2013年 08月 09日
受験生の皆さんへ!~知っておいてほしい奨学金のお話②~
ファイナンシャルプランナーの川崎由華です。
大学受験を控えた受験生の皆さんへ。
奨学金を借りる場合、まず大切なことは、奨学金の制度を知って、自分が借りる額と返す額を頭に入れておくことです。
最も利用者が多い日本学生支援機構が扱う第二種奨学金は、自分で借りたい額を決めるのではなく、借りる金額を30,000円、50,000円、80,000円、100,000円、120,000円の5種類の月額から選ぶきまりになっています。
家や車を買う時には、不足分のお金を一括で借りますが、奨学金は毎月あなたの金融機関の口座に振り込まれる形なので、総額で一体いくら借りることになるのかという意識は薄くなりがちです。
もし、毎月50,000円を借りるなら48ヶ月で240万円、最大の120,000円を選択するならば576万円を借りることになりますね。
借りた額が240万円でも、「利子」がつくと、返す額は240万円ではなくなってしまいます。
この第二種奨学金は、大学在学中には利子がつかないので、卒業時の返す額は借りた額と同じ240万円のままですが、卒業後からは借りた額に「利子」がプラスされます。
どのくらいの利子がつくのかは、借りる段階では正確には分かりません。
卒業後の返済が開始する時の「利率」で決まるからです。
参考までに、平成25年7月現在の利率(利率固定方式)は1.09%で、240万円借りた場合は約262万円が返す額となり、約22万円がお金を借りたことによる利子分となります。
また、6年前の平成19年7月であれば利率は1.90%で返す額は約278万円、利子は約38万円。
奨学金の利率の上限とされている3%では、返す額は約302万円、利子は約62万円。
このように、その時の利率によって利子がどれだけ上乗せされるのかが変わってくるので、今の時点では返す額を正確に把握はできませんが、卒業後には利子がつくことを頭に入れておきましょう。
実はこの利率には、返済し終えるまでずっと同じ利率で変わらない利率固定方式と、5年ごとに利率を見直していく(情勢によって利率が変動していく)利率見直し方式の2種類があり、最終貸与年度つまり卒業年度に、どちらかの方式にするのか最終決定することになっています。
最近、ニュースで住宅ローンの金利が上がるだのといった話題を耳にしたかもしれませんが、大人も住宅ローンを変動金利にするのか、固定金利にするのかと、利率方式の選択に悩んでいるのです。
受験生のあなたにとっては、利率方式の選択はまだ先の話になりますから、今後の返済が変わってくるほどこの選択は大切であることだけ覚えておいてくださいね。
そしてもう一つ、この奨学金制度の良い点である卒業するまでは利子がつかないところを、なるべく活かそうという気持ちを持っていてください。
卒業時に一部でもいいから返す(繰上げ返済する)ことができれば、払わなければいけない利子は少なくなり、今後の返済も楽になります。
大学在学中にアルバイトをしたり節約したりして、少しでも手元に残るお金があれば、あなたの欲しいもののためとは別に、奨学金の返済のためにも貯めておく意識でいましょう。
次回は、卒業後に返済している先輩方の現状について触れながら、奨学金返済のルールについてお伝えします。