2012年 01月 27日
リスクに備える~自分にできることから始めよう。
ファイナンシャルプランナーの當舎です。
2005年4月乗客106人が死亡した兵庫県のJR福知山線脱線事故で
業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本の前社長の無罪が確定し、
25日に神戸地検から正式に控訴断念が表明されました。
実は、阪神淡路大震災と同じように、私の記憶の中では、
この事故。忘れられないものなのです。
なぜなら、いつもこの電車に乗るはずの父が、一本早く乗ったために、
難を逃れ、私と同じ年に社会保険労務士に合格し、
仕事もばりばりこなしていた同期の知人が、
不幸にも事故に巻き込まれたからです。
この二つの事件から、「人生、何があるか分からないから、普段から、
備えられるものは備えておこう」と強くリスク対策を感じるようになったと言えます。
先週から、カルチャーセンターで、
「エンディングノートの書き方講座」も始めました。
久しぶりですが、やはり、突然、何かあって周囲の大事な人に迷惑をかけるより、
ちゃんと、自分の思いを伝えておこうという気持ちを、
最初に受講生の方にもお話ししておきました。
「何から始めたらいいかわからない」という方も多いですが、
まずは、何なら取り組めるのか考えてみましょう。
もし、家計を全部預かる主婦であれば、
「財産一覧表」を作っておいたり、この貯金は何のためにあるのか、
「目的」を書き出しておく。
一人暮らしの方であれば、冷蔵庫の前など、倒れた時のために、
「常備薬」や「かかりつけの病院」「持病」「保険証の番号」などを書き留めておく。
サラリーマンの方であれば、「自分に何かあった時に、妻子に残せるもの」を
書き留めておく。
「忙しいから」「わからないから」
「何となく、自分は大丈夫」と根拠のない言い訳はやめましょう。
先日、神戸に出張に行った時のことです。
家が崩壊し、新たに近所で家を購入した方が、
やはり二重ローンを背負っており、一つは返済が終了したものの、
まだ、一つは残っているという話をされていました。
25日に、東日本大震災の二重ローン対策で、
適用が緩和されています。
手元に残すことのできるお金の目安を99万円から500万円までと
引き上げられました。
ただ、現状債務整理の手続きがかなり少なくとどまっている状況で、
いきなり適用拡大と救済が進むのかは疑問です。
次々と制度ができて、救済されるケースもありますが、
やはり、「まずは、自分ができること」から始めていってほしいものです。