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2010年 02月 08日

スイス銀行の神話の終わる

ライフプランニングブログ読者の皆さん、こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの大山潤です。

変化。

世界中から優秀な研究者を集める国として、まずは米国を、そしてNHKでも特集が組まれていたシンガポールが頭に浮かびます。

今やインドが研究開発の中心に、というのがFT誌の見立てのようで、その代表例として米GE(ゼネラル・エレクトリック)のテクノロジストの1/6を擁するインドのジョン・F・ウェルチ・テクノロジーセンターが、今年中には1/4に達するだろうと紹介されています。

「中国もそこそこだが、その他の国はインドには及ばない」というのもインドの変化の凄さを象徴するような言葉です。

もう一つの変化は、スイスで起きています。

すでに米国からの口座情報提供の要求に屈してしまったように、徹底して顧客の秘密を守るというようなスイスの銀行が持っていた神秘性は失われつつあるようです。

富裕層のプライベートバンク、国外へのキャピタルフライト、脱税、犯罪者のマネーロンダリングなどなど、
あらゆる顧客の情報を守ってきたスイスの銀行に抱くイメージは、崩れる一方で元に戻ることは無いのかもしれません。

ドイツ当局が脱税摘発のために、銀行から盗難され当局に持ち込まれた顧客情報を購入する可能性があることに、ドイツのメルケル首相が言及しています。

捜査のためにスイスの銀行に顧客情報の提出を求めることは有りのような気はしますが、
記事から推測すると、盗んだ顧客情報を当局に販売する、当局は脱税された税を回収する代わりにその行為に報酬を支払うということですから、何とも納得しがたいところがあります。

社内の不正を内部告発するような行為と考えれば理解できなくもないですし、
そもそもプライベートバンクを活用するほど資産家でもなく、当たり前ですが脱税やマネーロンダリングに加担する気も無いので、関係ないと言えば関係ないのですが・・・、

やはり金融機関が持つべき秘匿性を考えれば、基本的にはいかなる顧客情報といえどもダダ漏れしてしまうのは受け入れ難い状況です。

実際、国内の金融機関や大量の顧客情報を扱う企業から、正面からではなく裏から情報が流出してしまう事故は少なくなく、この情報の買い手に国がなると考えるとぞっとします。

この件に関してスイスはドイツと伝統を守る方向で話し合いを持つようですが、金融面からも政治面からもEUから距離を置いてきたスイスも、EUの中では比較的健全な財政状況であるはずのドイツも、今回の金融危機の影響もあってか、この変化を受け入れるしかなさそうです。

参考記事:
http://www.businessweek.com/news/2010-02-04/german-government-backs-state-on-stolen-swiss-bank-account-data.html
by lifeplaning | 2010-02-08 10:17 | 大山 潤
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