2017年 02月 08日
確定拠出年金の商品選びの基本
マイアドバイザー®jp登録ファイナンシャルプランナーの浅川陽子です。
確定拠出年金に加入してみたいが、運用商品も多くて、どのように商品を選べばよいか悩む方も多いと思われます。かつて、企業型確定拠出年金の投資教育の講師をやっていた時の経験を基に、商品選びの基本についてお話ししてみたいと思います。
<投資の基本は分散投資>
投資は、分散投資で、値動きの違うものを組み合わせるのが基本であり、代表的なものは、債券と株式の組み合わせといわれています。さらに国内と外国のもので分散させると、国内債券+国内株式+外国債券+外国株式が、分散投資の代表になります。分散投資がなぜ投資の基本かというと、資産ごとに値動きは異なりますので、分散させることで、リターン(期待できる収益)のブレであるリスクを小さくしようということです。
<運用商品は元本確保型と投資信託>
運用商品には、定期預金や保険商品といった「元本確保型」の商品の他に、投資信託が主な運用商品になります。これらの商品をどのように組み合わせて分散投資をするかがポイントです。その時の注意点は、分散の仕方(資産配分比率)によって、リターンとリスクが変わってくるということで、一般に株式の比率が高まるとリターンは高まるといわれていますが、リターンが高くなるとリスクも高くなりますので、どの程度のリターンとリスクをとるか考えることが重要です。
企業研修の時は、質問形式の「リスク許容度診断」で、自分のリスク許容度を確認し、それにあった資産配分比率から、商品を選ぶという流れが一般的でした。個人型加入のために、金融機関やそのサイトで、「どの程度のリターンとリスクがとれるか」といったシミュレーションが用意されていると思われますので、まずはこれを活用してみましょう。
<資産配分比率が決定したら、自分で投資信託を組み立てる場合>
自分にあったリスク・リターンで、参考資産配分比率が示されたら、その比率にそって商品を組み合わせます。仮に、元本確保型10%、国内債券55%、外国債券10%、国内株式20%、外国株式5%だとすると、それにあわせて、元本確保型や、投資信託を組み合わせることになります。組み合わせに使う投資信託はまずは「インデックス運用」の投資信託です。「インデックス運用」の投資信託は、市場の動きを示す指数をベンチマークとして、それに連動するよう運用されているもので、コストも安くなっています。
<バランス型を選ぶ場合>
バランス型の投資信託は、国内外の債券や株式等で分散し運用するものですが、中に組み入れられている株式等の割合によって、リスク・リターンの程度が変わります。
また、一般的なバランス型の他に「「ターゲットイヤー型」という、経過年数によって資産配分比率を自動的に変更してくれるものもあります。まずは比較的積極運用からスタートし、年数の経過に伴い、リスクが逓減するように資産配分比率を変更していき、ターゲットイヤーの年には、ほぼリスクのない資産構成になっているというものです.
バランス型の特徴は、中に組み入れられている資産の比率が運用途中で崩れないように自動調整されている点で、自分で投資信託を複数組み合わせる場合は、自分で「リバランス」という資産配分比率の見直し(比率が高くなっているものを売り、低くなっているものを買って調整)を行う必要があります。
ここまでが基本編です。基本の組み合わせ方が理解できれば、分散の幅を広げたり、リターン(リスクも)を上げたりするために、他の商品を加えていけばよいということになります。
<アクティブ型や新興国を投資対象にしたものを組み入れる>
運用商品の投資信託の中には、「アクティブ運用」の投資信託もあり、これは、ベンチマークを上回る運用を目指すので、「インデックス運用」よりリスクやリターンは上がると考えられます。また、外国株式や外国債券というのは主に先進国を投資対象にしていますが、新興国を対象とした、新興国債券や、新興国株式で運用する投資信託もありますし、また、不動産を投資対象とするREITが組み込まれているものもあります。
確定拠出年金では、運用商品の変更はいつでも可能です。とりあえず、元本確保型の商品で運用をスタートしようという方もいるかもしれませんが、収益に対して非課税という確定拠出年金のメリットをいかすためにも、自分にあったリスクで、分散投資にチャレンジしてみましょう。