2009年 11月 09日
バフェットがついに見つけた巨象
ファイナンシャルプランナーの大山潤です。
先週は、著名投資家ウォーレン・バフェットがトップを務めるバークシャーハサウェイ社のビッグな投資案件に関するニュースが発表されました。
その案件とは、バークシャー社が、バーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)という鉄道会社の77%を260億ドルで買収するというものでした。
この発表以前から、バークシャー社は同社の株式の22%を保有する大株主でした。
昔からある伝統的な産業で、どちらかといえばローテクなイメージの鉄道へ、なぜバフェットはバークシャーの保有する大部分の資産を投じる決断したのでしょう?
CNBCのインタビューで、バフェットはこの買収の理由と魅力について以下のように話しています。
・費用対効果に優れている。
BNSF社は、昨年平均で、1ガロンのデーゼルで1トンの貨物を470マイル運んだ。
・環境にもやさしい。
大気への汚染物質の放出も少ない。非常にエネルギー消費を節約しているし、道路の渋滞も減らしている。
・鉄道は、米国内のトン-マイル(運搬量と運搬距離)の40%を占める。
BNSF社は、運搬用トラック運搬能力の合計、他の米国内の4大鉄道の運搬能力を上回っている。
・最後に、
「わたしは基本的にこの国の繁栄を信じている。これから10、20、30年により多くの人々がより多くの貨物を輸送することになるでしょう。そして鉄道は利益を上げることになる。
このことは、まさにこの国への賭けだ(鉄道の繁栄=アメリカの繁栄)。」
と締めくくっています。
またBNSF社がおもに運搬している貨物にも注目すべきポイントがあると思います。
AP通信は、このニュースの中で、同社を次の様に紹介しています。
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バーリントンノーザン、国内第2位の鉄道、トウモロコシのような食料品、電力用の石炭の最大の運送業者、国の経済環境の指標。
鉄道はまた、ロサンゼルス、ロングビーチ、カリフォルニア、シアトルのような西側の港から、大量の日用品、例えば冷蔵庫、衣類、テレビなどを運ぶ。
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特に太字にした部分は、バーリントン社ひいてはバークシャー社の収益の源泉となるのでしょうから、このあたりの需要や価格の動向にも相当強気な見通しを持っているような気がします。