2012年 09月 17日
遺言書を遺す意味
ファイナンシャルプランナーの田中尚実です。
法定相続人の範囲と順位、法定相続分についてお伝えしてきましたが、
法定相続人以外にも財産をあげたい、あるいは逆に、法定相続人だがあいつには
あまりあげたくない、というケースは結構あるはずです。
例えば、同居する長男のところに嫁いできた嫁が、家のことや自分の介護など、
散々つくしてくれている、なんていう場合。
もしもの時には、相続でこの恩に報いたいと思っても、嫁は法定相続人では
ありません。
例えば、子どもがいない夫婦の場合、自分がもしもの時には、二人で築いて
きた財産は全て妻に相続させたいと夫が思っても、妻以外に法定相続人がいる
ならば、その者にも財産が渡ります。仮に親が亡くなっていても兄弟姉妹が
いるならば、兄弟姉妹は法定相続人ですからね。
そんな時、威力を発揮するのが遺言書です。
遺言による相続分の指定は、法定相続よりも優先されるのです。
遺言書なんてそんな大げさな、と思われるかもしれませんが、
上記のようにあげたい人にあげたいとか、不動産など簡単に分けることが
できない財産しかないような場合に、実質的な公平性を保ったり、
無用な争いを回避する役目があります。
遺言書は、あなたの考えや思いを生前に文書にして遺しておくものだと
捉えるといいでしょう。
遺言書は、満15歳以上で、かつ意思能力があれば作成できます。
遺言書を作成した後に考えが変わったとしても、書き直すことができます。
作成日の新しいものが有効となるのです。
遺言書の作成方法としては、代表的なものとして3タイプあります。
次回は、遺言書の種類についてお伝えしたいと思います。