2015年 09月 21日
遺言を用意しておこう!
マイアドバイザー®jp登録ファイナンシャルプランナーの浅川陽子です。
先日、久しぶりにTVで「高校生ウルトラクイズ」を視聴していたら、「高校生でも遺言を書ける、○か×か」という問題が出ていました。答えは○で、遺言は満15歳以上の人なら書くことができます。
最近は、遺言作成セミナーもよく開催されているようですが、「遺言て書くのがむずかしそう」と思っている人や、「うちに限って相続でもめるなんて考えられないから、遺言なんて必要ない」と思っている人もいるかもしれません。しかし、子のいない夫婦でかつ配偶者の兄弟姉妹がいる場合などは、「すべての財産を妻(夫)○○に相続させる」といった遺言を書いておかないと、亡くなった配偶者の兄弟姉妹から、相続人にとして遺産の分割を要求されることもあるのです。
遺言が「ある」と「ない」とでは、実際の相続の手続きにおいても大きな違いがでてきます。もし、相続人が1人のみで、すべての遺産を相続人が相続するのであれば、遺言は不要かもしれませんが、複数の相続人がいる場合は、円満にスムーズに手続きを行うためにも、遺言は用意しておくほうがよいといえます。
<自筆証書遺言とは>
遺言は、自分で書くことができ、これを「自筆証書遺言」といい、本人が、全文と日付を自書し、署名押印、封筒にいれ、開封されないようにしておけば、立派な遺言が完成します。費用もかからず、内容を変更したくなった時には、いつでも書き直すことができるというメリットがありますが、遺言者が亡くなった後、勝手に開封せず、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。
「自筆証書遺言」を書いておいても、家族がそれを知らず、発見されなかった場合、書いた意味がなくなります。家族に知らせておくか、または、信頼できる第三者に預けておくことも一案ですが、最近は、遺言を預かるサービスを行っている司法書士や行政書士もいるようです。
<複雑な内容になるなら、「公正証書遺言」を>
自分で書いた遺言の場合、形式上有効でも、表現が曖昧、用語に問題があったりすると、それに従って遺産を分割するのが難しい場合もでてきますし、相続人間の紛争の種にもなりかねません。内容が複雑になるのであれば、やはり、専門家に作成してもらう「公正証書遺言」がおすすめです。
公証役場で2人以上の証人の下、本人が内容を伝え、公証人が作成するので無効になることはなく、「自筆証書遺言」のような、家裁の検認も不要になります。ただし、公正証書作成には手数料が必要で、目的財産の金額が、1,000万円では17,000円、5,000万円では29,000円、1億円では43,000円等の基準額から、各相続人の受け取る財産額によって算出し合計額をだすことになっていて、さらに、全体の金額が1億円未満では、11,000円が加算されます。
日本公証人連合会によれば、2014年、公正役場で作成された「公正証書遺言」は、10万4490件で、初めて10万件を超えたそうです。遺言への関心の高さの表れともいえるかもしれません。相続は、遺産が少ないほうがもめる場合が多いといわれています。相続が「争族」にならないために、その可能性がある場合は、ぜひ、遺言を用意しておくことをおすすめします。