよいでしょう。
とはいえ、まずは自身の貯蓄・収入で準備できるか確認しましょう。
そのためにも、今のご家庭の収支で貯蓄ができているのかや資産総額はいくらあるかを確認します。
それに対して今の治療を続けることで治療費がどのくらいかかるのか、どこまでかけられるかを考えます。
「やめどき」のない治療ですので、資金計画も1~2年の短期で作り、都度見直しをするのも一案です。
資金計画の見直しのタイミングに夫婦で治療計画やお互いの気持ちも確認ができるのではないでしょうか。
大きな費用が必要になる不妊治療ですが、その先には夫婦あるいは家族で必要になるお金もあります。
将来までの資金を確認することで、今、安心して使えるお金にしていきたいですね。
ファイナンシャルプランナー
松原 季恵
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by lifeplaning
| 2017-03-27 00:00
| 松原 季恵