2014年 02月 24日
個人向け社債3
ファイナンシャル・プランナーの田中尚実です。
今回は個人向け社債のリスクについて触れたいと思います。
信用リスク
社債の発行企業が倒産した場合、その社債の元本や利息が支払われない
場合があります。これを信用リスクといいます。
大きな企業が発行するものなら大丈夫というわけにはいきません。
例えば、2001年に大手総合スーパーのマイカルが経営破綻した時には、
個人向け社債を購入していた方々は損失を被ることになりました。
信用リスクを判断する一つの目安ではありますが、債券を購入する際には、
格付会社の格付けやその企業の株価が同業他社と比べて著しく値下がり
していないかなど、チェックすることが大切です。
価格変動リスク
社債の価格は景気や為替、金利などの影響により日々動きます。
これを価格変動リスクといいます。
一般的に、金利が上昇すると債券価格は下がり、金利が低下すると
債券価格は上がります。
償還まで保有すれば額面金額は戻ってきますが(倒産の場合は除く)、
途中で売却する場合はその時の価格で取引されますから、
場合によっては損をする可能性があります。
価格が下がっている局面で換金せねばならない状態に陥らないよう
資金計画を立てて購入するようにしましょう。
流動性リスク
購入した社債を途中で売りたいと思っても誰も買い取ってくれない
という可能性があります。これを流動性リスクといいます。
個人向け社債は原則相対取引です。購入した社債を売りたいと注文
を出すと、証券会社はそれを買いたい人を探しますが、買いたい人が
現れなくても将来売れることを見込んで証券会社が買い取ります。
しかし、その社債発行企業の経営状況が悪化している場合などは、
証券会社も買取に応じてくれなかったり、顕在化した信用リスクを
織り込んだ非常に安い価格になってしまうこともあります。