2015年 01月 05日
肌で感じたブラジル経済
ライフプランニング公式ブログ読者の皆さん、こんにちは!
マイアドバイザー®jp登録ファイナンシャルプランナーの田中尚実です。
NISA口座でレアル建ブラジル国債に投資する人が増えているそうです。
読者の皆さんの中にも投資した、するつもり、という方がいらっしゃるのでは。
私、この年末年始はブラジルに滞在しておりました。
オリンピックを約1年半後に控えるブラジルですが、経済はかつての勢いはなく、
減速気味と言われています。
しかし実際に行ってみると、それでもなお消費意欲は旺盛で、非常に活気がある
と感じました。
肌で感じる感覚というのは、景気を判断する一つの材料。
実際に行ってみた様子をちょこっとお伝えしたいと思います。
ショッピングセンターで色々なお店のショーウインドウを眺めていると、
商品価格表示のところに「10×⚪︎⚪︎⚪︎レアル」とか「5×⚪︎⚪︎⚪︎レアル」
といった表記がありました。
何かと思ったら、×というのは分割払いという意味なんですね~。
つまり、上の例は⚪︎⚪︎⚪︎レアルの10回払い、5回払いということです。
ブラジルでは、毎月の給与から借金(分割払いは借金です!)
にあてられる金額を大体決めて、その金額に達するまでガンガン
買い物をするという人が多いそうです。
インフレ率は年平均6%程度で推移しており、現在のブラジルの物価は
感覚的には日本と同等かむしろ高い位です。
でも物価高と同時に賃金も上がっていますから、分割払いでどんどん
買い物をするわけです。
今後ブラジルは労働人口が増加していきますから、生産力も消費も増大
することが予測されますので、経済成長は長期的には堅調に推移するものと
期待されています。
一方、企業側に立ってみると、いわゆるブラジルコストと呼ばれるものが
大きな負担となっており、なかなか厳しいビジネス環境だな~、と感じました。
ブラジルコストとは、GDP比約37%、56種類の重く複雑な税コスト、
労働者への過剰なまでの保護政策による人件費コスト、治安対策のため
警備員を配置したり防弾車を購入したりする治安コスト、鉄道網が整備
されていないため高いトラック輸送に頼らざるを得ない物流コスト、
高い賃料コストなどなど…。
ブラジルコストについては従来より問題視されており、今月発足した
新政権もこれらの課題に取り組むと言っていますが、
改善は容易ではないでしょう。
ちなみにipadの値段が世界で最も高いのはブラジルだとか。
ブラジルコストの影響ですね。