2013年 06月 14日
住宅ローン、変動金利のままでいいの?と少し不安な方へ
ファイナンシャルプランナーの川崎由華です。
景気が動き出したようなニュース、長期金利が上がったニュースを耳にすると、プラスの金融資産をお持ちの方は期待感で心を躍らせる一方で、マイナスの金融資産、特に変動金利の住宅ローンを抱えている人にとっては不安を募らせつつあるかと思います。
変動金利のままでいいの?
今のうちに固定金利に借り換えた方がいいの?
そんな声があちこちから聞こえてきます。
今後の経済について、誰もが確実なことは言えませんが、現在の金利は未曽有の低水準であり、今の日本の政策を考慮しても、近い将来的上がる可能性は非常に高いでしょう。
つまり、固定金利を選ぶには、今が適した時期だと言えるでしょう。
じゃあ固定金利に借り換えたらいいんだね。
そんな声が聞こえてきそうですが、「借り換え」そのもの簡単なことではありません。
借り換えは、今借りている金融機関とは別の金融機関において新しくローンを組み直すことなので、現在の収入や健康状態で審査があります。
また、固定金利に借り換えるということは、借り換えの事務手続きにコストがかかる上、間違いなく今より毎月の返済負担は大きくなるということです。
例えば、2年前に変動金利(1.0%)で借入額3,000万円、借入期間35年の住宅ローンを組んでいた方が、残期間33年の固定金利(2.25%)に借り換えた場合、諸経費として約80万円見込まれるとともに、毎月の負担は約84,700円から約103,500円と約18,800円も増加します。
この負担の増加に対応できる家計の準備はできていますか?
この先、毎月必ず支払わなきゃいけない金額として見積もっていっても家計のやりくりが可能ですか?
もし、お子さまが現在小学生の高学年で、これから10年近くは教育費が嵩んでくるだろうと先が見えているならば、固定金利へ変更して安心感を得たいものの、住宅ローンの負担が増えることは家計的に厳しいという方も多いでしょう。
そういった方には、全期間固定金利への借り換えより、最初の10年間は固定金利でその後は変動金利になる固定期間特約型を選択した方が、ライフプランに即しているでしょう(現役で収入を得られる期間や、その他条件も加味する必要があります)。
固定金利特約型は、最初の固定期間の金利をかなり下げた商品となっているため、金利上昇のリスクはないうえ、教育費がかかる時期だけは確実に返済額を抑えておくことができます。
そして、教育費の負担が軽くなる頃に再度ローンを組み直すか、余剰金で繰り上げ返済をしていくといったプランニングをしておくとよいでしょう。
現在のような金利上昇予測がされる局面において、このように変動金利のローンを固定金利や固定金利特約型に借り換えることは堅実な手ではありますが、借り換えが全てではありません。
ある程度の余剰の預貯金を持っている方は、繰上げ返済をして残債を減らしておくのも金利上昇対策も一つの手でしょうし、返済期間の終わりが何年後かに見えているのであれば、焦ることなくこれまで通り着実に返済していけばいいでしょう。
住宅ローンについては、完済に向けて借り換えや繰上げ返済などを活用して対策していく一方で、金利上昇に期待できるこの時期こそ、プラスの金融資産が上手く肥やせていける運用にも目を光らせていきたいですね。