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2011年 11月 24日

ギリシャ問題から予定利率まで

ライフプランニング公式ブログ読者の皆さん、こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの杉山 明です。

金融市場はギリシャ問題でジェットコースターのような市場になっています。上がったり下がったり。ヨーロッパが下がれば、アメリカも下がる。アメリカが下がれば、日本も下がる。そして、イタリアやスペインの国債の金利は7%程度にまで急上昇ということになっています。

金利が上がればうれしいのでは?と思う向きもあるでしょうが、そうではありません。金利が高いということは、市場はデフォルトになる可能性を織り込んでいるということです。デフォルトとは、国債の元本や利息の全部または一部が支払われなくなるということ。本当の金利は4%だとしても、その金利は本当に支払われるかどうかわからない。そうなると、市場は支払われなかったときのことを想定して上乗せの金利を要求するのです。金利が上がると国債の価格は下がります。金利と国債価格の関係はこちらをご覧ください。

一方で、イタリアやスペインの国債に流れていたお金は、そういったリスクを回避しようと国債の売却に動きます。売却しても代替的な投資先を探さなければなりません。より安全な資産です。アメリカ、ドイツ、日本の国債はその候補です。そうなると、買い手市場になり、こういった国の国債の価格は上昇します。債券の価格が上がると、金利は低下します。

ところで、生命保険は保険契約者から預かったお金のかなりの部分を国債などの債券で運用しています。もし、国債の利回りが低下して、保険契約の基礎となっている予定利率を下回るようなことになると逆ザヤが発生します。保険会社の経営を圧迫するということになります。

現在、保険会社で予定利率を引き下げるという話がよく聞かれるようになりましたが、その背景には日本国債の金利の低下があり、さらにその先にはギリシャ問題があるという状況になっています。
by lifeplaning | 2011-11-24 07:30 | 杉山 明
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