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2013年 05月 06日

生命保険料の決まり方4

ライフプランニング公式ブログ読者の皆さん、こんにちは!
ファイナンシャル・プランナーの田中尚実です。

生命保険料の決まり方1でお伝えしたように、生命保険の保険料は、
大数の法則と収支相等の原則に基づいて、3つの予定基礎率を用いて
算出されるんでしたね。
3つの予定基礎率とは、予定死亡率予定事業費率、予定利率
でしたね。
今回は、予定利率について説明します。

予定利率

保険会社は契約者から預かった保険料で資産運用を行い、その運用により
得られる利益を見込んでその分だけ割り引いて保険料を算出します。
そのいわば割引率にあたるものを予定利率といいます。

予定利率が高ければ、「運用で結構増やせるんで保険料少なくていいですよ」
ということで保険料は安く、
予定利率が低ければ「あんまり運用で増やせないんで保険料多目にもらいますよ」
ということで保険料は高い、という構図です。
予定利率は積立利率変動型などの一部の保険を除き、途中で変更になることは
ありません。

この3月は「4月から保険料が上がると聞いたのですが」と相談に訪れる方
が多かったです。
なぜならば、「標準利率引き下げにより4月から保険料が上がる」
との報道が3月になされていたからです。

生命保険料の決まり方2でもお伝えしましたが、保険会社は将来の保険金
の支払いに備えて、責任準備金というお金を積み立てておくことを義務づけ
られています。
責任準備金の計算をする時に使われるのが標準利率で、新発10年物国債の
利回りをもとに金融庁が決定します。
この標準利率が、1.5%から1.0%へと先月12年ぶりに引き下げられたのです。

標準利率が引き下げられたことにより、保険会社は責任準備金を積み増す
必要が生じましたが、予定利率を連動して引き下げる義務はありません。
例えば、事業費を削るなど経営努力により積み増し原資を確保するという
選択もあります。
でもやはり予定利率を引き下げて保険料を値上げし、収入を増やすという
対応をとるのが一般的です。

実際はどうでしょう。
大半の保険会社が、4月の契約分から保険料を引き上げているようです。
特に貯蓄性の商品では、10%以上の値上げになっているものもあります。
しかし、保険料の値上げは販売減に直結してしまいます。
主力商品の保険料は据え置く、あるいはあえて値下げに踏み切るという
ところも。
経費の削減努力や、主力商品以外の保険料を値上げする等の戦略をとって
いるようです。
by lifeplaning | 2013-05-06 12:31 | 田中 尚実
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