2012年 09月 24日
遺言書の種類
ファイナンシャルプランナーの田中尚実です。
遺言とはあなたの考えや思いを生前に示しておくものです。
亡くなった後にその思いを尊重し、実現すべく法的効力が認められています。
満15歳以上で、かつ意思能力があれば作成できます。
遺言の方式には色々あるのですが、代表的な3タイプにつきご紹介いたします。
<自筆証書遺言>
本人が、遺言の全文、日付、氏名を自書し、押印する遺言です。
費用もほとんどかからず、もっとも手軽に作成できる遺言といえます。
遺言書の存在自体や内容も秘密にしておくことができます。
しかし、紛失したり、勝手に破棄される等の危険がありますし、
定められた要式にそっていない場合は、無効となってしまう可能性があります。
例えば、パソコンで作成したものは無効ですし、「○年○月吉日」といった書き方
のように、日付が特定できないものも無効です。
<公正証書遺言>
本人が口述し、公証人が筆記する遺言で、証人2名以上の立ち会いが必要です。
作成は公証人が行いますので、法的に不備のないものとなりますし、
原本は公証人役場が保管しますので、紛失したり、偽造、変造される心配がありません。
ただし、当然のことながら遺言書の存在や内容は完全に秘密にはできませんし、
一定の費用もかかります。
費用については、政府が定めた「公証人手数料令」という政令により定められています。
(詳しくは、日本公証人連合会のHPの手数料というところをクリック)
<秘密証書遺言>
内容を記した証書に本人が署名、押印したのち封入封印し、
公証人と証人2名以上の前に提出する方式の遺言です。
遺言書の存在を明確にしつつも、内容については秘密にしておくことができます。
ちなみに、秘密証書遺言は、自筆による署名、押印があれば、パソコンで作成
しても構いません。
しかしながら、自筆証書遺言と同様に、内容に法的な不備があれば無効になり
ますし、秘密証書遺言は公証人役場で保管はしないので、紛失したり、勝手に
破棄される等の危険はあります。
費用は一律11,000円です。
自筆証書遺言と秘密証書遺言には家庭裁判所の検認が必要です。
検認とは,遺言の存在を明らかにするとともに,遺言書の内容を明確にして
遺言書の偽造、変造を防止するための手続です。
遺言の有効・無効を判断するものではありません。